明日に向けて(1597)「社会的共通資本」のアイデアこそが世界を救う!(10月24日水曜 勉強会へ)

守田です(20181015 10:00)

● 社会的共通資本学習会、10月24日(水)午後7時から開催です!

この夏より社会的共通資本に関する勉強会を行っています。10月24日(水)で4回目になります。
主催は市民環境研究所/Peaceflagプロジェクト/たねまきプロジェクト/すみれやの4団体。僕にとってはとても豪勢な主催のみなさんです。
この中でPeaceflagプロジェクトをけん引する井崎敦子さんが、この勉強会の名を「あたりまえの幸せを取り戻すための経済学・社会的共通資本勉強会」と命名してくれました。
これ、きっと宇沢先生がとても喜ぶに違いないネーミングです。

これまでの勉強会、第1回目は社会的共通資本とは何か、19~20世紀の世界経済とそれを反映した経済学の流れを紹介しつつ、「社会的共通資本」というアイデアの依って立つ枠組みのようなものを紹介しました。
2回目と3回目では岩波新書『自動車の社会的費用』をテキストにその内容をしっかりトレースする形で話を進めました。
おかげさまでご好評をいただけたとのこと、4回目はもう一度『自動車の社会的費用』の内容をおさらいしつつ、社会的共通資本のアイデアを私たちがどう生かすのかの討論の場を作って欲しいということになりました。

● 『自動車の社会的費用』で初めて「社会的共通資本」が詳しく展開された!

僕が『自動車の社会的費用』を取り上げたのは、この書が事実上、宇沢先生によって初めて「社会的共通資本」のアイデアを世に出した書だからです。
宇沢先生は若い時にアメリカに渡られ、近代経済学の研究を推し進めて学会の中心人物に上り詰められました。
そのころ、指導した学生たちから後にノーベル賞をとるような経済学者が次々と現れたのですが、今年、受賞したノードハウスも宇沢先生の着想からヒントを得て、その思考を発展させてきた一人だと言われています。

しかし当時、アメリカはベトナム戦争の深みにはまっていき、経済学者までもが戦争協力を要請されるようになっていきました。
宇沢先生はこの流れと決別し、日本に帰ってこられて東大経済学部の教授になられました。
しかし先生は日本に帰ってきて高度経済成長の陰で公害が頻発しており、たくさんの方が苦しんでいることにショックを受けられました。

とくに水俣を訪れ、胎児性水俣病患者さんの家を熊本大学におられた原田正純先生に連れられて回った時、「この公害の責任は自分たち経済学者にある!」と考えられ、ご自分を責められたのでした。
そこから宇沢先生は近代経済学の限界に目を向けはじめられましたが、それはかつての同僚たち、仲間たちの業績を否定することでもあり、苦難の道を歩まれました。
そしてその中で「社会的共通資本」というアイデアに開眼され、それを自動車問題に適用して書き下ろしたのが『自動車の社会的費用』なのでした。

● 資本主義の暴走=格差の拡大に対して、社会的共通資本のアイデアこそが対抗理論となる!

この3回の学習会でこうした「社会的共通資本」というアイデアが生まれた背景、そして『自動車の社会的費用』での打ちだしを同書を丹念に読み解きながら進めてきましたが、次回はいったんこれをまとめ直してお話します。
現代社会は資本主義が暴走を強め、貧富の格差が開くばかりです。しかも公共セクターが次々と壊されて「民営化」の名のもとに切り縮められ、実質所得だけでなく、社会的投資においても格差が広がっているのです。
このためどんどん資産を拡大するお金持ちにとっては「豊か」でも、社会を占める大半の人にとっては貧しく、生きづらい社会が深まりつつあります。

この流れを大きく逆転したいと世界の多くの人が考えていますが、これまでのところ資本主義に対抗するアイデアは社会主義しかなく、それが前世紀末までに無残な失敗を遂げてしまったので、有力な対抗理論が見つかっていません。
これに対し社会的共通資本のアイデアは分権的市場経済を残しつつ、社会の重要な点だけを「社会的共通資本」として共有化していくこと、しかもその管理を一部の国家官僚に任せないことにそのユニークさがあります。
「管理はその場にいる人々、専門家の手でなされるべきだ。民主主義的運営こそがカギだ」と宇沢先生は考えられていました。
ただし「専門家」を肩書で判断するわけではありません。例えば海のことであれば漁民の方が入らなくてはいけない。その場を一番知り、愛し、活用している人々の参加こそが大事なのです。

そんな社会的共通資本のアイデアをぜひともに学び、活用していきましょう!学習会へご参加下さい!

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市民がつながる小さな夜間学校「あたりまえの幸せを取り戻すための経済学・社会的共通資本勉強会」4
https://www.facebook.com/events/589590494805103/?active_tab=about

宇沢弘文先生の最晩年の弟子、守田敏也さんによる宇沢経済学勉強会の第4回目。
今回は2回目、3回目で行った『自動車の社会的費用』が好評だったので、もう一度、まとめのお話をしていただき、私たちがこの内容をどう生かすのかのディスカッションを行いたいと思います。
守田さんの発話をいつもより短くし、討論にたっぷり時間を割きます。最初にまたちょっとおさらいを入れていただきますので初めての方も大丈夫です!
毎回、とても刺激的な勉強会、ぜひお気軽にご参加くださいませ。会場3階となりますがエレベーターがございます。皆様のご参加をお待ちしております。

第4回目日時:10月24日(水) 19:00~21:00
場所: 市民環境研究所http://www13.plala.or.jp/npo-pie/
〒606-8227 京都府京都市左京区田中里ノ前町21 305 石川ビル
電話: 09095434044

参加費:1000円(お茶とお菓子つき)
主催 市民環境研究所/Peaceflagプロジェクト/たねまきプロジェクト/すみれや
参加お申し込みは、masuji90@maia.eonet.ne.jp井崎までお待ちしております。