守田です(20220127 23:30)

● いまになって「発電所を生まれ変わらせる」だなんて・・・

1月27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稲垣武之所長が、今年初めての会見を開き、次のように語ったことが報道されています。TeNYテレビ新潟の記事から引用します。
「発電所部門および原子力部門をしっかりと生まれ変わらせ、地元の皆さまにご信頼いただき、地元の発電所として受け入れていただけるよう、行動と実績でお示ししてまいりたいと考えております」。
「原子力改革をひとつひとつ進めるしかないと思ってますので皆さま方に目に見える形になるまでは、再稼働時期がどうこうという発言をするつもりもありませんし資格もないと思っております」。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c90b928175fa1db2d33fb10e1be6bf606fbc61dc

同原発では昨年までに、安全対策工事完了と言いながら終わってなかったり、職員が原発制御室に他人のIDで入ってしまったり、重要なセンサーが幾つも壊れたまま放置されていたことなどが、次々と発覚しました。
とにかくめちゃめちゃに酷いです。あの深刻な事故から10年経っても、まともな反省などしてないのです。もはやこの会社に、これ以上原子力に携わらせはいけません。

稲垣所長の初会見を報じるTeNYテレビ新潟 20220127

● このひどさを見抜けなかった原子力規制委員会も大問題

電力会社に大甘の原子力規制委員会も、さすがに東電の「不祥事」の連発に耐え切れず、昨年4月に柏崎刈羽原発の運転禁止を命じました。しかしそれも甘い。東電には原子力事業に関わる資格などないです。
同時に問われなければならないのは、こんな東電の原発再稼働を容認した原子力規制委員会自身の責任です。
規制委員会は2020年秋に、この東電のセキュリティ違反などをまったく見抜けず、再稼働許可を与えてしまったからです。更田委員長は東電に対し、自分たちを「なめていたのか」と嘆きましたが、まさにその通り。なめられまくっているのです。

しかも事務局である規制庁が、中央制御室への不正入室問題を知りながら、規制委員会に報告していない間に、許可のプロセスが進んだという大問題もありました。この検証すらしていない。自分たちのことはなんら「規制」しないのです。
これらから明らかなのは、原子力規制委員会にこれ以上、電力会社への稼働の許認可権限を与えていてはならないということです。完全にアウトです。

東電に対して「なめていたのか」と語る更田委員長 20210415 ANNニュースにて

● にもかかわらず与党、維新、国民、立憲泉氏は容認ー真の脱原発のうねりを作りだそう

東電のモラル崩壊は本当に深刻です。何せ「発電所を生まれ変わらせる」必要があると自分たちが言うほどです。規制委員会もこれを、まるまる見過ごしていたのですからアウトです。
にもかかわらず、そんな状態にある原発の運転を与党、維新、国民は容認しているのです。端的に言って、この国の人々の安全を守る気がまったくないのです。
その上、昨年衆院選では、連合が自らの危機感を背景に、このどうしようのない容認の渦に野党共闘を引き込むことを画策しましたが、これにまんまとはめられた立憲泉氏も、いまや容認に舵斬りしています。

泉氏はそのために「共産党切り」を表明していますが、実はそれで連合と共に狙っているのは、野党共闘から原発反対を完全に降ろさせること。しかしいまや原発反対は、この国の民衆の過半が強く支持していることです。
だから、今こそここで真の脱原発のうねりを作りだしましょう。立憲の心あるみなさん、いや与党支持者の心あるみなさんも、この国の民を守る真っ当な流れに合流するでしょう。自信を持って進みましょう!

代表選を前に原発容認を語る立憲泉氏 20211125 BS日テレ「深層ニュース」にて

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https://toshikyoto.com/press/7080.html

昨年12月に行った「核と原発」に関する守田の講演を公開中です。ぜひご覧下さい。