守田です。(20141118 23:00)

映画「小さき声のカノン」を製作中の映画監督、鎌仲ひとみさんが京都・滋賀に来られることになりました。
23日は13時半より左京区の「左京いきいき市民活動センター」でカノンだよりVol.3を上映。
その後、ノンベクレルキッチンホテヴィラの広海ロクローさんと対談します。
お二人の対談がメインなのですが僕も飛び入りで参加させてもらうことにしました!なので鎌仲&ロクロー対談+守田となります!

24日は滋賀県栗東市で行われるアースデイしがに鎌仲さんが参加。映画「カノンだより特別版」の上映と講演会があります。
その上映の前に野外ステージで鎌仲さんと僕が対談します!
僕自身としては2日間にわたって鎌仲さんとお話することになります。とても楽しみです。

鎌仲さんと初めて出会ったのは滋賀県高島市で毎年行われている「山水人」の場。
他に二人の方とのパネルディスカッションに参加させてもらいました。
このとき、僕は被爆医師の肥田舜太郎さんをインタビューさせていただき、岩波書店『世界』に載せていただいた後でした。
鎌仲さんはその記事を読んでくださり、肥田さんが言いたいことを僕がきちんと聞き取って文字にしていると感じて、僕を信頼して下さったそうです。

僕は鎌仲さんの温かさ、ポンポン語るテンポのよさ、あけっぴろげで歯に衣を着せないけれどもなんとも楽しい雰囲気、そしてそれらの奥底に流れる優しさに魅了されました。
またこの頃に映画「ヒバクシャ」を観ても唸りました。そもそもこの映画を観たのがこの直前で、鎌仲さんに「信じらんな~い」と怒られてしまいましたが、ともかくとても先駆的だと思ったのです。
「ああ、今必要なすべてのことを、こんなに前からきちんと映像にしていてくれていたのだ」ととてもありがたい気がしたのでした。ちなみにこの映画の重要な主人公のひとりが肥田舜太郎さんです!

その鎌仲さんは今、映画「小さき声のカノン」の製作の真っ只中にいます。
この映画はどんなものなのか。鎌仲さんはどのような思いで作ったのか。
例えばママレボ8号の中に素晴らしいインタビュー記事があり、そこから思いを知ることができます。

ママレボ8号
2014年7月18日金曜日

鎌仲ひとみ監督インタビュー
「子どもを守ろう、と動きだしたお母さんたちの存在は、絶望のなかの希望です」
http://momsrevo.blogspot.jp/2014_07_01_archive.html

そもそも鎌仲さんが放射能と向かい合いだしたのはイラク取材が出発点。
劣化ウラン弾に被ばくした子どもたちを取材して胸を痛めると同時に、ご自身も深刻な健康被害に見舞われました。
その後に福島原発事故が起こった時、原子力村の取材からきちんとした対応をしないだろうとは思っていたけれどもここまで民衆を守らないのかと唖然としたそうです。
しかも自分たちの不始末の隠蔽工作だけは早かった。本当にひどい状況が現れた。

でもそんな中でも大きな希望があった。それが小さい子どもたちを守ろうとした女性たちの行動だったのでした。
鎌仲さんはその行動に寄り添いました。各地で起ちあがった女性たち、お母さんたちのそばに立ってカメラを回し続けた。
同時に彼女はベラルーシ、ウクライナにも飛び、かの地の女性たち、子どもたちを守ろうとしてきた人々の姿もカメラにおさめてきた。

またまた先駆的な映画を作っているなあと僕は思います。
ある意味で残念なことに、こうした女性たちの行動が非常に尊いものであることが、これからどんどんと社会的に光を浴びることになります。
他ならぬ放射線被ばくによって病そのものが急速に発症し始めているし、被ばくが放任されている今のままでは深刻に広がらざるを得ないからです。

やがて社会全体がそれに気が付くことになる。そのとき今よりも強い絶望感が押し寄せてくるはずです。
しかしその中でも希望があったし、これからもあることを鎌仲さんは映像で刻み付けようとしています。いち早く起ちあがった人たち、女性たちの姿があったのです。
そして大切なことに気が付いた人はその時からこうして前を歩いていた人の後を歩めばよい。そのための道筋が「小さき声のカノン」の中に記録されつつあるのだと僕には思えます。

もちろん鎌仲さん自身は、そして僕もまた未来のための覚醒のために動いているわけではない。たった今、多くの人に放射線の危険性を知って欲しいし、手厚い防護を初めて欲しい。
そう思いつつ、東奔西走しているわけですが、しかし映像作家である鎌仲さんの眼はいつも未来の観客の眼をも意識しているのだと思います。
今、すべての被曝を止められない限りそれはとても重要なことです。結果的にものすごく多くの人を守ることになります。

といっても、まだ作品ができていないので全体像は分からないのですが、幸いにも鎌仲さんはこれらの過程を「カマレポ」としてショートストーリーで紹介してきてくださいました。
それをまとめたのが「カノンだより」です。僕は毎月発行のカマレポを購読していて、毎回観させてもらっていますが、その中には僕が皆さんに伝えたいことがたくさん紹介されている。
というか僕もよく知っている方たち、注目している方たちもたくさん登場しています。ぜひみなさんに観て欲しいです。
また今回は京都ではわが友、広海ロクローさんと鎌仲さんとの対談がなされます。
ロクローさんは京都で資材を投げ打って高価な放射線測定器(ベクレルモニター)を購入し、NONベクレル食堂を開設した人です。まさに義挙でした!
実は開設にいたる過程で僕も少し関わりを持たせてもらいました。最初は測定室を建てるつもりという話でお手伝いをしていたのです。
僕はそのころ、宮城県に立ちあがった二つの測定室、「みんなの放射線測定室てとてと」と「小さき花 市民の放射能測定室」に関わりを持たせていただいていました。

