守田です。(20110415 03:20)

今宵はどうしても気になる記事がもう二つあるので紹介します。

一つは1号機から3号機の中の解けた燃料が、細かい粒子状になって、原子
炉のそこに溜まっているという分析が、日本原子力学会から明らかにされた
ことを告げる記事です。

これはすでに予想されていることではありますが、深刻な内容を含む分析
です。なぜならセラミックに焼き固めて中に放射能を閉じ込めているはずの
燃料ペレットが粉々になっていることを意味するからです。

また「沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融
燃料が混じっていると思われる」と説明した」とも記されており、細かい粒子と
なった固形の放射能が、外に漏れ出していることがうかがわれます。

この間の一連の動きから言えば、当然にもこれが海に流れ込んでしまっている
可能性が考えられます。海洋汚染では、ヨウ素やセシウムばかりが問題と
されていますが、燃料ペレットが粉々になった粒子には、非常に多くの種類の
放射性物質が含まれています。もちろんその中にはウランや、プルトニウムも
含まれています。それらを含む、燃料ペレットが粒子となって流れ出てしまって
いるわけです。

一方、記事には、3号機では燃料棒が冠水しているが、1,2号機では露出して
いると記載されています。東電が出している各炉のぱパラメータでは、長らく
露出の可能性が示されていて、この点と矛盾するのですが、同時に冠水して
いるというのは、炉内の温度が250度まで上がっているという、先ほど示した
事実とも矛盾するように思えます。

炉内で何が起こっているか分かりませんが、ともあれ、今後も、さらに
粒子となった燃料ペレットが外に出続ける可能性が高いと言えます。

さらに次の記事では、「経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一
原発1~3号機から事故で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった
量の1~2%という推定値を公表した」と書かれています。

これほど膨大なものが出て来ているのに、まだ炉内の1~2%に過ぎない
というのは何ともため息がでる感じがします。まだまだ膨大な量が炉内に
あり、その炉の密閉性が破られているからです。これからも、ゆっくりと、
長く、大量の、放射能漏れが続きそうです。

またこの記事には、
「推定値は主な放射性物質としてヨウ素とセシウムを分析したもので、ヨウ素
131が約2%、セシウム137が約1%だった。」
「保安院によると、事故前に1~3号機の炉内にあった放射性物質は、
ヨウ素131が610万テラベクレル(テラは1兆、ベクレルは放射能の単位)、
セシウム137は71万テラベクレルだったという」
とも書かれています。

そうなると、ヨウ素の放出量は、約12万テラベクレル。 セシウムの放出量は
7000テラベクレルだったことになります。
ところが保安院は、すでに、この時期に全体で37万テラベクレルの放射能が、
大気中に放出されたと発表しているわけで、そうなると、残りの約24万3千
テラベクレルの放射能は何だったのかという疑問が生じます。

このうち、相当量が燃料プールからも放出されたと考えられますが、
それは炉内のものの倍もあったのでしょうか。
またその内訳は何なのか。ヨウ素、セシウム以外に大量に出ているものは
なかったのか。それらは計測されているのかなど、疑問が深まるばかりです。

ともあれ確実なのは、ヨウ素、セシウムにとどまらない、さまざまな放射能
が外部に出て来ているということです。

この大量に続く放射能汚染と、立ち向かっていく必要があります。

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溶融燃料「粒子状、冷えて蓄積」1~3号機分析
2011年4月14日22時44分 読売新聞

 注水冷却が続けられている東京電力福島第一原子力発電所1~3号機
について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は14日、原子炉
などの現状を分析した結果をまとめた。

 3基は核燃料の一部溶融が指摘されているが、専門委は「溶融した燃料は
細かい粒子状になり、圧力容器の下部にたまって冷えている」との見解を示した。

 専門委では、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表したデータを
もとに、原子炉の状態を分析した。

 それによると、圧力容器内の燃料棒は、3号機では冷却水で冠水しているが、
1、2号機は一部が露出している。1~3号機の燃料棒はいずれも損傷し、
一部が溶け落ちている。溶融した核燃料は、冷却水と接触して数ミリ以下の
細かい粒子に崩れ、燃料棒の支持板や圧力容器下部に冷えて積もっていると
推定している。これは、圧力容器下部の水温が低いこととも合致している。
沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融燃料が
混じっていると思われる」と説明した。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00938.htm

放射性物質放出量、炉内の1~2% 保安院が推定値公表
2011年4月15日0時34分 朝日新聞
 経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一原発1~3号機から事故
で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった量の1~2%という推定値
を公表した。多くの放射性物質がまだ原子炉内に残っていることになる。

 推定値は主な放射性物質としてヨウ素とセシウムを分析したもので、ヨウ素
131が約2%、セシウム137が約1%だった。12日に今回の事故の国際的
な事故評価尺度(INES)を旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」
(深刻な事故)に引き上げる根拠になった。当初、放出量だけしか
公表しなかった。

 保安院によると、事故前に1~3号機の炉内にあった放射性物質は、
ヨウ素131が610万テラベクレル(テラは1兆、ベクレルは放射能の単位)、
セシウム137は71万テラベクレルだったという。

 1~3号機では原子炉圧力容器や格納容器につながる配管や弁などの
すき間や、破損した部分から放射性物質が外部に漏れ出たとみられている。
地震後間もなく、炉内の蒸気を外に逃がして圧力を下げるベント(排気)作業
でも放出された。

 セシウム137の放射能が半分になる時間(半減期)は約30年だが、ヨウ素
131は8日と短く、当初よりも相当減っていると見られている。

 日本原子力学会の調査専門委員会が14日に発表した分析では、1~3号
機の炉内の核燃料は、一部がいったん溶けたうえで冷えて固まり、圧力容器
の底に数ミリほどの粒子になって積もっているという。(小堀龍之、竹石涼子)
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140489.html