守田です(20210417 23:00)

● 規制委員会がなめられているのは規制などしてないから

前回、東電に対して規制委員会より運転停止命令が発せられたことを論じました。その中で更田委員長が東電に対して「なめているのか。この程度でいいんだと」と語ったことを紹介しました。


会見で「なめていたのか」と語る更田委員長 ANN NEWS

今回この点について述べたいと思いますが、まずは「なめているのかーその通り」と言いたいです。規制委は電力会社に完全になめられているのです。
また更田委員長は「なんで東京電力なんだということが起こる」と語りましたが、それはあなたたち規制委の「規制」が抜け穴だらけだからと言いたい。


会見で「なんで東京電力なんだ」と語る更田委員長 ANN NEWS

というのはこういうことは、今回に限ったことではないからです。例えば規制委は2013年に「特定重大事故等対処施設」の建設を電力会社に命じましたが、西日本に主力の加圧水型原発にはあらかじめ5年の猶予を与えてしまいました。
ところが電力会社がその5年でも作れないことが判明すると、今度は工事計画書を出してから5年と期限を延ばしてしまいました。ところがそれでも九州電力、四国電力、関西電力はこの施設を作りませんでした。規制委をなめきっているからです。
このため2020年に入ってそれぞれの原発が延長期限を迎え、さすがに次々と停止させざるを得なくなりましたが、ここから見えるのは規制委の規制が抜け穴だらけなことを電力会社が熟知し、だから建前だけで済ませようとして不正が続くことです。

● 原子力政策はウソだらけ!

どうしてこうなるのか。答えはいたって単純で、もともと原子力政策がウソだらけだからです。
たとえば今はどんなウソがつかれているのか。福島原発事故が収束していると言うウソ、さらには廃炉が40年ぐらいでできるというウソです。実際には100年以上はかかるとの見積もりが現場からさまざまに出ています。
燃料デブリを取りだせるというのもウソ。まだやり方も決まってないし開発されてもいない。これまで取りだしたのは数グラムにも満ちません。


やっと2019年2月にデブリに接触 8年かけてまだ接触

それなのに「取りだす」というウソを維持しているために、水をかけ続けなくてはならなくなっている。冷却のためだけではありません。取りだし作業のためにデブリの上に水をはり、放射線をシールドする必要があるからです。
そのために放射能汚染水が作られ続けているわけですが、ここからトリチウム以外の放射性物質を除去できるというのもウソ。実際にはまだまったく成功していません。さらにトリチウムは薄めれば安全というのもウソ。薄めたって総量は変わりません。
いや何より「日本ではチェルノブイリのような過酷事故はおきない」「大規模な放射能漏れはおきない」と安全面での大ウソをついてきました。実際には原子炉にベントをつけて、いざとなったら放射性物質を排出する用意をしていたのに。

続き

#柏崎刈羽原発運転禁止 #原子力政策はウソだらけ #廃炉は100年以上かかる #薄めれば安全詐欺 #特定重大事故等対処施設の遅れ

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