守田です(20230317 16:30)

● 12回目の3月11日、JR奈良駅前でお話しました!

先週の土曜日に私たちはまた3月11日を迎えました。
この日、僕は奈良のみなさんのお招きを受けて、奈良駅前での集会に参加し、講演しました。LIVE配信のアーカイブ動画をお届けします。
分かり易く話せたと思います。ぜひご覧になり、まわりの方にも広めて下さい。

なお当日、天気が良くて日差しも強く、配信に使っているiPhoneが早々と高熱でフリーズ。
そのため近くのテントから撮影しました。ぜひご覧下さい。

● 福島原発事故で東日本が壊滅の危機にさらされた

この日、お話したエッセンスを2回にわたってお届けします。
まず一つは福島原発事故の振り返り。あの事故で東日本は壊滅の危機に直面しましたが、3つの偶然が重なってそうなりませんでした。

一つには1号機から3号機までメルトダウンし、ベントが行われたけれど、2号機が最後までベントに失敗して格納容器が大爆発に向かっていたこと。
そうならなかったのは、福島原発がオンボロポンコツで、思ったほどの設計強度がなく、早い目にどこかに裂け目ができて放射能が噴き出したためでした。偶然に大爆発=破局にいたらなかったのです。

二つには4号機の燃料プールが干上がっていき、燃料棒がむき出しになって溶け出す可能性が高く、その場合は半径170キロ圏が強制移住、250キロ圏の希望者を含む避難ゾーンになるかもしれなかったこと。
そうならなかったのは、たまたま原子炉圧力容器を覆うシュラウドという部品の交換のため、プール横の原子炉上部まで水が満たされていてプールに流れ込んだため。ちなみにこの工事、3月7日に終わって水が抜かれているはずでした。

三つにはあのときヘリコプターが水をかけにいったけれど、実はあれは水をかけて爆発しないかどうかのテストで、その結果、爆発せずに済んだので、破局にいたらなかったこと。
原子炉が高温になり、冷やさなければならずそれには水をかけるしか方法がなかったけれども、高温のものはいきなり水をかけると爆発する可能性があり、それであのテストは行われました。あのとき、たまたま大爆発しなかったから助かったのです。

ローテクのオンボロ・ポンコツ湯沸かし器でしかない原発に、国の半分を獲られてはいけない!これが福島原発事故の教訓です。

今の原発が危険だから「次世代革新炉」開発・建設が叫ばれている 守田講演スライドより

● 私たちは大きな成果を上げてきた

この事故で民衆の中に大きな覚醒が起こりました。日本でも世界でも。その結果、私たちは21基の原発を止め、廃炉に追い込みました。すごいことです。
福島原発事故前まで、この国の稼働中の原発は(定検での停止などを含む)54基でしたが、いまはもう33基にまで減っています。しかもそのうち稼働できているのは10基に過ぎません。

さらに私たちは高速増殖炉もんじゅも廃炉においやりました。これは大きい。核燃料サイクルの展望が完全に閉ざされたからです。
そもそもウランの埋蔵量はそれほど多くはない。でもウランを燃やしながらプルトニウムを作り、それを燃やしながらさらにプルトニウムの増殖ができる!というのが核燃サイクルの「夢」でした。ところが高速増殖炉ができず、夢は閉ざされたのです。

その点で僕は原子力は「終わったコンテンツ」だということ、だから「原発はオワコンだ」と強調しました。だからこそ、安倍元首相がトップセールスで世界中に売り込みに飛び回ったけれど結局1基も売れなかった。すべての計画が失敗したのです。
だからこれからももっと止められます!原子力に何の展望も残ってないからです。何よりここに表された私たち民衆の力を確認しようと語りましたが、参加者のみなさん、ものすごく大きな拍手で応えてくださいました。

奈良駅前集会の風景 実行委の溝川悠介さんの報告メールより転載させていただきます

続く

#福島原発事故 #3月11日 #東日本壊滅 #ベント #4号機プール #半径170キロ圏強制移住 #半径250キロ圏希望者避難ゾーン #原発はオワコン #21基が廃炉に #もんじゅ廃炉 

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