守田です。(20120915 23:30)

京都に向かう新幹線の中で書いています。投稿するのは、京都市内の自宅に戻ってからですが。今日(15日)は、福島県いわき市で行われていた高木仁三郎基金主催の測定室講習会にオブザーバー参加してきました。全国から15箇所ぐらいの測定所が集まり、中身の濃い討議が重ねられていました。今後のさまざまな測定室へのかかわりに役立たせていただこうと思っています。

さていったん家に帰って、明日は朝から京都府北部、日本海側の与謝野町に向かいます。天橋立のそばで講演なので、少し前にこの日本有数の名勝を見学してしまおうと思っています。この天橋立も、高浜原発から直線で20数キロに位置しています。ここで深刻な事故があれば放棄しなければいけなくなってしまう。そうしたところが他にも日本中にたくさんあるわけで、それはこれらの景勝地をえいえいと私たちの代まで伝えてきてくれたご先祖様方への冒涜であると思えます。

さらにこのところ腹が立って仕方がないのが、なんとこの高浜町に、西日本各地で押し返された震災遺物(いわゆるガレキ)が押し付けられようとしていることです。焼却灰の埋め立てが寝られれてます。これは本当にひどい!高浜町ばかりでなく、敦賀市も候補にあがっています。なんというか、結局ここに持ってくるのか・・・という感じです。与謝野町は京都府、高浜町は福井県、それだけに僕は与謝野町の方が、声を上げやすい面もあるのではないかと思い、ぜひ、高浜町と与謝野町のために、震災遺物広域処理反対の声をあげて欲しいと訴えてこようと思っています。

さらになんとも言えないのは、この高浜に持ち込まれようとしているものが、岩手県大槌町の震災遺物だということです。京都OHANAプロジェクトで中古自転車を届けた町です。その後のフォローでこの7月にも大槌に行ってきましたが、津波で大きく流されてしまった町を見渡して、震災遺物が積み上げられているのはほんのわずかなところであり、広大な地域が復興の手などまったく入らないままに放置されていることが分かりました。震災遺物が復興を妨げているなどというのはまったくの嘘です。

またほかならぬ大槌町の人たち自身、自分たちの住まいなどでもあったこれら震災遺物の移動処理などのぞんでいないのです。壊れたままにされている防波堤を直すために、そこに遺物を積み上げ、鎮魂の森を作りたいというのが地元の願いなのです。そのためには実は大槌のものだけでは足りない。周辺自治体のものを大槌でひきとってもいいという声もあるほどです。

この場合は焼却処理を経ません。震災遺物をしっかりと固めてその上に盛り土すれは、放射性物質も閉じ込めることができます。森の作り方には慎重を要しますが、その点をクリアし、地下水への漏れ出しを防止すれば、これは震災遺物の合理的な処理方法になりえると僕にも思えます。そのために、放射性物質の遮蔽のあり方を研究し、放射性物質があるところまで根をはることのない植物の移植の方法など研究して、安全で、心のこもった鎮魂の森を作ることは可能だと思います。またそのためにこそ予算を投入してその可能性を拓くべきです。

にもかかわらず、人々がここに鎮魂のためにおいておいて欲しいというものを奪い去って移動し、これまで原発を受け入れてきた高浜町、敦賀市に押し付けようとするこの国の政府、高官たちのモラルはいったいどうなっているのでしょうか。心の中に本当に温かい血が流れているのでしょうか・・・。そう考えざるを得ません。こうしたことをこの日本海に面して町でお話してこようと思います。

直前のお知らせで恐縮ですが、以下、案内を貼り付けます。

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原発を考える会講演会「放射能(内部被ばく)に向き合う~子どもたちの未来を守るために」

9月16日(日)14時、生涯学習センター知遊館(京都府与謝郡与謝野町字岩滝2271。KTR「岩滝口」より徒歩23分)TEL0772・46・2451。

ストロンチウム90が10都県で検出されました。子どもたちの安全を守るために、内部被ばくについて、今しっかりとした知識が必要になってきています。

講師=守田敏也(フリーライター)。

無料。

問い合わせTEL0772・46・5048(宮津与謝九条の会:吉田)。