守田です(20211206 23:30)

総選挙において野党共闘は大きな前進を遂げることがず、立憲民主党は大きく議席を減らし、枝野代表が責任をとって辞任されました。
この一連の流れの中で非常にはっきりしてきたことがあります。これが脱原発をめぐる激しい攻防だったこと、そして残念ながら野党共闘が脱原発のトーンを弱めてしまったことで現在の状態が作られていることです。

● 大きな危機の前に立っていた原発推進勢力

私たちがおさえておかなければならないことは、総選挙の前、原発推進派は大きな危機の前にあったことです。
まず前提としてあるのは、この国の世論は、福島原発事故以降、一貫して脱原発の方が多数です。
このため、旧安倍政権は、徹底して選挙で原発が争点になることを避ける戦略を採り続けました。

ところが菅政権後に自民党総裁選が行われる中で、原発に批判的な河野太郎氏が登場し、原発の是非が問わる事態となりました。
総裁選で原発のことが論議されるのはこれが初めて。安倍政権が避け続けた原発問題が、選挙の前に論議に上ってしまいました。
しかも電力会社はどこもひどい不祥事続き。東電のモラル低下があまりひどく原発運転禁止命令すら受けていました。他方で黒い雨裁判が勝訴したり、原発運転停止判決も続いていた。民衆の側の勝利がここだけは重なっていたのです。

この点で総選挙で原発の是非を問える条件が幾つも重なっており、脱原発派が伸長する大きな可能性がありました。
連合ー電力総連・電機連合は、自民・公明の原発支持勢力とともに、この苦境からの脱出を画策していました。これらの組合は、東電や関電などの電力会社や日立などの原発メーカーらの組合で、原発推進の立場にあるからです。
だからこれまでの慣例を破った手段に出てきました。

総裁選で原発が論点の一つとなっていることを詳しく報じた産経新聞

● 危機の中で連合は女性会長を登場させ立憲に揺さぶりをかけて脱原発とトーンダウンさせた!

連合が選んだのは、慣例を破って女性会長を登場させたことでした。しかも旧来のように電力・電機・鉄鋼大手の組合トップではなく、中小の産別労働組合(JAM)から芳野友子氏を抜擢しました。
そもそも連合内は、さまざまな産別の利害が衝突していて「誰もが連合会長という『火中の栗』を拾いたくない中で、初の女性会長という話題性で乗り切る案が急浮上した」(連合関係者)という分析もあります。(毎日新聞 10月6日)
しかし彼女は就任するいなや、エキセントリックに立憲と共産の共闘を批判、両者の離反を画策しました。「火中の栗」を拾うより、このミッションのもとに選出されたのです。

なぜかとういと、この時、あらたな会長が電力・電機関係出身だったら「共闘批判は原発反対をおさえるためだ」と気付いた方が多かっただろうからです。
ところが原発とは関係ない産業の場から出てきて、なおかつ女性である新会長が「共産の閣外協力などもってのほか」と叫んだので、脱原発つぶしの意図が見えにくかった。
そうであるがゆえに脱原発の面で野党連合の人々の忖度がおきてしまった。「大切な主張を譲ってでも共闘を成立させる」との思いに溢れていたからですが、それが逆手に取られ、連合ー電力総連・電機連合の罠にはめられたと思うのです。

悔しいし腹立たしいですが、これはその後の流れからも見て取れることです。芳野友子氏が、立憲と共産との共闘を選挙後のいまなおエキセントリックに批判し続けているからです。
その中で立憲の代表選が行われると、早速4人の候補のうちの半分、泉健太氏と小川純也氏が、「原発ゼロは理想」「最小限の稼働は必要」と言い出しました。まさに芳野友子氏抜擢の狙い通りです。
野党共闘支持者のみなさん。原子力ムラ(マフィア)の意図をしっかり読み解きましょう。そして脱原発こそ、現政権が一番言って欲しくないことであること、いやそもそもこの国の存亡がかかる道であることを再度、思い起こしましょう。

芳野友子連合会長のかたくなな姿勢を報じる時事通信

● 脱原発運動を再度、盛り上げるために、年末19日の講演をお聴き下さい

この点を踏まえて、必要なのは脱原発運動の再度の高揚です。これに向けて、12月19日日曜日午後6時半から講演を行います!ひとまち交流館京都3F第5会議室にてです。
この一年間、いやここ数年、全国全世界を駆けまわって見えてきたことのエッセンスをスカッとお話します。これを踏まえてみんなで新たな歩みを進めましょう。ぜひご参加・ご視聴下さい。

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