守田です(20250323 11:30)
● ヨウ素剤配布会に向けた動画をご覧下さい
3月29日土曜日に京都市左京区下鴨の「健らいと」にて、安定ヨウ素剤配布会を行います。近くにある鈴木診療所の鈴木富美(すずきふみ)先生に配布して頂きます。午後3時から6時までです。
お配りできるのは取りに来れる方、その方の同居のご家族分です。参加費は500円。何人分でも500円です。主催は「ヨウ素剤を配ってよ@京都」です。
こう聞くと取りに来れない多くの方が「自分には関係ないか」と思われてしまうかもですが、いやいや待って下さい。まずは以下の動画をご覧頂きたいのです。バナーをクリックして下さい。
これは篠山市(現丹波篠山市)の原子力防災パンフレット『原発災害にたくましく備えよう』をテキストにしたもの。30キロ圏外で、唯一、安定ヨウ素剤の市民への配布を続けている自治体です。
この動画に原子力防災の知恵を詰め込みました!だからこれだけは見て頂きたい。来れる方はご覧になって質問に答えて来て下さい。
強調したいのは、原子力防災のマストは安定ヨウ素剤を持つことではないということ。肝心なのは、放射線被曝の構造と恐ろしさを把握し「とっと逃げる」工夫を重ねることにあります。
● 原発は止めるのが一番 でも動いているので私たちが事故対策を打ち出しています
安定ヨウ素剤は、原発過酷事故が起きた時、飛来してくる放射性ヨウ素から甲状腺を守るもの。放射能は過酷事故が起きた直後に、もっとも大量に、また様々に撒き散らされます。それらによる被曝を避けるため「とっとと逃げる」ことが肝心です。
福島原発事故が示したように、過酷事故が起きれば被害が大きく広がります。だから本来最も大事なのは、危険な原発を動かさないこと。そもそも福島原発事故の原因だって解明半ばで過酷事故が防げないのだから、政府も司法も再稼働を止めるべきです。
ところが原発は無謀に無責任に動かされ続けています。こんな危険で無謀なことには大反対ですが、原発が動いている以上、今すぐ過酷事故が起きるかも。
にもかかわらず政府が事故対策すらまともに行わないので、私たちが代わりに対策を打ち出し、ヨウ素剤を配っているのです。

安定ヨウ素剤は丸剤 日光に弱いので遮光のためにこの色で包装されている

篠山市で原子力災害対策検討委員会が 市長にヨウ素剤配布を含む減災の考えを軸にした提言書を提出
これを受けて酒井市長がヨウ素剤配布を決断 2015年6月 朝日新聞
● そもそも原発事故に備えることなどできるのか
その際、考えておかねばならないのは、そもそも「原発事故に備える」などできるのかという点です。過酷事故の際、すべての人が逃げれるだけの万全の準備、体制などとても取れません。そもそも自然災害とセットで交通手段も寸断されてしまうかも知れない。
だから国政に責任のある立場から言えば、どのように計画を立てても、あらゆる事態に対応できるようにはならず、防災が成り立たないのだから、絶対に稼働をやめるべきなのです。
でも実際には原発が動いていて、すぐにも事故が起きるかもしれないので、理不尽だけれど備えなければなりません。ではどうしたらよいのか。できることは「減災」の観点に立ち、少しでも被害を減らすべく備えることです。
そもそも事故はどの程度まで進展するか分からないことを前提に、少しでも被曝を避けるための工夫を重ねましょう。放射能の特性を知り、いざという時をシミュレートし、逃げ先を決めておくことなどが大事。ヨウ素剤を持つのもその一つです。
● 大事なのは人間の心の動きを知ること
動画で強調しているのは、「とっとと逃げ」られるようになるために「心のバリア」を解除しておくことです。バリアとは「正常性バイアス」といって、事故に際し「大丈夫、危なくない」と思い込むことで心を落ち着かせようとする心理です。
これに周りに行動をあわせる「同調性バイアス」と、危機管理者がパニックを恐れて危機をきちんと伝えない「パニック過大評価バイアス」が重なると人は逃げられなくなる。だからバイアスの解除が必要で、有効なのは避難訓練とシミュレーションです。
この知恵は他の災害にも応用可能です。自然災害、事件、事故において、同じようにバイアスが働きがちだからです。このためこのバイアスを解除しておけば、あらゆる災害への対応力が増します。よりたくましく備えることができるのです。
安定ヨウ素剤配布会は、そんな防災のためのさざ波を全国に広げていきたいとも思いつつ行うので、ぜひお越し下さい。あるいはビデオをご覧下さい。みんなで一緒に防災力を高めていきましょう。

「心のバリアをとろう」と呼びかけた篠山市(現丹波篠山市)のパンフレットより
● お申し込みは以下まで
実際に会場まで来れる方には、申込のためのカードをあらかじめ記入して頂きますので、以下のアドレスにお申し込みの一報をお送り下さい。
Email: morita_sccrc@yahoo.co.jp Fax: 075-757-1711
チラシを以下から入手できます。会場の地図も掲載してあります。
https://toshikyoto.com/press/9348.html
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