明日に向けて(1615)社会運動の中でも互いの評価が厳しすぎるのでは?-自死の多い現状を越えるために-2

守田です。(20181106 22:00)

みなさま。10月は「むのたけじ賞」へのチャレンジにしようとの思いもあって、全日、記事を書きましたが、さすがに疲れがたまり、少し間が空いてしまいました。
また頑張って記事を書き続けますのでよろしくお願いします。
前回(1614)で世界の中でも飛びぬけて多い、この国の自死についての考察を行いました。今回はもっと互いをリスペクトすると良いのでは?という点を書きます。

● 社会変革運動の中でも互いの評価が厳しすぎるのでは?

前回僕は次のように論じました。
「日本の自死の多さは、日本社会が人々に完璧さや真面目さを求める度合いが他国よりはるかに高いことに要因をおいているのではと思えます。
その結果、多くの人々が実に低い自己評価をしがちなことに少なくとも1つの要因があるのではないでしょうか。これに新自由主義のもとでの自己責任論というばかげた屁理屈が追い打ちをかけています」。

今回論じたいのは、こうした傾向が、日本の市民運動や左翼勢力、平和勢力、環境派にもあるのではという点です。
自分たちや仲間を褒めることがあまり多くなく、ダメだダメだと言い過ぎではないかなと思うことが多いのです。とくに意見を異にする他勢力や他者への批判が相当に手厳しい。優しさが乏しい。

例えばいま稼働している原発は8基。これを「もうこんなに動かされてしまった」と捉える方が多いように思います。でもそもそも福島原発事故前まで、稼働可能な原発は54基もありましたがいまは34基にまで大きく減っています。
私たち民衆はすでに20基も廃炉に追い込んだのです。しかもその34基のうち約2割強の8基しか動いてない。8割近くの26基を依然、止めているわけです。

僕はこれは福島原発事故後に目覚めた人々の力がもたらしたものだと思います。もちろんその源は、事故以前に絶滅危惧種のような状態になりながらも原発反対を言い続けてきた人々の力ですが、事故以前を思い起こすと本当に隔世の感があります。
こうした民衆の力をもっと誇っても良いのではないでしょうか。ところが日本政府を批判しているうちに「それに立ち向かわない無関心な人々が悪いと」政府よりも民衆の方をくさしがちな方も時におられるのではないでしょうか。

● やはり「隣の芝は青く見える」のでは?

またドイツなどと比較して日本がどんなにダメなのかを強調する論も強い。でもこれってある部分は明治以来の西欧コンプレックスの1つでもあるのではないでしょうか。
実際にドイツに行って思ったのは、ドイツはドイツでさまざまな問題、矛盾を抱え、苦しみもがきながら進んでいるということです。
しかもみんながみんな主体的に政治に参加しているというわけではけしてない。ドイツにも無関心な人はいるし、最近ではシリア移民問題を背景に排外主義を唱える勢力の台頭もあります。
これと例えば僕が知り合ったドイツの友たちは懸命に向き合い続けています。ただドイツを美化するだけでは、こうした現に生じている葛藤の中でのドイツの心ある人々の奮闘を十分にシェアできないように思えます。

● 民衆運動の先達が作りだしてきた成果に感謝を!

ともあれ僕が言いたいのは日本にももっと良いところがあり、その中には日本民衆運動が作り出してきたものもたくさんあるということです。
例えば大国の中で第二次世界大戦以降、自国軍隊にいまだに戦闘をさせず、人殺しもさせてないのは日本だけです。
もちろんアメリカの核の傘の下でのことですからそれこそ美化できることではない。でも日本社会の他国と比べた安全性は、町を歩いてる人殺しの数が圧倒的に少ないことにもよっています。だからOECDの中で最も他殺される可能性が低いのではないか。

それはこの国の民衆が「戦争は二度としない」とえいえいたる努力を重ねる中でもたらされたもので、私たちにとっては先達の努力によって贈られてきた「平和力」というべき尊いものなのではないでしょうか。
僕はもっとこうした先達の努力と奮闘への感謝の念を持ち、この国の民衆が培ってきた「平和力」に誇りを持つべきだと思うのです。

さらに言えば、私たちは私たち自身をも、もっとリスペクトし合って良いのではないでしょうか。もっと互いに優しくなると良いのではないでしょうか。
私たちが守ろうとしている憲法にはそれも人権の尊重として書かれてもいるとも思うのです。他者を信じ、だから武力を放棄し、話し合いで国を守ろうとする精神。その魂というべきものは常に他者をリスペクトしていく観点ではないでしょうか。
そんな観点に立ったムーブメントを私たちがいつも意識的に作り出すことの中から、1日に何十人もが自死しているこの哀しい現実を越える道が見えて来たらいいし、日本社会の矛盾そのものを越え出ていく道も見えてきたらよいなと僕は思うのです。

終わり

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