明日に向けて(1568)高浜原発4号機から一次冷却水が蒸気となって漏えい!またも再稼働目前で故障が起こった

守田です(20180822 23:30 0824 22:00一部訂正)(1003 13:00 関電発表の数値の誤りについて付記)

みなさま。南仏ナルボンヌでの反核サマーキャンプを終え、15日深夜に帰宅しました。
その後、少し休みをいただきつつ、19日にびわこ123キャンプの子ども夏祭りを訪れて子どもたちやスタッフのみなさんと歓談し、翌日20日にショートステイin信楽に移って講演をしてきました。
さらにだんだんにパワーをあげてこの間、学んだことを生かしつつ頑張っていきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

● また原発で故障事故が起こった!

さてキャンプを終えて再度、日本の現実に向かい合おうとするや否や、再び原発の故障事故が起こりました!
高浜原発4号機における原子炉からの水蒸気漏れです。圧力容器の中から高濃度の一次冷却水が漏れだしてきてしまった事故で極めて深刻です。

どんなものであったのかを見ていきましょう。NHK NWES WEBの8月20日21時35分づけの記事から引用します。
「20日午後3時ごろ、運転再開に向けて原子炉の圧力を上昇させていた関西電力の高浜原発4号機で、原子炉の上蓋にある炉内の温度を計測する温度計を収めている管から微量の蒸気が漏れているのを点検中の作業員が見つけました。
蒸気漏れは管のふたをとめるパッキンの近くで起きていて、関西電力は午後6時から原子炉の圧力を下げて詳しい調査に入りました。」
「蒸気漏れが起きた管は今回の定期検査で分解してパッキンの交換を行ったということで、関西電力は、今月24日に予定していた4号機の発電と送電を遅らせて詳しく原因を調べることにしています。」

さらに以下の図をご覧ください。関西電力がプレスリリースしたものです。
高浜4号機 原子炉容器上蓋の温度計引出管接続部からの蒸気漏れ
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2018/pdf/0820_1j_01.pdf?d=20180820

● 加圧水型原子炉は冷却材を喪失しやすい

この故障事故が深刻なのは、加圧水型原子炉がその名の通り炉内を加圧し、約160気圧にもしているため、一次冷却水の通り道のどこかで「抜け穴」が生じるとそこから一気に冷却材喪失事故が起こりかねない構造を持っているからです。
加圧するのはそのことで水の沸点をあげより高温(300度以上)の熱水を沸騰させることなく蒸気発生器まで運ぶためです。そこで二次冷却水に配管を介して熱を移し、蒸気を発生させてタービンをまわす仕組みなのですが、このことが沸騰水型原子炉に比べても、万が一のときには早くメルトダウンが始まりかねないあり方につながってしまっています。
今回の故障事故に特徴的なことは、当然にもこの部位の危険性を関電も熟知しているため、定期点検でパッキンの交換を行ったはずなのに、まさにその場で漏れ出しが起こっていることです。

原因はまだはっきりしておらず、関電の釈明を待ちたいと思いますが、あるいはこの間、各地の加圧水型原子炉で繰り返してきた一次冷却水ポンプの故障のように構造的欠陥なのかもしれません。
あるいはパッキンの交換の際に人為的ミスを犯していたのかもしれない。
ともあれいずれにせよ、新品に代えていたのにそこから一次冷却水が漏れだしたのは極めて深刻です。

● 実は前日にも故障事故を起こしていた!

今回の故障事故の問題は実はこの蒸気漏れだけにとどまりません。実は前日の19日にもトラブルが起こっていたのです。関電のプレスリリースから抜粋します。
「高浜発電所4号機は、第21回定期検査中のところ、本日8時11分に「タービン動補助給水ポンプ制御油圧低」警報が発信しました。
直ちに現場の状況を確認したところ、床面に約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)が漏れていることを確認したことから、制御油ポンプを停止しました。
このため、同日8時26分に保安規定の運転上の制限を満足していない状態にあると判断するとともに、タービン動補助給水ポンプを待機除外としました。」

高浜発電所4号機の運転上の制限の逸脱について
関西電力 2018年8月19日http://www.kepco.co.jp/corporate/notice/20180819_1.html

このポンプは通常の給水系統の機能が失われたときに、蒸気発生器に給水を行うためのものですが、そこから制御油が漏れだしてしまったのでした。
実はこれもまだ原因が分かっていません。高浜原発は二日続けて原因不明のトラブルに襲われたのです。

しかもこの発表、数値が誤っています。「約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)」とありますがこれなら20リットルになるはずです。関電は漏れた油の量を10分の1に発表してしまっているのです。あまりにも杜撰です。

● トラブルばかりの再稼働をもうやめるべきだ!

この間、川内でも玄海でも伊方でも、再稼働を前に故障事故が続いてきました。
これらからはっきりしているのは、国と電力会社がとてもではないけれど、原発の安全性を確保などできていないことです。
むしろおっかなびっくりばくち打つような稼働が続けられています。こんなことを放置していてはならないです。

私たちの命、そして未来の命を守るために「トラブルばかりの再稼働をもうやめよ!」との声を大きくしていきましょう!