守田です。(20151008 23:30)

8月に川内原発1号機の再稼働が愚かにも強行されましたが、続いて2号機が10月14日以降に再稼働されようとしています。
2号機は2011年9月1日に定期検査に入って以降、稼働していなかったので4年1ヵ月ぶりの再稼働になります。1号機と同じく長く停まっていたのでそれだけでも大変危険です。
これに対して「ストップ再稼働!3.11鹿児島集会実行委員会」が10月12日に鹿児島での全国集会を呼びかけています。11日から原発正門前でのハンスト決行も予定されています。
集会とハンストの案内を末尾に貼り付けます。僕は残念ながら駆けつけることができませんが、お近くの方、ぜひご参加下さい!

この集会への呼びかけの中で2号機再稼働の危険性に関する重要な点が指摘されています。蒸気発生器に関することです。
これまでも述べてきたように、川内原発が採用している加圧水型の原子炉は、蒸気発生器やそれにつながる冷却系に致命的な欠陥を持っています。
とくに度々事故を起こした来たのが、加圧されて150気圧300度になっている一次冷却水の熱を二次冷却水に伝える「蒸気発生器」です。
細いU字型の配管を通して一次冷却水から二次冷却水に熱を伝えるのですが、ここにピンホールができることが繰り返され、さらには完全破断してしまう大事故が美浜原発などで起こってきました。

この事故が最悪化すると加圧された一次冷却水が一気に抜けて、原子炉がメルトダウンしてしまうことになります。
このため加圧水型原発は、設計当初の想定にはない蒸気発生器の交換を繰り返してきています。
川内原発でも1号機の蒸気発生器の交換がすでに行われており、2号機でも交換を行うことが2009年に発表され、敷地内に交換用の蒸気発生器が運び込まれていました。
ところが2号機の蒸気発生器はなぜか交換されませんでした。そのままに今回の再稼働を迎えようとしているのです。

なぜか。考えられるのはアメリカの原発で起こった三菱重工製の蒸気発生器の事故の影響です。
これはロサンゼルス南東120キロにあるサンオノフレ原発で2012年1月に判明した放射能漏れ事故のことで、運転中の2号機と3号機の両方で三菱重工が納入した蒸気発生器の配管の一部が破損し、放射能が漏れているのが発見されたのです。
構造的欠陥が明らかになったこの原発はその後に廃炉になり、建設に関わった電力事業者の米サザン・カリフォルニア・エジソン社(SCE)など4社が三菱重工に75億7000万ドル(約9300億円)の損害賠償を求めて提訴に踏み切っています。
三菱側は167億円の損害賠償の支払いを主張しており、両者の見解は真っ向から対立して法廷闘争必至の状況ですが、敗訴した場合、三菱が背負う賠償額はあまりに巨大で、同社の経営を一気に悪化させる可能性すらあります。

この蒸気発生器の交換が行われたのは2010年、2011年でした。これに対して川内原発2号機の蒸気発生器の交換は2014年までに行うと予定されていました。
ところがサンオノフレ原発ではなんと1年ないし2年で蒸気発生器に深刻なトラブルが起きてしまい、その後に川内原発2号機で、蒸気発生器の交換が理由が明らかにされないままに見送られたのでした。
三菱重工は川内原発での交換に予定されていたものとサンオノフレ原発で交換された蒸気発生器は別の製品だと語っていますが、しかし時期からいっても三菱重工にとって同じ最新の技術が採用されていたことは間違いありません。
ようするに三菱重工は最新の技術をもってしても、蒸気発生器が構造的に抱える欠陥を克服できていないのです。だからこそ川内原発での交換がなされたなかった可能性が濃厚です。

