守田です(20190327 11:00)

日本共産党市会議員(左京区選出)・加藤あいさんインタビューの最終回をお届けします。

● 内なる革命を進めながらあゆむ

守田
でも加藤さんのことに話を戻すと、加藤さんがさきほど話していたのは「内なる革命」ですよね?

加藤
内なる革命ですか?どういうことですか?

守田
だって自分は管理教育反対だったのにそうではない自分とぶつかって。

加藤
私はそういうものの考え方をする傾向が強いのですよ。「自分はこういう風に言ってきたはずなのにこうじゃないか」みたいな発想が多いのですよ。

守田
素晴らしいですね!

加藤
素晴らしですか?辛いのですけど(笑)

守田
でもそれって主体的ということですよ。

加藤
なるほど。

守田
自分も気を付けていることだけれども、男女平等だと言いながら、家に帰ったら突然「亭主関白」という場合があるじゃないですか。それは言っていることを自分に通さないわけでしょう。 他のさまざまな社会問題でも「日本政府が悪い」というところにとどまってしまっていてはダメで、自分を通すかどうかでなんでも変わってくると思うのです。 そういう意味で主体的であることが大事だと思うのですが、その点で加藤さんは主体的に発想されるのだなと思うのです。よくそこに共感するのですよ。 それが「問われる」ということだし、自分が言ってきたことを裏切らないということでもありますよね。

加藤
そうですね。

守田
だから自分が言ってきたことと自分が直面したことの間に葛藤が生まれる時は内なる革命が始まる時だと思うのですよ。外なる革命、政府が悪いというだけにとどまらない。 僕らは現代社会にさまざまな矛盾を感じているわけですが、でも良くないと思っている社会の中に生きている僕らは、知らず知らずのうちにその価値観に染められている面もあると思うのです。 そういう面と向き合うのが外なる革命に連動すべき内なる革命だと思います。その点で加藤さんは、自分を問うていく回路が強いのだと思います。

加藤
そう言ってもらえると嬉しいです。

雪降る中での加藤あい事務所開き 2019年1月26日

● 市民と野党の共闘を豊かに広げたい

守田
うーん。僕はここが一番大事なところだと思うのですよ。それで話をいま私たちが直面している市民と野党の共闘、さらには市民と共産党の共闘の豊富化にぐっと移していきたいと思うのですが、これまで選挙を主体的に担ってこなかった市民が新たに能動的に選挙に関わるときも一つの内なる革命があると思うのです。そのためにはやはり自分たちで活動を作っていくことの面白さは大事です。 ところが選挙で市民が共産党を応援するとなると何かすでに決められたことを「はい。これをこうやってください」と言われるようなイメージしかできないのです。対して概して無所属の場合だとみんなが持ち寄ってみんなで作っていく楽しさが得やすい。 そこを市民と共産党の間でどう作っていくのか。その回路をどう作るのか。僕は今後、多くの市民と共産党がより豊かな連携を作っていく上でここがとても大事な点だと思うのです。

いまの段階ではいろいろと政治経験を積んできた僕だからできる面もあって、もうちょっと普通の人が共産党の人と一緒に選挙をやりながら自分の能動性を発揮できる仕組みをどう作っていったら良いのかと考えるとまだ解けないところがたくさんあります。 とくに統一地方選のように党派名を掲げた選挙になると難しいです。そうなるともっと党派性の緩い他の党に選挙に能動的に関わりたいと思って参画してくる人が流れやすいのではないかな。

加藤
その辺のこと、守田さんが言う「回路」という言葉がぴったりくるなあと思うのです。共産党と市民がどう選挙を一緒にやっていくのか。そこにどういう回路があるのか。私たちの側もどう関与してもらえばいいか確かに良く分からない面があります。 でも共産党でもセンスの良い写真をバーンと使っていて、キャッチフレーズだけ書いている議会報告も作ったりしているのですよ。「こんなチラシ、良く作れたね」と言ったら、いろいろなことを言われなかったのですって。

でも私の経験ではやはり共産党には長い間のみんなの経験の積み上げの中で、「こうしたらいい」というノウハウもあるから、それを変えるためには哲学がいるのです。「こうこうこうだからこう変えよう」という哲学がないといけない。 中央委員会は「市民とともに行う選挙をやろう」という方針を出しているのです。でも発想が乏しい。左京区は守田さんとかがいるから共同のスペース(*守田注 左京まちの交流ひろば 百万遍)を一緒に作り、実態を持たせることができて、そこから企画を立ち上げていろいろと共闘を広げようとなっている。 ともあれ哲学は出されているけれど、それを有効に前に進めるためには共産党の側もさらに脱皮していかなければならないと思います。

守田
京都では福山和人さんをみんなで推した京都府知事選でとても大きな市民と野党の共闘の枠組みができました。それも私たち京都のみんなの内なる革命の一つだと言って良いと思います。 それは本当に素晴らしいことなのだけれども、もっと多様で豊かな共闘を実現させたいですね。

加藤
私もそう思います。

守田
さてそろそろ時間ですが、今日は本当に面白い話が聞けました!

加藤
これで良かったのですか(笑)

守田
加藤さんの内なる革命のことが聞き出せたしすごく良かった。悩んでいるところも聞けて良かったです。

加藤
私は基本はそういう人なのです。いつもいっぱい悩んでいるのですよ。

守田
まあ、そうやって自分を問うている人だなという匂いはいつも感じていたのですが(笑)。これからもぜひ一緒に奮闘していきましょう。選挙もぜひ頑張ってください。僕も自分ごととして最後まで頑張ります。

加藤
はい。頑張ります!

守田
ありがとうございました。

加藤あいさんのチラシ

終わり