守田です。(20110413 08:20)
事故評価レベル7をめぐる情報がさらに続々と報じられています。
ここでは二つの記事を扱います。
一つは、原子力安全委が、3月23日には、レベル7に相当する危険性が
あると認識していたのに、それを隠していたことを報じた共同通信の記事です。
ただし原子力安全委は、このことを開き直っています。
「代谷委員は記者会見で「尺度評価は保安院の役割だ。(安全委が評価
見直しを)勧告しなければならないとは考えない」とし、原子力安全委は関与
しないとの姿勢を強調。事故から1カ月経過してレベル7としたことも「遅くなった
とは思わない。われわれの事故への対応は変わらない」と述べ「レベル7へ
の格上げが遅れたのではないか」との批判に反論した。」
要するに、悪いのは保安院だと罪をなすりつけています。保安院と安全委と
団結して、現場労働者とともに事故の終息に全力を傾ける・・・などという
切実で誠実な気持ちがぜんぜんないことが、こうした発言から透けて見えて
来てしまいます。
大切なことは、こんな方たちが、私たちの明日の命運を握るデータを
握っているということです。そこに私たちの危険が存在している。
安全委は即刻、事故対策の中枢から立ち去り、データを心ある人々に
開示すべきです。
もうひとつ、紹介したいのは「専門家からは「国は事故を過小評価しようとして
きたのではないか」との批判の声も上がっている」という読売新聞の記事です。
「当時、すでにフランス原子力安全局は「6」、米民間機関「科学国際安全
保障研究所」も「6または7」との見解を示していたが、保安院は「健康に
かかわるものでない」として見直す姿勢は見せなかった。」
とも記事には書いてあります。
まったくその通りなのですが、少し待って欲しいと言いたい。
当時、こうした政府や保安院、安全委の見解を、広報と化して、無批判的に
人々に流布していたのは誰なのでしょうか。他ならぬ読売新聞は、その
重要な一翼だったのではないでしょうか。
政府への批判が強まると、自分たちの過去は何も振り返らずに、やにわに
批判者に回りだす。そうした己をとらえ返すことのできない姿勢にこそ、
今、読売新聞は、誠実な批判の目を向けねばならないのでしょうか。
結局、ここにあるのは、政府・保安院・安全委・マスコミが、互いに責任を
なすりつけ合っている姿でしかありません。
誰も、事故当時の大量の放射能漏れを、人々に伝えなかったことの責任を
とろうとはしていない。要するに誰も自分が悪いとは思ってないのです。
膨大な放射能が、無防備な人々に向かって、流れていったというのに・・・。
僕は事故当初から、こうした構造こそ、この国を支配しているものであり、
人々に対して、「逃げよ」という的確な情報は絶対に出てこない。だからこそ、
私たち自身が「逃げよ」という声を上げなければならないと直感して
この発信を続けてきました。
今、眼前で行われている責任のなすりつけ合いは、こうした直感が
本当に残念ながら、まったく正しかったことを証明してしまっています。
肝心なのは、だからこれからも確実に同じことが起こるということです。
そのことをこそ、私たちは見据えなければいけない。私たち自身の力で、
真実をつかみ取り、それを伝え合い、私たちの命を守っていかなければ
なりません。
情報解析と発信を続けます。
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原子力安全委がレベル7相当認識 保安委に見直し求めず
原子力安全委員会の代谷誠治委員は12日、経済産業省原子力安全・保安
院が福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で
「レベル7」としたことについて、3月23日の時点でレベル7に相当する危険性が
あると認識していたが、これまでに暫定評価の見直しを保安院に求めなかった
ことを明らかにした。
代谷委員は記者会見で「尺度評価は保安院の役割だ。(安全委が評価
見直しを)勧告しなければならないとは考えない」とし、原子力安全委は関与
しないとの姿勢を強調。事故から1カ月経過してレベル7としたことも「遅くなった
とは思わない。われわれの事故への対応は変わらない」と述べ「レベル7へ
の格上げが遅れたのではないか」との批判に反論した。
3月23日には、放射性物質の放出量がレベル7の基準である数万テラ
ベクレルを超える10万テラベクレルに達する可能性を認識していたという。
早期にレベル7として市民に注意を促す必要性について代谷委員は
「いろいろな考え方がある」と述べるにとどめた。
原子力安全委は、ヨウ素換算で63万テラベクレル(テラは1兆)の放射性
物質が放出されたと推定。4月5日ごろには同程度の値を推定していたが
「より精度を上げたかった」として公表を見送っていたという。
2011/04/12 22:08共同通信
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041201001126.html
「国は事故を過小評価」専門家から批判の声も
4月12日(火)20時20分配信 読売新聞
福島第一原子力発電所の事故の国による評価は、事故発生直後の「4」が
3月18日に「5」に、そして20日以上たった4月12日になって最悪の「7」に
変わった。
専門家からは「国は事故を過小評価しようとしてきたのではないか」との
批判の声も上がっている。
原子力安全委員会によると、外部に出た放射性物質の大半は、1~4号機
で水素爆発や火災などのトラブルが相次いでいた3月15日頃までに放出され
ていた。15~16日にかけ、放射性物質の放出総量が跳ね上がっており、
安全委は2号機の圧力抑制室が15日に損傷し、大量の放射性物質が放出
された結果と見ている。
当時、すでにフランス原子力安全局は「6」、米民間機関「科学国際安全
保障研究所」も「6または7」との見解を示していたが、保安院は「健康に
かかわるものでない」として見直す姿勢は見せなかった。
しかし、18日には国際世論に押されるように「5」に変更した。保安院の西山
英彦審議官は「圧力や温度などが大きく変動し、評価が難しかった」と弁明。
その後は「6にするには早い」と繰り返してきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110412-00000883-yom-sci
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