ここにともに岩波ブックレット『内部被曝』を編み出した矢ヶ崎克馬さんと一緒に訪れることになり、ロクローさんにも測定室を観てもらいたいと誘ったのでした。
かくして共に宮城県南部を訪問することになりました。二つの測定室とも素晴らしいところで大歓待してくださいました。

このうちの「小さき花」を建てた石森君は、自分が単身、乗り込んで一人で開墾した山の中の農地をすべて放射能汚染されてしまっていました。ロクローさんはそれを聞いて一人涙を流していました。
ちなみに今回の鎌仲さんの映画の題名「小さき声のカノン」の「小さき」はこの「小さき花」が由来していると聞いています。鎌仲さんのセンスの良さに「さすがだなあ」と思いました。

さてこれらの測定室の訪問を終えたロクローさんは、測定室ではなく食堂を作ると言いだした。僕は当初、なぜ食堂なのかよく分かりませんでした。
でもできあがったレストランを観て、そこに訪れるお客さんたちを観てその意味がとてもよく分かりました。そこには、被ばくに苦しみながら避難してきた家族が、安心して、涙を流しながら、美味しい美味しいと肉などを食べている姿がありました。
これらについて食堂ができたばかりのころにインタビューした記事を紹介しておきます。

明日に向けて(588)NONベクレル食堂のめざすもの(上)20121128
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/53019391d83eb2c9151c14dd4bb3bedf

明日に向けて(589)NONベクレル食堂のめざすもの(中)20121129
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/cbc7670f51fe5cd76976a10275930cb7

明日に向けて(590)NONベクレル食堂のめざすもの(下)20121130
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/20f0a119fa1e4cde34ccb35e8a9f7214

僕はこの試みもとても先駆的なものであり、義挙であったと受け止めています。
ロクローさんは今は食堂から「ノンベクレルキッチン ホテヴィラ」に居を移して、志を継続させています。

さてその鎌仲さんとロクローさんが対談されるわけですが、二人ともすでに山水人の場で仲よくなっており、その時も僕も共にいました。
なので今回もロクローさんに無理をいって僕も後から飛び入りさせていただくことにしました。

その上で、翌日24日には「アースディしが」で、鎌仲さんと僕とでお話します。
この日はロクローさんも別枠で「アースディしが」に参加されます。
二日間、3人で行動を共にすることになります。

僕自身としてはどちらかと言えば聞き手にまわって、お二人からみなさんの力になる話を聞きだしたいなと思っています。お近くの方は、ぜひお越しください。

以下、それぞれの企画と「小さき声のカノン」公式ホームページのアドレスを貼り付けておきます!

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11月23日(日)13時半〜

カノンだより Vol.3 上映会
“保養”が子ども達の命を守る!
~日本とベラルーシの現場から~

https://www.facebook.com/events/993744797305831/

2015年公開予定の新作「小さき声のカノン-選択する人々」
製作現場より、各地で出会った”小さき声”をいち早く届ける動画メルマガ「カマレポ」を配信中です。
チェルノブイリ原発事故後のベラルーシ、ウクライナの人々。
今も収束しない福島第一原発事故と共に生きる日本の人々。
交差する視点が今の私たちを浮かび上がらせます。

カノンだよりvol.3の上映後、
鎌仲ひとみ監督 トーク解説

広海ロクロー・鎌仲ひとみ監督の対談。

会場の関係で、予約制【定員40名】*メールと電話で受け付けます。
電 話:080-3101-1636
E-Mail:mail@6960sakyo.net
●先着で、託児も受け付けています。
お申し込みの際にお申し付けください。

会場:京都市左京西部いきいき市民活動センター
電話  075-791-1836 京阪電車出町柳駅より徒歩7分
〒606-8201 京都府京都市左京区田中玄京町149

主催:ロクローと市政を考える会
電 話:080-3101-1636

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11月24日 滋賀県栗東市

アースディ しが 2014
めぐるすべてのいのちのつながりのなかで 今ここに生きている

11月24日(月・祝)
午前10時~午後5時
野外ステージ音楽ライブ・トークイベント『くらしとせいじカフェ』
11時~ 対談 鎌仲ひとみ&守田敏也

なお中ホールで午後1時半より鎌仲監督の講演と「カノンだより特別版」の上映もあります。

その他のスケジュールも含めて、詳しくは以下をチェック
アースディしが 公式ホームページ
http://earthday-shiga.seesaa.net/category/23116700-1.html

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小さき声のカノン
公式ホームページ
http://kamanaka.com/canon/

26年後のベラルーシ編CM 2013年8月5日配信
https://www.youtube.com/watch?v=r-c4P_jWR8I

“カマレポ” CM 〜 100人の母たちから100万人の母たちへ 〜 2013年8月23日公開
https://www.youtube.com/watch?v=jBn3fSwAgUY

“カマレポ”CM 〜チェルノブイリ・ツアー編〜 2013年10月11日
https://www.youtube.com/watch?v=SEGE5v3Y__0

「カマレポ No.12」短縮お試し版! 2014年6月10日
https://www.youtube.com/watch?v=6-J1-Mg4sbc