守田です(20180420 09:00)

連載1500回越えに際してカンパを訴える4回目に、再び被曝問題に焦点を戻したいと思います。
すでに2回目で、原爆被害の真実を明らかにするための支援を訴えましたが、これと同時に僕は、被曝による健康被害もまたその多くが明らかにされておらず、その実相に迫らなければと考えています。
内部被曝が過小評価され無視されてきた中で、当然にも被害の多くが隠され、未調査のままでもあるのです。

その中でも重要な問題の一つは、被曝2世・3世に健康被害が起こっているか否かという点です。僕はほぼ間違いなく起こっていると思っています。
こう語るのは、僕が京都「被爆2世3世の会」に参加して世話人を務めながら、会のみなさんとこの点を追及してきたからです。以下に私たちのホームページを示します。

京都「被爆2世3世の会」
http://aogiri2-3.jp/

私たちの会は数年前からこの問題に取り組んできました。端的に言って、2世の間で健康被害を実感されている方が多いからです。しかし、差別から子どもたちを守ろうとしてきた被爆1世を思うとなかなか突っ込めてこれなかった領域でもありました。
ところが「福島は安全だ」と主張する政府の新聞全面広告で、かねてから「福島原発事故の被曝影響は大したことはない」と主張している中川恵一医師が「広島、長崎を見ても遺伝的被害などまったく起こっていない。だから福島も安全だ」と言い放ちました。
これに多くの仲間が立腹し、独自の調査に踏み切り、以下の成果に辿りつきました。

2015年 被爆二世健康実態調査 中間報告
http://aogiri2-3.jp/chousa/2015jittaichosachukanhoukoku.pdf

私たちはこの調査を通じて、多くの被爆2世が幼少期に似た体験を持っていることを知りました。
端的には小児ぜんそくが多かったり、鼻血を良く出したり、けがが治りにくくて苦労したことなどでした。
詳しくは中間報告の11ページ以降をお読み下さい。

私たちはこの結果を、東京小平市でたくさんの福島原発事故によるヒバクシャを検診し、自らも岡山に避難移住して被曝被害に対する治療と防護の啓発を続けている三田茂医師に精読していただきました。
福島原発事故による被曝被害と、被爆2世の身体に起こっている被害の中に、重なりあうものを感じたからでした。
その上で三田さんを京都にお招きして講演と僕との対談を行っていただきました。以下をご覧ください。

福島の被曝、そして広島・長崎の被爆の重ね合わさるもの
http://aogiri2-3.jp/topics/20161127kiroku.pdf

私たちはさらに、京都、広島、岡山の2世3世の会を中心に行った「全国交流会」の第2回目の集まりの中でも「健康調査部会」を持ち、2世の身体に起こっていることを討論しました。
するとここでも駆けつけた多くの2世の方より、どんなに苦しい闘病生活を繰り返してきたかの赤裸々な報告を受けました。いろいろな症状や病名が語られましたが、そのうちの幾つかは何人かに共通していました。

私たちはこの4月22日に年次総会を持ち、こうした活動を総括し、継承していくことを決めようとしています。
以下に今回の議案書を示します。なお総会には会員以外の方でも参加できます。

京都被爆2世3世の会2018年度年次総会議案
http://aogiri2-3.jp/indexbox/2018soukai.pdf

この際、日本平和学会理事の高橋博子さんをお呼びして「アメリカ公文書から迫る原発と核兵器推進体制の闇:ABCCと核開発」のタイトルで記念講演もしていただきます。

京都「被爆2世3世の会」2018年度総会 オープン企画
http://aogiri2-3.jp/indexbox/20180422.pdf

さらにこの5月19、20日には京都市内で被爆2世3世全国交流会を開きます。

第3回 被爆2世3世 交流と連帯の集い
http://aogiri2-3.jp/indexbox/2018051920.pdf

僕自身、これらの準備でも奔走中ですが、今後、こうした私たちの会での活動もバネにしつつ、さらに原爆被害の実相を、投下直後の惨状とその後に被爆者や、2世3世に起こったことの両面から追及していきたいと思います。

これを行うのは一つにはアメリカの戦争犯罪とそれに追従してきた日本政府の犯罪を告発するためです。
しかしより重要な軸を、僕は被爆者、2世3世、そしてウラン鉱の採掘から核実験、原発事故で被曝させられてきたすべてのヒバクシャの命と健康を守ることにおいています。

その点で僕は福島原発事故による被爆者を「新ヒバクシャ」と命名し、そこでの健康被害を「能力減退症」と捉え、積極的な治療に取り組み続けている三田茂医師の努力にも大きく学びながら、次の展望を探っていこうと思っています。
被曝被害の実相を明らかにするのはけして悪事を暴くためだけではなく、ましてや被害者が落胆するためでもありません。現実を正しくつかんでこそ、命を長らえるための行ないが可能となるのです。そのために私たちは、もっと被曝被害の真実をつかみとらねばならないのです。

連載1500回を越えたカンパの訴えの4回目に、僕はこの試みへの支援を訴えたいです。
被曝の実相をつかんで命を守り抜こうと思います。どうか力をお貸しください。

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