守田です。(20110405 00:10)

みなさま。流量が多くなって大変、恐縮ですが、3日から4日にかけて、福島原発
の今を捉えるために、大変、重要な記事が相次いで出て来ています。このため
解説を急ぎたいと思います。(文章が長くならないように、今後、基本的には
一つの発信で、一つの記事を扱うようにします。)

今回は「放射性物質止まる時期、数ヵ月後が目標」という細野補佐官の発言を
報じた記事を取り上げます。

記事はこう書いています。
「東京電力福島第一原子力発電所の事故対応を担当している細野豪志首相
補佐官は3日朝、民放のテレビ番組に出演し、事故に伴う放射性物質の放出を
止められる時期について「おそらく数カ月後が一つの目標になる」と述べた。」

細野副長官はここで放射能が数か月漏れ続けることを明確にしています。
これは今までよりも事実に迫る発言だと思います。もちろんすでに明らかな現実を
認めたにすぎないとも言えますが、ともあれ今後、私たちが、数カ月もの間、
放射能漏れと共存しなければならないことが政府高官によって宣言されたのです。
深刻さを受け止めなくてはいけない。「ゆっくりとしたチェルノブイリ」、(この場合は
大量の放射能漏れ)が数か月にわたって進んでゆきます・・・。

このことから、原発の近くから離れた方が有利なこともますます明らかになりました。
次から次へと放射能が出続けるからです。今は海に汚染物質が大量に
流れ込んでいますが、浜から、地下水から、魚介類から、陸上へ戻ってきます。

一方で西日本の側も、被ばくが避けられなくなっていくことも明らかです。
私たちの社会は、広範な物資が駆け巡っており、福島周辺で数か月も、発生する
放射能を遮断することは難しいからです。

つまり、大事故のときの放射能雲や、今漏れ出している放射能による
一次的な被ばくに襲われないと思われる地域でも、食料や飲料水などに混入した
放射能による内部被ばくは避けられません。

とくに家畜のえさなどが放射能汚染されたり、魚介類が汚染され、生体濃縮
されて広範な地域に移動したり、食物連鎖が続いていくことを考えれば、
産地特定により、汚染物質を排除しても、一部をガードできるだけです。

その意味で私たちは、放射能との共存の時代に入ったと言えると思います。
もはや覚悟を決めて、これと闘うことです。私たち自身の免疫力を最大限に、
高めていくことが大事です。

私たちの身体には、高度の自己修復能力が備わっており、けして被ばくを
したらそれで終わりではない。その意味で放射能は「正しく怖がり」、
なおかつ、もはや「正しく立ち向かっていく」べき対象だということに腹を
くくりましょう。態勢を整えて、みんなで闘いましょう。

次に記事で非常に重要なのは次の点です。

記事は
「細野氏はまた、番組後に記者団に対し「事故発生直後は炉心溶融(メルト
ダウン)の危機的な状況を経験したし、原子炉格納容器が破断するのでは
ないかという危機的状況も経験した。しかし、そういう状況は脱した。若干落ち
着きを取り戻している」と説明した」と伝えています。

ついに政府高官から、私たちが、チェルノブイリ原発の爆発のような、破局的な
危機の上を歩いていたことが明らかにされたのです。 これも非常に重大です。

このことで、当初、さまざまなところで叫ばれていた「チェルノブイリ的な事態は
絶対におきない」という見解、また、「にもかかわらず、被災地の不安をあおるの
はよくない」という指摘も間違っていたことが明らかになりました。

やはり、当初、「逃げる」ことを叫び、実行し、迫りくる危機を周りに伝えようと
した人々が正しかったのです。このことが、細野副長官によって明らかに
されたことを、見据えておきたいものです。

その点で、細野副長官の発言は、踏み込んだものであり、僕は歓迎したいと
思います。よくぞ言われたのではないでしょうか。すでに与野党からの袋だたきが
始まっているようですが、屈することなく、さらに真実を述べて欲しいものです。

とくに細野副長官が「そういう状況は脱した。若干落ち着きを取り戻している」と
述べている根拠を示して欲しいです。本当にそう願いたいですが、残念ながら、
現在、明らかになっているデータからは、危機を脱した兆候が見出せないのです。
はっきりとした事実、数値を示した科学的な説明が求められます。

・・・細野副長官の検討を祈りたいです。

ともあれ、これまで原発の状況について、政府が事実に反した安全宣言を
繰り返してきたことが明らかになりました。またテレビで安全、安全と繰り返して
いた解説者たちも、ウソを語っていたか、少なくとも事実を見誤り、視聴者に、
真実とは正反対の解説をしていたことも明らかになりました。

今後テレビを見る時は、解説者が事実を間違えて語っていたことを、謝るか
どうかに注目したいものです。またテレビで、「今私たちにできること。政府や
あやしい解説者のデマに惑わされないこと」と流して欲しいですね。

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放射性物質止まる時期「数カ月後が目標」 細野補佐官

 東京電力福島第一原子力発電所の事故対応を担当している細野豪志首相
補佐官は3日朝、民放のテレビ番組に出演し、事故に伴う放射性物質の放出を
止められる時期について「おそらく数カ月後が一つの目標になる」と述べた。

 細野氏は「国民に不安を与えないためにも目標を設定すること(が大事だ)。
原子炉を冷却する仕組みを完全に作って安定させるという目標がある。試行
錯誤で行っていることを説明する時期が来た」と述べ、放射性物質の放出が
止まる時期の見通しを語った。

 細野氏は3月15日に東電本店内に設置した「福島原子力発電所事故対策
統合本部」(本部長=菅直人首相)に常駐し、政府と東電との調整のほか、
米国との協力の統括役を務める。

 細野氏は一方で、「使用済み核燃料が1万本以上あり、処理するのに相当
時間がかかる」とも指摘。放射性物質の放出を食い止めても、事態の完全
収束まではさらに時間がかかるとの見通しも示した。

 細野氏はまた、番組後に記者団に対し「事故発生直後は炉心溶融(メルト
ダウン)の危機的な状況を経験したし、原子炉格納容器が破断するのでは
ないかという危機的状況も経験した。しかし、そういう状況は脱した。若干落ち
着きを取り戻している」と説明した。

(2011年4月3日10時36分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104030041.html