守田です(20210712 12:00)

【ご注目】13日に新BOOKお披露目を兼ねて瀬戸内市でお話します!
https://toshikyoto.com/press/6447.html

● 蝦名宇摩さんの熱い思いから始まった

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を作成した「にょきにょきプロジェクト」の新BOOK、『命を守り育み伝えるために~AFTER TEN YEARS~』が完成しました!
ネットでの公開を準備中。製本版の申し込みフォームも作成中です。

新BOOKは、岡山県瀬戸内市で保養キャンプを続けてきた「瀬戸内交流プロジェクト」の蝦名宇摩さんの依頼から始まったもの。
「瀬戸内交流プロジェクト」、毎年7月下旬にキャンプを行ってきたものの、昨年、今年はコロナ禍で断念。保養を楽しみにしてきた方たちにとっても、受け入れてきた方たちに残念な事態です。

これに代わる何かができないかと考えた蝦名さん、『すっきり読み解きBOOK』を大量注文して配って下さり、さらに何かをみんなで共にしようと考えて、新BOOKの作成を僕に依頼してくださいました。
それなら原発事故からの10年をしっかり振り返るものを作りたいと思い、「にょき」メンバーに相談。蝦名さんにも参加してもらって冊子作りを始めました。

● 福島原発事故からの10年間で進んだもの

新BOOKは、「あのとき日本はー東日本壊滅になるかもしれなかった」ということから説き起こしています。
福島原発2号機格納容器爆発の危機、4号機燃料プールの干上がりの危機、どちらが現実化しても被害は壊滅的でした。

この時、一部の人々が懸命に逃げ出しましたが、社会全体には「正常性バイアス」がかかり、深刻な被曝に多くの人が襲われてしまいました。
しかしその後、人々の目覚めが始まり、原発はとても危ない!という感覚が急速に広がり、国会前行動など、各地で原発に反対する精力的な行動が取り組まれました。

そんな中で原発のレギュレーションが少し強められると、電力会社各社が採算がとれなくなり、多くの原発を廃炉に。「もんじゅ」も廃止になり核燃料サイクルの展望が閉ざされました。
この「苦境」をしのごうとした原発輸出も次々と破たんし、すべての計画が水に流れました。民衆の力が「原子力の未来」に大きくストップをかけてきたのです。

● 民衆の頑張りの肯定面を取り上げることの大事さ

新BOOKでは、このように、10年間で大きな成果が積み上げられたことを強調しています。
しかしもっと悲観的な見方も多い。民衆運動の限界を指摘する声もたくさんあります。確かにそう言える面もありますが、否定面ばかり見て、肯定面を見逃している場合が多いのでは?

この点も掘り下げました。多くの人のメンタリティとして、自分や他者に厳しすぎやしないか?もっと褒め合って成果を誇ってもいいのでは?という点です。
私たちは「減点法」教育を受けています。私たちの採点はいつも100点からどれだけ足りないかという評価。そのため「ダメな面」ばかりを探し過ぎる傾向があるのでは?

でもそれって実は支配層に都合の良いことです。「おまえたちは無能だ。おまえたちが抵抗しても無駄だ」と思わせることこそ支配の要だからです。
そんなことはない。民衆の力はすごいのです。そうは思いませんか?ぜひ私たちの新BOOKを手にとってこの点を一緒に考えて下さい。

● 被曝を受け止め心身を癒すことが大事

この10年間、まだ進んでないことも。とくに放射線被曝の影響に対し、十分な把握が進んでいません。
それで新BOOKでは、2016年3月にテレビで放映されたNNNドキュメントを取り上げました。
2011年3月15日に、東京の世田谷でも多くの放射性物質の飛来が計測されていたことが克明に描かれていたからです。

番組では福島と青森のサルが比較され、被曝したサルの白血球数が減っていることが示されましたが、これを受けて、瀬戸内交流キャンプでも講演してくれた岡山在住の三田茂医師の話を取り上げました。
三田医師は、東京の子どもたち、約4000人の血液検査を行い、白血球の中の好中球が如実に減っている事実を示しています。

三田さんはさらに、福島原発事故によって被曝した「新ヒバクシャ」に、「能力減退症」が起きていることを論文で発表されています。
これらの事実があるからこそ、被曝被害をそのままに受け止め、対応していく必要があります。保養キャンプも避難も大事なのです。

● 被曝被害はまだまだ隠されている

新BOOKでは被曝被害が隠されているのかも検討しています。
一つに原子力体系が原爆製造・投下による広島・長崎での大量虐殺から進められ、被曝被害が隠され続けてきた点が重要です。

しかも核開発は東西冷戦の中で行われました。社会主義陣営と資本主義陣営が核開発競争をし、人々を被曝させ続けたのです。
どちらの陣営も被曝被害を明らかにせず、被害隠しを続けたのでした。ごく少数の心ある科学者のみが、原爆と原発、被曝の危険性を訴え続けただけでした。

同時に被曝被害を受け止めることの辛さも、被害隠しに利用されてきました。被爆者差別の中で、被害者が被害を隠さざるをえなかったり、被害者が辛くて被害を認められないことも往々にして起こってきました。
原子力推進派は、この辛さに便乗し、「被曝しても大した影響はない」とうそぶいてきました。この点をきちんと知ることが大事です。

以上、新BOOKでは、こんな点繰り返し討論し、原稿を何度も練り上げて編み上げました。ぜひみなさんに読んでいただきたいです。まずは手に取ってください。
ネットからのダウンロードや製本版お申し込みができるようにしますが、それまでは僕に連絡をいただければお届けします。
(製本版は1冊500円のカンパでお分けします。送料は何冊でも200円です。morita_sccrc@yahoo.co.jpにご連絡を)

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