明日に向けて(1645)中西発言は財界の悲鳴だ!いまこそ原発いらないの声をさらに高めよう!

守田です(20190117 0:30)

経団連中西会長発言に関する分析の続きです。

● そもそも各社の報道姿勢もおかしい

二度にわたる中西発言を分析した時、奇妙なことがもう一つ浮上してきます。元日の発言を東京新聞以外の大手メディアがどこも報道しなかったことです。
ちょうど15日にはこの点を指摘した記事がネットに上がっていました。

大マスコミが報じない経団連会長「原発はもう無理」発言の衝撃度
まぐまぐニュース 2019.01.16 by 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』
https://www.mag2.com/p/news/382754

これに対して今回の発言は各社が一斉に報じていますが、どこも「再稼働をどんどんやるべき」という点にフォーカスした要約のみで、先に紹介したテレ朝動画のようなニュアンスもほとんど伝えられていません。
理由は分かりませんが国策の一つの機軸とされている政策に関する重大発言なのに各社の反応はあまりに鈍い。大手マスコミは本当に頼りにならないです。

●「国民の反対に政府が立ち向かわないと業界はもうついていけない」と言いたいのでは?

では中西発言の意図はなんなのでしょうか。一見、相反する1月1日と15日の会見に貫かれていることはなんなのでしょうか。
元日に中西氏はこう言いました。「国民が反対するものをつくるには、原発建設の受け入れを前提に、どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やり作るということは、民主国家ではない」。
そして今回はこう述べています。「再稼働はどんどんやるべきだが、自治体がイエスと言わないので動かせない」「福島以降、原子力の真正面からの議論が不足しているのではないか。皆さん、それを言い出すと選挙に落ちると」。

これらを分析すると見えてくるのは、先に紹介した日刊ゲンダイに寄せられた古賀氏の指摘はいまもなお的を得ているということです。やはり中西会長は安倍政権に対して「原発を続けて欲しければ国民を説得しろ」と脅しをかけているわけです。
ただしこの脅しは余裕のある脅しではない。「全員が反対するものを・・・無理やり作るということは、民主国家ではない」という認識の上に立つものだからです。
要するに「原発を続けたいのなら強固な民衆の反対に立ち向かえ。選挙でも明確にしろ。逃げるな!」と言わんとしているです。

それで中西会長が勝算を持っているのかと言うと到底そうは思えません。むしろ言わんとすることは「自分たちは勝算のない原発輸出にも付き合い損益も出した。なおも原発を続けるというのなら選挙でのリスクもおかせ!」ということなのではないか。
そして自分たちにだけリスクを押し付け、推進派の政治家たちがリスクを負わないならば「本当に撤退するぞ」と言っているのではないか。いやそれも少し違います。「もはや撤退以外無くなる」と悲鳴をあげているのだと僕は思います。

これは非常に重要な点です。なぜなら実際に安倍政権は国政選挙のたびに原発を焦点化することを徹底して避けてきたからです。
まただからこそ再稼働とて現存する34基のうちの9基しかできていない。とくに福島原発と同じ沸騰水型は一つも動かせていない。民衆との対決を避け続けているからです。
しかしそこに触れない限り原子力政策の未来はない。「ないのだったら損益ばかりが続くので撤退もやむなし!」。それが経済界の本音ではないかと思います。

● 大切なのはいまこそ原発いらない!の声を高めること!

これらから私たちが結論づけるべきことは、原子力推進派に明らかな動揺と迷走が見られる今日だからこそ、ますます原発ゼロの声を高める必要があると言うことです。
いやむしろ私たちからこそ、「原発の是非を選挙の争点にせよ!」と言おうではありませんか!そんなもの、まさに望むところです。そもそも選挙民を騙して民主主義を愚弄する争点ぼかしの選挙を続けてきたことこそおかしい。

メーカーは単純な話、儲かる可能性がある限り原発を続けるでしょう。沸騰水型原発を再稼働してもらえれば日立は儲かる。しかしその可能性が無くなれば撤退せざるを得ないのです。原発輸出から撤退を始めたようにです。
そしていま経済界は「国民の反対の声を崩さない限りもう経営的に無理!」と言い出しているのです。だったら私たちが今も強いこの声をさらに大きくすれば原子力の灯を消す可能性は必ず引き寄せることができます。

だからいまこそ正念場です!
頑張りましょう!

写真は京都市伏見区大手筋商店街を行進する「ふしみ原発ゼロパレード」
20181215 守田撮影

連載終わり

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