明日に向けて(1678)原爆の犯罪性をいまいちど告発する!(13日に京都市でお話します)

守田です(20190412 23:30)

明日13日午後に京都市内で「原爆と原発、被曝と命と医療の問題を考える~原発からの命の守り方」のタイトルで講演します。 反核京都医師の会のお招きで第39回定期総会にてのお話です。午後3時から京都府保険医協会会議室にて。地下鉄四条、烏丸御池、阪急烏丸駅から徒歩3分です。

Facebookページによる案内を以下からご覧になれます。 https://www.facebook.com/348101998551016/photos/a.365171950177354/2507619805932547/?type=3&theater

● 原爆投下は人体実験=戦争犯罪だ!

前回の記事で今回お話したいことは原発はもともとプルトニウム生産装置=核兵器体系の一部として生まれたのだと言うことでした。 1945年夏、アメリカはウランを濃縮して作った原爆と、ウラン238に原子炉の中で中性子をあててプルトニウムを生み出して作った原爆と二つのタイプを手にしていました。 プルトニウム型の方が実際に爆発させるのにより難しい技術が必要だったため二つのタイプを作り、広島と長崎に落としたのでした。

それで広島には8月6日8時15分に投下されたわけですが、なぜこの時間が選ばれたのかをご存じでしょうか。 朝の通勤時間であるこの時間帯が、広島中心部にもっともたくさんの人が集まってくる時だったからです。なおかつその多くが建物の外にいる時間でもありました。 偵察飛行でこのことをつかんだアメリカ軍は、爆風・熱線・放射線をもっともたくさん人々に浴びせるため、この時間を選んだのでした。

このことの可視化が2017年のNHKの番組でなされました。「原爆死 ヒロシマ 72年目の真実」です。 55万7千人の被爆者のデータを入力し、当日の行動の軌跡をビジュアル化しました。広島市郊外から8万人が中心部に向かっていたことが分かりました。そこに原爆は落とされたのです!

なお番組のアドレスを示しておきます。ぜひご覧ください。
https://www.dailymotion.com/video/x5wr1y3

以下もご覧ください。

明日に向けて(1413)あの日たくさんの人が圧焼死していった(NHK「原爆死 ヒロシマ 72年目の真実」より) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b7bf0efd3e738b825ec3a4b1a168ac2e

● 原爆の殺し方はあまりに残忍だった!

原爆投下がどんなに残虐なことであったのか。この番組でさらに新たな事実が付け加えられました。 爆心地から500~1500メートルの位置で即死を免れた人の多くが、内側から血管が破裂して周囲の細胞が壊疽していき、悶絶しながら死んでいったのです。それは看護した人々にも鮮烈な心の傷を残しました。

この点は以下の記事に載せています。

明日に向けて(1414)原爆は血管を破裂させ人々を悶絶死させた(NHK「原爆死 ヒロシマ 72年目の真実」より) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/de4122201c137130a7e5ab2d76ab5abf

少し引用しておきます。

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強力な光線が皮膚を通過し血管に到達します。熱せられた血液から水蒸気が発生。血管を破裂させます。これにより徐々に周りの組織は死滅。 皮膚が剥がれたまま2~3日かけて命が絶たれるといいます。やけどによる死者の推移を見ると原爆投下の翌日から3日間で多くの人が亡くなっていた事が確認できます。

さらにこの3日間を乗り越え、命を取り留めた人を感染症が襲います。深い火傷はなおりにくいため、傷口から細菌が侵入しやすくなります。全身で炎症がおき、臓器が死滅。 激しい痛みと高熱に一週間ほど苦しめられた末に亡くなっていったのです。

「あらゆる意味で害が大きい。ひょっとするとこの爆弾というのは軍事目的で使うものではなくて、一般市民を標的にして、一般市民を苦しめる効果のほうがはるかに大きいものじゃないかなというふうに感じますね。 そこまで長引く苦痛をもたらすという爆弾は、おそらく他にはないんじゃないかなと思いますね」(日本熱傷学会の元理事、原田輝一医師談)


● その上に被爆影響隠しが行われた!

原爆の被害の非人道性はさらにこうした放射線被曝の影響が隠されてきたことにもあります。 核兵器投下後、ヨーロッパの科学者たちがすぐに立ち上がり、放射線を使った原爆の非人道性を告発してくれました。これに対してアメリカは核戦略そのものとして、被曝影響を著しく低く見積もろうとしました。

テクニックはシンプルでした。被曝影響を外部被曝にのみ限定したのです。放射性物質を体内に取り込んで内部から放射線を浴びる内部被曝の影響を無視したのです。 アメリカは「放射線の被害があったのは半径2キロ以内だった」と語り続けました。実際には放射能の塊である「キノコ雲」が何十キロも広がり、被害をもたらしたのに、アメリカはわざとこれらの地域での被害を調べませんでした。

このことで2キロより外の被曝被害が無視されました。救助のために後から爆心地に入った多くの人々の被曝も過小評価されました。 NHKの番組は実はこのことも鋭く告発しています。2キロ、いや2.5キロよりも外で黒い雨=放射能の雨が降った地域に急性死が起こっていたことを明らかにしたのです。 ここからも明らかなように、被曝被害は今まで語られてきたよりもずっと深刻だったのです。にも関わらず隠され、被爆者が苦しめられ続けてきたのです。

明日に向けて(1415)2.5キロ圏外でも多数の内部被曝死が起こっていた!(NHK「原爆死 ヒロシマ 72年目の真実」より) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/17088e4d5dbdd4d5c7d001b768543231


番組は内部被曝による急性死が3キロ以遠でも起きていたことを証明

● 被曝隠しがいまなお続けられている

大事なことはこの不当に小さく見積もられた被曝影響の調査データをもとに「放射線防護学」が作られたことです。 その上でアメリカをはじめとする核大国は、大気圏内で何度も核実験を行い、膨大な放射能をまき散らしましたが、その影響も低く見積もられて続けました。 原発も恒常的な被曝労働がなければ成り立ちませんが、その影響もまた非常に小さく見積もられてきました。その上に私たちはスリーマイル島、チェルノブイリ、福島の事故を体験したのです。

被曝隠しの残酷性は被爆者に被害事実の責任も対処も押し付けることにあります。 被曝させられた人々に「その病は生活の悪さのせいでなったもの。生活習慣病だ」という烙印を押し続けてきたのです。それが今も続いている。

こんなこと、あまりにも理不尽です。ひっくり返さなくてはいけない。 このことをしっかりと把握し、歩むことの中にこそ、核兵器を許さず、原発からの命を守る道があることをみなさんとしっかりと確認したいです。

連載終わり