そのため川内原発2号機は2009年に発表された蒸気発生器の交換を理由を明らかにしないままに再稼働を迎えようとしています。
これは川内原発2号機が巨大な危険性を宿していることを告げるものです。なにせ九州電力自身が蒸気発生器の交換の必要を考えて、2009年に交換予定を発表していたのです。
このまま旧来の蒸気発生器を使い続けることに不安を感じていたのです。ところがサンオノフレ原発での事故によって新たな蒸気発生器にも信頼が持てなくなった。だから交換ができないまま今回の再稼働に至ったに違いありません。

しかも再稼働は4年1ヵ月ぶりに行われるものです。これだけでも危険性が高いのに、さらに本来は交換が予定されていた古い蒸気発生器の予定されていた交換を経ないままに再稼働に向かっています。危険性が二重になっています。
この危機を克服できるのは私たち市民の草の根の行動だけです。このことを見据えつつ、現地での再稼働反対行動と連帯しながら全国各地から「無謀な再稼働を止めよ!2号機の再稼働を止め、1号機も停止せよ」という声をあげていきましょう!

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10.12全国集会 川内原発2号機再稼働を許さない!
ストップ再稼働!3.11鹿児島集会実行委員会 2015年9月25日
http://kagoshimashukai.chesuto.jp/

みなさま

昨日のストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会で、集会の開催が正式に決定しました。
各所に、伝達拡散お願いいたします。

10.12全国集会
川内原発2号機再稼働を許さない!
鹿児島中央駅東口広場

PM1:00~2:00大集会(鹿児島中央駅東口広場)
PM2:00~4:00パレード(東口広場から天文館、朝日通り)

■1号機、即時停止を求める
火山、地震、過酷事故対策、さらには避難計画、様々な角度から出される問いに対して何一つまともに答えられない規制当局、九州電力。これではいつ大事故が発生してもおかしくありません。
8月7日には1次冷却水ポンプの軸振動計が故障。21日には復水器のパイプが破れ、海水が漏れ出す事故が発生しています。即時停止し、稼働を見直すべきなのです。

■蒸気発生器、未交換の2号機
1号機の諸問題に加えて、2号機はさらに重大な問題を抱えています。それはアキレスけんといわれ、大事故に直結する蒸気発生器が未交換だというのです。
九電は2009年に交換を国に申請し、国は2010年に認めました。県も2011年に認めています。九電は、2014年中の取り換え計画を示していましたが、未交換のまま放置されていたのです。2号機再稼働は、まるで自殺行為です。

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10月15日起動に抗議し11日より正門前でハンスト決行

九州電力は川内原発1号機に続き、またもや2号機の再稼働を強行しようとしている。
私たちは、福島事故の教訓を活かすことなく再稼働に走る国や県、電力会社に対し再三にわたって申し入れ、抗議行動などを行ってきた。
しかし、そうした国民の声を返りみるどころか、肝心の九電に至っては、 再稼働に伴う安全確認、万一の際の避難計画など、周辺30キロ圏を主体とする住民の当然の説明要求さえ無視するという、およそあり得ない傲岸不遜な姿勢を崩そうとしない。

こうした問答無用の強硬姿勢は何処からくるのか。沖縄県民の民意を蹂躙する辺野古新基地建設強行、引いては国会に於ける戦争法の強行採決等と軌を一にするものだ。元凶は安倍政権である。
いまや、再稼働阻止が安倍政権打倒に直結していることが誰の眼にも明らかだ。原発も沖縄も憲法蹂躙の戦争法も反安倍で一つになろうとしている。安倍政権を倒すもっとも確実な手段は、選挙で安倍政権に連なる議員たちを議席から追い出すことである。

私たちは、九電が2号機起動を予定する10月15日に向け、10月11日より原発正門前でハンスト行う。今こそ立ち上がろう。原発反対の思いを行動に転化しよう。自分ができることは何かを考え実行しよう。 非暴力抵抗の手段としてのハンストはその一環に過

ぎない。ー選挙はその先にある。 さいごに。川内原発当局の安全運転を心より祈念しつつ。

2016年10月6日 九電川内原発正門前ハンスト行動 参加者一同