明日に向けて(1661)東日本大震災と福島原発事故後8年に思う-命を守る力強い運動を築きあげよう!

守田です(20190313 23:30)

一昨日、3月11日で東日本大震災、そして福島第一原発事故から8年間の月日が流れたことになります。
8周年目の日を過ぎたいま、あらためて震災と事故で亡くなられたすべての方に心からの哀悼の意を捧げます。
またその後、避難を余儀なくされ続けているすべての方にお見舞い申し上げます。

● 被害を振り返る

朝日新聞の3月11日付報道では、各県ごとに死者・行方不明者・震災関連死・避難者の数がまとめられています。
岩手県 死者4674人、行方不明者1114人、震災関連死467人、避難者1028人。
宮城県 死者9542人、行方不明者1219人、震災関連死928人、避難者4196人。
福島県 死者1614人、行方不明者196人、 震災関連死2250人、避難者3万2631人。

時間泥棒仕置き人さん作成

3県含む全国総数
死者1万5897人、行方不明者2533人、震災関連死3701人、避難者5万1778人
※死者・行方不明者は3月8日時点(警察庁)、震災関連死は昨年9月30日時点(復興庁)、避難者は2月7日時点(同)。

死者数の総合計は19598人、行方不明者が2533人です。ご冥福を祈るばかりです。
また8年も経つのにいまだ政府の認める公式発表ですら5万1778人もの避難者がおられます。一刻も早い全面救済を心から求めます。


大津波に襲われた気仙沼港 2011年8月 守田撮影

打ち上げられた巨大な船がなかなか撤去できなかった 気仙沼港にて 2011年8月 守田撮影

● 震災関連死の意味するもの

震災関連死とは地震や津波の被害からはなんとか生き延びたものの、その後の避難所生活の中などで亡くなられた方を指します。
統計を見てすぐに分かるのは岩手・宮城に比べて福島県の震災関連死がとても多いこと。端的に原発事故の影響が見てとれます。

東京新聞はこの点に着目し、震災関連死の中から原発事故によるものをそれぞれの自治体に取材してより分け、「原発関連死」としてカウントしてきました。
2016年3月6日付の記事ではこの時(3月4日)まで福島県内で確認された震災関連死2028人の67%の1368人が「原発関連死」であったとしています。
ただしこの数字には震災関連死数の多いいわき市(131人)、南相馬市(485人)の中の原発関連死が両市が特定していないため入っていません。このためもう数百人多いと考えられます。

東京新聞 2016年3月6日

いやそもそも震災関連死そのものがどこまで正確にカウントされているか不明確です。
震災関連死は遺族からの申し出があり、審査した上で認定されるので、一人暮らしだったり、家族も共に亡くなってしまった場合などがカウントされていません。
さらに被曝影響などまったく考慮されていない。あれだけ膨大な放射能がまき散らされたのに健康被害が皆無とされているからですが、そんなことはありえません。
僕自身の取材でもどう考えても被曝影響の下での死としか考えられない方、また大変な健康被害を受けている方がたくさんおられます。

これらから最低でも約2000人、実際にはそれを大きく上回る人々が原発事故のせいで殺されたことは明らかなのです。
責任は東電と、長年原発の運転を認めてきた歴代政府、そして原発を作ったメーカーにあります。

● 大震災における死の意味するもの

一方で大震災と大津波による死に対しても、歴代の政府に大きな責任があることを指摘しておきたいと思います。
なぜなら三陸沖地震と津波は確実に来ることが予測されていたのに、有効な対策を採ってこなかったからです。
その点で原発関連死を含むおよそ2万人を越える死者もまた歴代政府の無策のせいで亡くなったことをおさえておきたいです。

例えば2010年12月17日発行の岩波新書『津波被害』の「はじめに」で著者の河田惠昭さんはこう書かれていました。
「この本の出版は、2010年2月27日に発生したチリ沖地震津波がきっかけとなっている。わが国では、約16万人に達する住民を対象に、避難指示・避難勧告が出されたが、実際に避難した人は3.8パーセントの約6.4万人に過ぎなかった。」
「 『こんなことではとんでもないことになる』というのが長年、津波防災・減災を研究してきた私の正直な感想であり、一気に危機感を募らせてしまった。
沿岸の住民がすぐに避難しなければ、近い将来確実に起こると予想されている、東海・東南海・南海地震津波や三陸津波の来襲に際して、万を超える犠牲者を出しかねない、という心配である」(pⅰ)

「必ず来る」の帯をつけた『津波災害』

残念ながら河田さんの心配はわずか3か月後に的中してしまいました。こうした危機感を多くの研究者たちが何度も叫んでいたのに為政者が耳を貸さなかったからでした。
そしてこの由々しき事態はいまも続いています。昨年7月豪雨でも220名を超す方が亡くなられましたが、大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町の洪水は、国土問題研究所の方たちが30年前から警告した通りのものであったそうです。
原発を無謀に運転させているこの国はまた、さまざまな自然災害をも軽視し、備えを怠り続けているのです。共通しているのは許しがたいほどの民衆の命の軽視です。

● 原発からも自然災害からも命を守っていこう!

私たちは東日本大震災と福島原発事故から8年が経過した今日、為政者たちが原発事故にも自然災害にもまともに向かい合おうとしていないことにこそ、この国の危機があることをしっかり把握するのでなければなりません。
だからこそ民衆の能動性のもとで命を守る大きなムーブメントを築き上げることを、亡くなられた方々の霊前にみなさんと一緒に誓いたいです。
原発からの自然災害からも命を守ること。そのための運動を強め、同時にそのために政治体制を変えていく必要があります。

あなたとあなたの大切な方の命を守るために共に歩みましょう!