明日に向けて(1552)日本の災害時の避難所は余りに劣悪!酷暑の中におかれた被災者をホテルに移すなど命を守る措置を重ねるべきだ!

守田です(20180713 22:30)

豪雨被害での死者がさらに増えています。
NHKの13日18時52分の発表では死者193人、心肺停止5人、安否不明48人だそうです。
以下に表を載せておきます。

なお共同通信は13日11時21分配信のニュースで死者を204人と発表しておりNHKニュースと11人もの違いを見せています。
ここではよりあとから出たニュースであるNHKの発表を表にしてお伝えしておきますが、すでに200人を越えているという報道も流れていることも記しておきます。

豪雨が去ると同時に猛烈な酷暑が襲来し、大変な環境の中での捜索や環境整備などが続いていますが、次に心配になってくるのは避難生活をされている方の体調です。
2014年4月に起こった熊本・九州地震の際、地震で50人の方が亡くなられましたが、その後の避難生活の中で亡くなった「災害関連死」と認定された方はなんと211人にも及びました。
せっかく地震で助かったのに、その後の環境が劣悪であったために、4倍以上の方が命を落としてしまったのです。

こんなことは人権無視です。災害対策をないがしろにしてきた政府は、この間、たくさんの方が災害後に「関連死」で亡くなっているのにそれもまた放置してきました。
この状態もなんとしても変えなくてはいけない。

この点で重要な投稿が大前治弁護士によって「現代ビジネス」ネット版になされました。以下にご紹介します。

自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感 避難者支援の貧困を考える
20180710 大前治弁護士 現代ビジネスネット版
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56477

大前さんは日本と同じ地震国イタリアでこんな災害援助がなされたことを紹介しています。

「2009年4月のイタリア中部ラクイラ地震では、約63,000人が家を失った。これに対し、初動48時間以内に6人用のテント約3000張(18,000人分)が設置され、最終的には同テント約6000張(36,000人分)が行きわたった。
このテントは約10畳の広さで、電化されてエアコン付きである。各地にテント村が形成され、バス・トイレのコンテナも設置される。
ただし、テントに避難したのは約28,000人であり、それより多い約34,000人がホテルでの避難を指示された。もちろん公費による宿泊である。」

これに対して日本の避難所はどうか。以下の点が問題だと大前さんは指摘していますが僕もまったくその通りだと思いま

・そもそも災害避難用や宿泊用の施設ではない
・1人あたりの面積が狭い
・大人数のため常に騒音や混雑感があり落ち着かない
・1人用のベッドや布団がない、または不足している
・エアコンや入浴施設がない
・調理施設がなく、温かい料理が供給されない

実は日本の避難所のあり方は、国際的な難民キャンプなどの基準を大きく下回っているのだそうです。災害大国であるにも関わらずです。

先に熊本地震の時に地震で亡くなった方が50人だったことに対し、災害関連死で亡くなった方が4倍以上の211人であったことを紹介しましたが、今回、懸念されるのは災害後に猛暑が押し寄せてきていることです。
すぐにも考えられるのは熱中症になることや、狭くて窮屈な場で寝ることでエコノミー症候群が起きること。これらは水分摂取が足りない中で悪化しやすいのですが、それがトイレ不足と直結してしまうのです。

避難所ではトイレに列ができ、衛生状態も悪いことなどから、多くの方がトイレ使用を控えようと飲食を抑制しがちです。
とくに高齢の女性が水を飲むのをためらいがちになると言われますが、猛暑の中では熱中症やエコノミー症候群に直結してしまうのでとても危険です。

そればかりではありません。そもそもこうした避難所の劣悪さが、多くの人に災害時の迅速な避難をためらわせるげんいんものにもなっていると思います。
それまで避難所の状態を見聞きした経験から、嵐が近づいてきても多くの人が自宅にいた方が過ごしやすいと感じてしまう。トイレなどの不安を抱えている方はなおさらです。
この上に僕のもとには「避難所の方が自宅よりもより低いところにあるので行く気がしなかった」という声もたくさん寄せられました。
この点も含めて、避難所が「避難」に適した場とは思えないことが、大切な「万が一のための避難」も抑制してしまっていると思われます。

こうした状態がもう何年も何年も放置されてきたのは人権無視です。せっかく直接的な災害を生き延びたのに、その後のケアが悪くて「関連死」してしまうのは、社会の対応に問題がある場合が多いのです。
この点で私たちは社会的予算の配分を大胆に考え直さなければなりません。
私たちの国より経済規模の小さなイタリアで「10畳のエアコン付きテント」をすぐに18000人分も供給することができているのです。
イタリアの方が人権がずっと尊重されてわけですが、経費だけの問題で言えばすぐにも追いつくことができるはずです。必要のない軍事費を少し削ればすぐにも対応ができます。

またこのような対応をしなければ今後、「震災関連死」が増えて、犠牲者数がさらに上乗せされてしまいます。
そんなことのないように政府にどんどん予算を出させ、エアコン付きテントがすぐに用意できないなら、希望者は即刻、ホテルに移すなどの措置が講じられるようにすべきです。
そうしないとまた新たな犠牲者が増えてしまう!

7月5日に宴会を開いて災害対策に取り組まなかったことへの真摯な謝罪の意も込めて政府は避難者を守るべきです。
災害援助をうけるのは「権利」です。避難所の劣悪さは人権侵害です。このことを声を大にして訴え、避難生活者の命を守りましょう!