守田です(20210306 09:00)

● 映画『サマーショール~遺言 第六章~』

この映画は福島原発事故で被曝し全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村のその後を描いたものです。
当初より現地に入り込んで撮影してきた豊田直己さんと野田雅也さんが、飯舘村で酪農を営んでいた長谷川健一さんを中心に前作『遺言ー原発さえなければ』を引き継いでこの作品を編まれました。
昨日、京都市での上映会に参加して視聴してきました。舞台あいさつに来られた豊田直己さんとその後に懇談もしました。

映画は・・・色々な意味で感慨深かったです。
豊田さんたちは震災から6年経ち、避難指示が解除された飯舘に、これまでのように深く入っていきます。
仮設住宅から故郷に帰るのか否かの選択を問われる村民たち。結局戻ったのは2割、それも実際にはその半分ぐらいではないかと思われるそうです。

長谷川健一さんは最終的に飯舘に戻る選択をされましたが、その前にチェルノブイリに出かけられました。
そこで立ち入り禁止区域に暮らすサマショール(自主帰還者)に出会われました。このシーンが長谷川さんの撮影を元に映画に織り込まれています。
飯舘村で何度も集って討論する村民たち。豊田さんと野田さん、そして当初からずっと放射線計測で関わり続けている今中哲二さんがその場に寄りそっています。

以下から予告編が観れます。

ホームページです
https://www.yuigon-fukushima.com/?fbclid=IwAR1xAOa9IMAOwZzBeJFWBsDNa-M-MdT8w6-2s_7_sYy5-epK6HXxNq0DuaU

● 飯舘に戻って暮らす

もちろん豊田さんも長谷川健一さんも、危険地帯への帰還を奨励しているわけではありません。
故郷に戻って畑を耕してもそれを人に食べさせることができないことは百も承知。子どもたち、孫たちも戻らせることはできない。でもこのまま飯舘を、我が家を朽ち果てさせたくない・・・。
この複雑に交錯する思いの中に、原発事故のむごさ、故郷を失った悲しみ、飯舘の嘆きがあります。

ああ、原発事故とはこういうことなのだ、故郷を失うとはこういうことなのだ・・・そうあらためて強く感じました。
このことをきちんと記憶にとどめたい。原発反対!と声を上げる一方で、この悲しみをけして埋もれさせず、多くの人とシェアし続けたい。
そう思ったときに、原発事故に翻弄され続ける自らの赤裸々な姿を私たちに見せてくれた長谷川健一さんや飯舘のみなさん、貴重な映像を撮ってくれた豊田さんと野田さんに深い感謝の念を感じました。

みなさんにも福島原発事故から10年を迎えるこの時にぜひ観ていただきたいです。

● 上映スケジュールをご紹介します

京都市では5日から11日まで京都シネマで連日11時25分から上映中
大阪市では第七芸術劇場で本日6日から12日まで連日10時から上映中、初回の今日は上映後に豊田さんの挨拶があります。
神戸市では5日から9日まで神戸映画資料館で連日13時30分から上映中。本日6日にの上映後にここでも豊田さんの挨拶があります。

この他、東京、名古屋でも上映中。福岡でも上映予定があります。期間中のトークショーの案内もあります。以下からご覧下さい。
https://www.yuigon-fukushima.com/blank-1

なおそれぞれの会館で視聴者の数が多い場合は上映延長もあるのだとか。
その点も含めて、ぜひお誘いあわせの上、映画館に足をお運びください。

#サマショール #飯舘村 #長谷川健一 #豊田直己 #遺言 #福島原発事故10年