守田です(20220325 22:00)

● ロクローさんとべクローくん

福島原発事故以降、放射能被曝から人々を守るために、もっとも実践的な「測定」活動などをともにしてきた廣海ロクローさんが、測定器べクローくんを手放します。送り先は、やはり僕も良く知る「おのみち -測定依頼所-」だそうです。
当初は130万円で購入したこの機器を10万円で譲渡することにしたそうですが、「測定依頼所」での10万円調達は大変。また130万円を10万円で手放すのもなんか痛くて悲しい。
それでリターンなしのクラファンでお金をつのり、譲渡を「測定依頼所」の負担なしに実現したいと協力が呼びかけられました。

ロクローさんとべクローくん ロクローさんFacebookタイムラインより

みなさん。ぜひご協力をお願いしたいです。僕もさっそく少しだけクラファンしました。
ロクローさんからの訴えを掲載します。

● ロクローさんからの訴え

個人クラウドファウンディングを開催します。よろしかったら、投稿を読んでご協力お願いします。
期間:3月25日(金)〜3月30日(木)

先日、「放射能測定器をどなたか安価で買ってくれませんか?」という投稿をしましたが、結局、どこも決まらずで、どうしようかと思いながら色々考えていました。
「NONベクレル食堂」「ノンベクキッチン ホテヴィラ」をやっている時に測定を教わった市民測定所の「おのみち -測定依頼所-」は僕と同じ測定器「CSK-3i」を使っているので、メッセージしてみました。
既にこの機種はサポートも終了しているようなので、入手出来れば大変助かると言ってもらいました。

2012年に開業した「NONベクレル食堂」 守田撮影

この測定器、当時はこの性能では一番安い機種でしたがそれでも130万くらいしたと記憶しています。
おのみちへは、10万で良かったらと伝えると快諾してくれて引き取ってくれることに一度はなったのですが、市民測定所がお金に余裕があるはずもなく、おそらくそれは個人のポケットマネーだと言うことは簡単に想像することが出来たんです。

福一事故後、国が正確な測定を根本から意図的に怠り、市民に正確な情報が流れない時に全国の色々なところで有志が立ち上がり、日本中に市民測定所が開設されたことで沢山の人が正確な情報を得ることが出来て助かったのだと思っています。
僕も5年間で1000検体ほどの測定をして、個人としては結構頑張ったと思うし、このことで避難者の方々や、同じ思いの人、そして全国各地の農家さんと繋がることが出来たと思っています。

「NONベクレル食堂」の店内 なつかしい・・・ 守田撮影

しかし、市民測定所はそもそも安価でボランティアでやっているところばかりで、持ち出しも多く大変苦労されてきたことと思います。
そんなことを考えて、今回はクラファンをやってみて、測定器は寄付出来ないかと思いました。
正直、安価で手放すのに抵抗があるのも事実です。

「べクロー君」と名付けて、色々な食材を測定してきましたが、まだ活躍の場があれば是非使って欲しいと思いました。
勝手なお願いかもしれませんが、よろしかったら寄付という形になりますが、ご賛同いただける方がいらっしゃればご協力お願いします。リターンも無いので、クラファンって言うのも変なのかもしれません。

べクローくんで測定中のロクローさん NONベクレル食堂にて 守田撮影

投稿読んでくれてる方で、僕が何故放射能測定器を持っているのか知らない方もいると思い、ちょっと、説明させてもらいます。
11年前に、福島第一原発事故が起こり、大量の放射能が飛散し、今でも解決しないまま時が過ぎていっています。

20代の頃、アメリカの先住民居留地を旅しました。北米を縦断4回、横断1回、バイクで30000km、車で40000kmくらい走りました。長い時は半年、短い時は2週間。8回ほど渡米しましたが、一番好きな場所はアリゾナのホピ居留地で、今までに8回ほど訪れています。
ニューメキシコやアリゾナではウランが掘られた場所が残っていて、今でも現地ではその影響で苦しむ人々がいます。
ラグーナインディアン居留地のパグアテ村に行ったのは1993年でした。
沢山の障害を持った子供達や、病に冒された元坑夫達。
閉山しているウラン鉱に僕も入ったけど、口の中が金属の味で恐怖を感じた経験があります。

アメリカ以外でも現地の先住民がウランを掘らされて被曝していることが大変多いのですが、ほとんど補償もされないまま時間と共に忘れ去られるのです。
核サイクルは採掘で被曝し、濃縮過程で被曝し、燃料となっても被曝し、原子炉で使用される時も被曝し、核廃棄物となっても長い年月関わる人は確実に被曝して、大地を地球を汚すのです。

「母親の内臓を取り出してはならない。」

ホピ族の人々はそう言って警告しました。他にも世界中の先住民が警告を発しましたが、国際社会はそれを無視し、スリーマイル島事故、チェルノブイリ、福島などの大事故が発生しています。

こんな経験から、福一事故が起こった時は僕は大変混乱しました。
京都や関西でも高い放射能が測定された時もあり、一体日本の生産物はどこまで安全なんだろう?子供に食べさせていいのだろうか?と毎日悩みました。
北米の旅の経験で放射能による被害を世間一般よりもよく知っていた立場だったので、この日本で起こった未曾有の事故が、想像を絶するレベルだということはすぐにわかりました。

京都市法然院にて にょきにょきプロジェクトの企画に共に参加して 2021年

僕も2011年の春と2012年の春に三陸や東日本を訪れ、現地の状況もかなり理解することが出来て、それを踏まえて「すべての食材の放射能測定を実施して、不検出のものを使用した飲食店」を開業することにしました。
まあ、ここからはご存知の方も多いとは思いますが、5年間で2軒の店を潰し、市民派で市議選にも出馬して、3000万ほどの借金を作ると言う大失態をしてしまうわけですが、この経験があったから今の自分もあるんだと思えるようになった今日この頃です。

25日に投稿して、30日いっぱいまで寄付を募ります。
リターンもありませんが、終了後に「おのみち -測定依頼所-」に測定器を寄付したいと思います。
どうぞ、ご協力よろしくお願い致します。

べクローくん ロクローさんFacebookタイムラインより

廣海緑朗(ひろみろくろう)
振込先:ゆうちょ銀行 四四八支店 普通3950048
記号14410 番号39500481(ゆうちょから)
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