みなさま (20110314 15:22)

守田です。

本日11時1分、福島第一原発第3号機が爆発しました。
1号機のときよりも大きな炎があがり、煙もより高くあがりました。
ただし11時15分、東電より、いち早く、原子炉格納容器は無事で
あるという声明が出されています。続いて枝野官房長官からも、
爆発は原子炉の外での水素爆発であり、ただちに大量の
放射性物質が飛散する可能性は少ないという報告がなされています。

ただ現場で作業してる方々に被害が出ているようです。
今、なされている会見では11人負傷だそうです。
一時期、7人行方不明とされていましたが、その後に全員確認された
とのことです。この7人のうち6人は自衛隊員だそうです。

現場の方たちの無事と、懸命の必死の努力が実ることを祈るばかりですが、
原発は依然、非常に厳しい危機の前におかれています。
報道でも「念のため」と断りつつも、被曝を避けるための注意を
繰り返し流しています。
それぞれで、いざというときに、放射能から身を守るための用意を
進めてください。また必要な方にお伝えください。
(すでに情報は流してきましたが、あとでもう一度、整理します)

さてみなさま。
これまで刻々とすすむ原発の危機の状況をウォッチし、今、進んでいる
危機についてのルポを発してきましたが、こうした情報をどのように
出すべきなのか、非常に悩みながら歩みを進めています。
起こりうる危機を明らかにし、対処方法を伝えなければと思ってきましたし、
それは今も変わりません。

しかし今、東日本は地震とつなみで壊滅的ともいえる被害を被って
います。そのような中で、「逃げてください」と言っても、ただちに逃げること
などできない方々も多い。また逃げるどころか、今なお救助を待っている人々も
たくさんいます。
こうした中で、どのように情報を出すのがいいのか、なかなか最良なところには
辿り着けないのですが、いくつか整理したことを書きたいと思います。

まず大きくおさえておきたいことは、今、私たちが直面しているのは、
世界的にもまれな大地震と、大津波、そして原発災害の複合的な
事態だということです。それこそ想定外のことがたくさんあります。
このことを頭に入れて、対処を考える必要があると思います。

中でも大事なのは、大地震と大津波に対する被害への救済と援助を
進めながら、原発災害に備えなければならないということです。
この点で単発の原発災害で想定していた対処法は適用できないものが
多くあります。とくに先んじて逃げることに関しては、被災地について言えば、
手段がない、お年寄りや病人がいて動けない、また逃げた先の安全が
確保できるかどうか分からないなど、場所によってはリアリティがない
ところもあると思います。

そこでここからはこの大地震、大津波、原発災害という複合的な事態に
対して、どう対処していくのかまで目配りし、その考察をも交えながら、
情報発信していきたいと思います。

まずとりかかりとして節電について考えたいと思います。
すでにご存じのように、東日本では計画節電が実施されており、政府は
国民全体に節電を呼び掛けています。僕はこれに応じることは大切だと
思います。
その場合、節電は個人の努力よりも、大きな事業所などでの節電のほうが
はるかに効果がありますが、政府は産業界にそうした交渉も始めている
そうです。これらを踏まえて個人でもできることはしようということです。

この場合、東日本とヘルツの違う西日本はどうすべきかが問題になります。
ネット上では、西の電気も東に送れるとする意見と、送れないという意見が
出ていますが、こうした場合は、ネット情報に依拠せずに、関西電力などに
確認することが大事です。
実際のところ、関西電力は次のように声明しています。

「このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に心から
お見舞い申し上げます。
今回の震災復旧に際して、当社名でお客さまに節電に関するチェーン
メールを送ることはございませんので、ご注意ください。
当社は11日夕方から、電力各社と協力しながら最大限可能な範囲で電気の
融通を行っております。[注]
平素より皆さまには省エネ・節電にご協力を頂いておりますが、今のところ、
お客さまに更なる特別な節電をお願いするような状況にはございません。
[注]東日本と西日本では、電気の周波数が違います。従って、関西電力の
電気を東日本に送るには、周波数を変換しないといけません。この周波数
変換施設の容量には上限があります。」

ここにあるように関電は節電を呼び掛けてはいません。まずはこれをおさえ、
節電の努力といっても、東日本と西日本には有効性の違いがあることを
知っておくと良いと思います。今、西日本で節電することは、すぐに東日本の
電力の回復につながるというわけではないということです。

そしてその上で、僕は、西日本においても不必要な電気は使わないように
したほうがいいと思います。なぜなら電気を使えば何らかのエネルギーが
消耗するからであり、現在のような非常事態では、無駄は避けるにこした
ことはないからです。

