守田です。(20150824 23:00)

21日に再稼働を強行した川内原発で、復水器付近でのトラブルが明らかになりましたが、これに対して現地鹿児島の幾つかの反原発グループなどから緊急署名運動が提起されています。FoE Japanの満田さんが問い合わせ先となっています。
「復水器への海水混入トラブル~川内原発1号機を停止させ、 徹底的に原因を究明すること」というタイトルで一次締切:8月26日(水)朝10時、二次締切:8月31日(月)朝10時のスケジュールでの署名募集です。
僕も早速署名しました。ネットからすぐにできますのでぜひご協力ください。またこの情報の拡散をお願いします。

今回のトラブルについての続報についてもお知らせします。
複数の報道によると九州電力は24日、復水器の中を通る冷却用配管(直径25ミリ)のうちの5本から海水が漏れ出たとする点検結果を明らかにしました。
配管約13000本を点検した結果で、修理などが終わり次第、出力を段階的にあげてフル運転を目指すが詳細な日程は決まっていないとされています。
KTS鹿児島テレビでは「当初明日予定されていたフル出力での運転は1週間程度延期される見通し」とも報道されています。

九電からのプレスリリース資料も以下に示しておきます。復水器の構造図も示されています。

川内原子力発電所1号機の状況について《日報》
九州電力 2015年8月24日10時現在
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0047/9598/news150824.pdf

この点検結果には大きな疑問が残ります。一つに復水器が動いており、圧力も温度もかかっている状態できちんとした点検ができたのかということ。十分な検査がなされていない可能性が大きいです。
もう一つは配管は2万6190本あるのであって、これでは半数検査にしかなっていないこと、稼動しながらの点検であってすら、未検査のものがまだ約13000本あるということです。
しかも復水器は同じ構造のものがもう2つあります。そこにも同じぐらいの本数の配管が通っていますが、これらもサンプル検査されたのみです。
こうした点から考えるならば、同じことが再び発生する可能性があります。これらからともあれ即刻、原子炉を停止すべきです。

以上に踏まえて、以下の署名にみなさんのご協力をお願いします。

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緊急署名:復水器への海水混入トラブル~川内原発1号機を停止させ、 徹底的に原因を究明すること(一次締切:8/26)
http://www.foejapan.org/energy/action/150822.html

再稼働した川内原発1号機の復水器の2次冷却水に海水が混入した旨が報道されています。

「川内1号機、出力上昇を延期=2次冷却水に海水混入か-九電」(時事通信2015/08/21-13:14)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201508/2015082100245

「川内原発 トラブルで出力上昇作業を延期」(NHK8月21日 16時06分)
https://www.nhk.or.jp/news/html/20150821/k10010197331000.html

詳細はわかりませんが、冷却用の海水を取り込む細管が破損したとみられています。
九電は、原子炉を止めずに、この復水器の細管約13,000本を検査し、損傷している細管を特定するとしています。作業員の安全を確保する上でも危険な行為です。
まず止めて、それから調査すべきです。
原子力規制委員会は、さる8月5日に、高経年化の審査を終わらせ、保安規定認可を行いました。九電が保安規定の補正申請をしてから、わずか1ヶ月のスピード審査で、再稼働ありきの「ざる」審査でした。
今回のトラブルの原因はまだよくわかっていません 。しかし、 こうした再稼働ありきの手抜き審査・検査は、重大事故につながる可能性もあります。

九州電力、原子力規制委員会、鹿児島県あてに、川内原発1号機を停止させ、 徹底的に原因を究明することを求める緊急署名を始めました。以下のフォームから署名することができます。
https://pro.form-mailer.jp/fms/3b3fb08783339

ぜひ、ご協力お願いいたします。

一次締切:8月26日(水)朝10時
二次締切:8月31日(月)朝10時

呼びかけ団体: 川内原発30キロ圏住民ネットワーク/反原発・かごしまネット/玄海 原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/
グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 /原子力規制を監視する市民の会/国際環境NGO FoE Japan
問い合わせ先:090-6142-1807(満田)

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なお加圧水型原発の弱点である配管の問題の解説を行った「明日に向けて(1127)」の記述に細かい点で誤りがありました。京都精華大学の細川弘明さんが丁寧にご指摘してくださいました。
このため今宵はもう一本記事を書き足して、訂正を行います。詳しくは次号をご参照ください。