明日に向けて(1733)関電は贈賄を受け取った全職員を辞職させ、高浜・大飯原発をただちに止めるべきだ!(「関電原発マネー問題」を読み解く―1)

守田です(20191009 21:00)

関西電力の原発マネーをめぐる問題が連日マスコミをにぎわしています。 この問題をどう読み解いていけばいいのかの考察を行いたいと思います。

● 関電原発マネー問題の概要

今回の問題、マスコミでは「関電金品授受問題」と呼称されることが多いですが、ここでは「関電原発マネー問題」と名付けたいと思います。問題の本質は金品授受そのことよりも危険な原発の運転を賄賂によって強行してきたことにあるからです。
概要はこうです。元高浜町助役だった故森山栄治氏から八木誠会長、岩根茂樹社長など関電幹部ら20人が、2011年から2018年の7年間に、総額で約3億2千万円におよぶ金品を受け取っていたというのです。
その森山氏自身は、自ら顧問を務め、関電から原発関連工事の発注を多数受けてきた土木建築会社「吉田開発」から少なくとも3億円の資金を調達していました。どうみたって原発マネーの一部が幹部に還流され続けていたのです。


図は朝日新聞より

当初、幹部らは「金品は預かっていただけで違法性はない」と居直り、辞任を拒否していましたが、多くの批判を受けて、本日9日午後に八木会長、岩根社長を含む幹部の大量辞任を発表しました。
会長・社長の他、原子力部門トップの森中郁雄副社長、常務執行役員の右城望氏、鈴木聡氏、大塚茂樹氏が辞任。豊松秀己副社長が非常勤嘱託になるとのこと。
それぞれ受け取っていた金品は、八木会長・859万円相当、岩根社長・150万円相当、森中副社長・4060万円相当、右城常務・690万円相当、鈴木常務・1億2367万円相当、大塚常務・720万円相当、豊松副社長・1億1057万円相当でした。


毎日新聞 2019年10月7日より

ここまでの過程で関電は問題の責任を地元で「天皇」と呼ばれていた故森山氏の「横暴さ」になすりつけようとしました。金品を変えそうとすると「ダンプカーを突っ込ませる」とか「おまえにも娘がいるだろう。かわいくないのか」と脅されたと言うのです。
しかし故森山氏は高浜原発建設当初から、地元の反対を抑え込み、他方で揉めやすい建設利権などを差配し、高浜原発の危険性を無視した強引な建設と稼働を可能にしてきたキーパーソンだったのでした。関電が育て、利用してきたのです。
その森山氏一人を悪者に仕立てあげ、あたかも自分たちを被害者であるかのように演出して社会的責任から逃げようとしたことにも、関電があまりにも「人としての道」を踏み外した道を歩んできたことが現れています。

● マネーと腕力でもみ消さなければならないほど原発は危ない!

これらを踏まえて私たちが問題の一番の本質として押さえなければならないのは、原発が危険性に満ちており、多くの批判にさらされてきたからこそ、マネーの力と恫喝など野蛮な力によらなければ建設も稼働もできなかった点です。
事実関電の原発はさまざまな事故を繰り返してきています。2004年に美浜原発で死者5名、重傷者6名を出す重大事故も起こしました。関電はそのたびにマネーと恫喝の力の発揮で事態を乗り切ってきたに違いないのです。だから森山氏も影響力を持てたのです。
いま浮上している金品授受はというと福島原発事故後のもの。あの事故で全国で沸き起こった原発の危険性に対する懸念や批判を抑え込むこと、そのための「安全対策」工事が、儲けの対象となり、関電幹部にもマネー還流していたのです。


11人死傷!美浜原子力発電所事故 当日のニュース
https://www.youtube.com/watch?v=PtvBSovjisM

だからいま、真っ先に行わなければならないのは関電の原発の即時停止です。危険性に対する懸念を金と恫喝の力で抑え込んできたのですから、とてもではないけれど「安全・安心」ではありません。ものすごく危険なのです!
そもそも事業のトップの会長と社長、原子力部門トップの副会長が、こうした恫喝に屈して金品を受け取ってきたとさえ語っているのです。しかしそのお金も恫喝も、関電の意向を受けて、他の多くの人々に向けられてきたこともあまりに明白です。
この一点において関電の語る「安全性」への信頼は完全に崩れ去ったのです。だから原発を即刻停めねばならない。この問題を「関電金品授受問題」と称せず「関電原発マネー問題」と名付けるべき根拠もここにあります。

私たち自身もまた問われていることを自覚せねばなりません。モラルを完全に欠き、お金の力を駆使し、恫喝すら行う人々が危険な原発を動かしてきたのです。すぐにも止めさせなければ危ない。子どもたち、未来世代への責務としても。
その点で、私たちはワイドショーを見ているだけであってはなりません。関電を批判しているだけでも足りない。原発を止めなくてはいけません。
同時に原発がまだ稼働していること、止めてもすぐには安全にならないことも踏まえて、原子力災害対策を真剣に進めなければいけません。せめてヨウ素剤を広範囲に配らなければ。

● 関電の原発マネー徹底究明と原子力からの撤退を求める緊急署名にご協力を!

これらを踏まえた具体的提案の一つとして、今宵は小見出しに掲げた緊急署名をご紹介します。 ぜひ協力くだささい!締め切りは2019年10月15日です。

関電の原発マネー徹底究明と原子力からの撤退を求める緊急署名
https://forms.gle/vD3CHxycqYD17ueH9
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/signature191002.pdf

なおネット署名も展開中です。下記のタイトルで検索してみてください。

● 10月13日滋賀県守山市でお話します!

また僕は10月13日(日)に滋賀県守山市で講演します。「安定ヨウ素剤を配って!10・13講演と連絡会結成のつどい」です。
この日を持って「安定ヨウ素剤を配ってよ!しが連絡会」が結成されるのですが、そのために講演させていただきます。
「原発からの命の守り方―安定ヨウ素剤ってなあに?」のタイトルでお話します。ぜひお越しください!

詳しくはチラシ、ないしFacebookへの投稿をご覧ください。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10217524729928446&set=a.3300903639751&type=3&theater

関電原発マネー問題、さらに考察を続けます。乞うご期待です。

続く