それは電気以外についても言えることです。今、大事なのは、被災地を助ける
ために無傷の地域で、あらゆる物資・エネルギーを備蓄し、いつでも被災者に
供給できる体制を作っていくことです。とくに無傷の西日本は、東日本を助け、
いや助けると言うよりも苦しみを分かち合うために、多くを背負う覚悟を
する必要があると思えます。これは西日本に限らず、被災がなくて、余裕の
あるすべての地域で言えることだと思います。

その中でも大事なのは、あらゆる地域で、難民の受け入れの準備をすることで
あると思います。すでに明らかなように、今回の災害は、阪神大震災とまったく
違います。阪神大震災の時は、被災しているとはいえ、神戸市役所をはじめ、
地域の行政組織も健在であり、町全体がなくなることなどありませんでした。

ところが今回は、広範囲な海岸線で、コミュニティそのものが消滅してしまって
います。役場もなくなり、住民台帳もなくなってしまっています。膨大なデータも
失ってしまったと思います。

そのため、地域の再建にはもの凄い時間がかかります。仮設住宅を建てようにも
それを進める行政が崩壊しているし、第一、津波のリスクがあきらかになった
地域の人々に対して、どこに仮設住宅を提供するのかを考えても、大変な
困難が待ち構えていると思えます。余震の可能性などを考えてもそうです。

それらから考えると、多くの人々が今の地域よりもより広範なところに移り
住まないと、当面の生活再建ができない可能性も出てくるのではないか。
そしてそうならば無傷の市町村が、どんどん受け入れ表明をはじめると
良いのではないか。
それぞれの市町村民のためにストックしてきたものを、住民の合意のもとに
ですが、開放していくことがよいように思えます。

またささやかでもこうしたことを市民レベルでも進めて行くことも大事では
ないでしょうか。
すでに京都の友人が、不安で東から逃げてきた友人を家に泊めていますが、
こうしたことは今後、日にちを追って拡大していくように思えます。

そしてこうしたことを進めることは、原発災害が拡大した場合へのもっとも
有効な対処になるのではないかと思えます。各地が逃げ場所、ないし
移動先場所として確保されていれば、広範な地域の人々が、大量に
遠くに避難をしなければならなくなった場合の対処の助けになります。

また西日本をはじめ、被災してない地域から続々と声があがることは、被災地の
人々の傷ついた心に少しでも慰めになるのではないか。いざというときの
行き場を感じて、少しでも心がやすらぐのではないか。

こうしたことは援助、救援に入っている人々の心をいやすことにもつながると
思います。そしてそのことが、原発災害がより深刻化したときにも、それと
立ち向かうエネルギー源になりうるように思えます。

その点で、今は、私たちの潜在的ポテンシャルをいかにあげるか、
モチベーションをいかにあげるかが大事だと思います。たとえ最悪の事態に
たち至ったとしても、それに対処する私たち自身のポテンシャルをあげて、
対処していこうということです。
そのための一つとして、被災者の受け入れ準備を各地で進めるのは
どうでしょうか。

もちろん準備の仕方はさまざまで、みんなで知恵をしぼっていく必要が
あると思いますが、少なくとも、物資の備蓄はできるのではないか。
今すぐにでも、「受け入れ手があるのなら送れるもの」をまとめていくのも
有効だと思います。実際には現場が大混乱していてなかなか送れない
状態なので、とりあえずそれを備蓄していくのです。

そして現地だけでなく、新たな避難地になったところにも送れるように
しておく。もちろん、自分のところが受け入れ地になった場合は
そこで使えばいいし、使い道はたくさんあります。
実際には、これからの状況いかんできめていけばよいと思います。

ともあれこうしたことで大災害に立ち向かっていくこと。今後、さらに被害が
拡大しようとも、それに対処していく連携を生み出していくこと、アイデアを
交換し、積み上げていくこと、こうしたことに向かいたいと思います。

こうしたことを中心にしながら、僕としては今後も情報ウォッチを続け、原発
災害がより深刻化したときに、それを伝えて、放射能への対処ができるだけ
各地で迅速に進められることをサポートしたいと思います。

残念ながら原発については、依然、非常に厳しい危機に直面しており、場合に
よっては、この緊張した状態がまだまだ続く可能性もあります。
今の対処は想定外の非常措置ですから、危機を超えても、安定的で
安全なコントロールのもとにおくまでに、長い時間がかかると思います。
もちろん、そうではなくて、深刻な状態に陥る可能性はまだまだあります。
その可能性がどれくらいかはもう判断ができない状態だと思えます。

しかしそうであるならば、どのようになっても、あるいは危機がこのまま
おさまった場合でも、有効になることをみなさんと一緒に考え出し、準備して
ていきたいです!みなさまどうか知恵をお寄せ下さい。