守田です。(20110318 21:41)

さきほど流した情報の関連です。(一緒に出せばよかったのですが、あとに
なってみつけました)福島県で採れた牛乳と、茨城県で採れた野菜から、
「死の灰」と呼ばれるヨウ素などが検出され出しています。
ちなみに牛乳が採れたのは、原発から47キロ離れた農家です。

「食品衛生法の暫定規制値を超える」値だそうです。
枝野官房長官は、再び、「直ちに健康に影響する数値ではない」と
述べています。では直ちにとはどれぐらいの期間なのか、直ちに
でなければどうなのか。記者たちにぜひ突っ込んで欲しいものです。

そもそも「規制値」とは何なのでしょうか。問題があるために、
「規制」があるのではないのでしょうか。こうした情報を読むときには、
この点から視点をずらさないことです。

また僕には理解できない文面があります。

「その結果、福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が16~18日に
生産した加工前の牛乳から、最高で1510ベクレルと、規制値の
約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。

 茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、
ひたちなか市の農家のホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の
1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。高萩市の
ホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも
検出されている」

とある点です。
上の段では、最高で1510ベクレルが規制値の5倍。下の段では
規制値の7・5倍の1万5020ベクレルとなっています。
上がただしければ、規制値は302ベクレル。その7・5倍は
2265ベクレルです。

あるいは数値を書き間違えているのでしょうか。
またベクレルが放射能の力を測る値であることは分かるのですが、
それはどのような単位で、どのように規制値があり、どれぐらいだと
危険性があるのでしょうか。

これらについて、どなたか分かる方は情報を出していただけると
助かります。これらを整理して出していくことが今とても大事だと思います。

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食品から放射性物質、県が出荷自粛求める

読売新聞 3月19日(土)16時16分配信

 政府は19日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて実施した食品のサンプル調査で、
福島県川俣町の酪農家が提出した牛乳と、茨城県内の6市町村のホウレンソウから、
食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されたと発表した。

 政府は原発事故の影響とみて調査し、一定区域内の産品の出荷制限などを検討する。
枝野官房長官は記者会見で「直ちに健康に影響する数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」
と述べた。

 食品衛生法に食品の放射能汚染を規制する基準がないため、
厚生労働省は政府の原子力安全委員会が示した「飲食物摂取制限に関する指標」を暫定的に採用。
これを受けて、福島県と茨城県がそれぞれサンプル調査を実施した。

 その結果、福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が
16~18日に生産した加工前の牛乳から、最高で1510ベクレルと、
規制値の約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。

 茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、ひたちなか市の農家の
ホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。
高萩市のホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも検出されている。

 これを受けて同県の橋本昌知事は19日、
記者会見で、調査対象が露地物だったことを明らかにし、
地元農協などに露地栽培のホウレンソウの出荷自粛を求めたことを明らかにした。
福島県も、放射性ヨウ素が検出された町内の酪農家全員に、牛乳の出荷自粛を求めた。

 一方、東京電力は同日夜の記者会見で、「心よりおわび申し上げます」と陳謝した上で、
「損害賠償などの申し出があれば、国とも相談の上、しっかり準備したい」
と賠償を検討していることを明らかにした。

最終更新:3月19日(土)21時6分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000556-yom-soci


付記 20110329 10:20

この文章のタイトルに僕は「死の灰」という言葉を使いましたが、
科学者の友人から、これでは放射性物質一般が「死の灰」のように
見える。放射線は医療などでも使っているので、良くないのではという
指摘をいただきました。

その後、友人と「死の灰」の定義についても論議しましたが、社会的にも
定まったものとは言えないように感じました。
そのため、僕としては、ここで使ったことは間違いとは言えないし、他の人が
使うことは否定しないので、訂正はしないけれども、放射線が人間にプラスの
要素をもたらしている面もおさえ、これ以降、「死の灰」という言葉は
使わないことにしました。

またそうなると、「死の灰」という言葉にこもる「恐ろしさ」を、具体的な
内容で示さなければならず、また常に恐ろしさの度合いも書かなければ
ならなくなり、その分だけ、記事に正確さをもたらすことが
できるようになったと思っています。

今でも他の人が使用することに、何ら反対しませんが、僕としては
原発が大爆発してしまい、大量の放射性物質が空から降ってくるという場合を
のぞき、かぶったらすぐに死んでしまうようなイメージも持つこの言葉を、
当面は、使用せず、漏れ出している放射性物質の恐ろしさを具体的に
記述していくつもりです。