明日に向けて(1517)また再稼働しようとした原発が壊れた!‐玄海原発4号機冷却水ポンプ故障事故を論ず-1

守田です(20180507 16:00)

またまた再稼働をしようとしていた原発が壊れました。玄海原発4号機一次冷却水ポンプでの事故です。
この故障事故のため、24日に予定していた再稼働が6月にずれる見込みだそうです。毎日新聞の記事の一部をご紹介します。

「九電によると、循環ポンプ内部で、放射性物質を含む1次冷却水が漏れるのを防ぐための部品に不具合が生じ、流量が増加した。
2日午後4時過ぎ、中央制御室の警報が鳴ったことから異常が発覚。調整作業をしたが改善しなかったため、緊急点検が必要だと判断し、3日午前11時ごろに佐賀県に状況を報告した」。

玄海原発 4号機、冷却水ポンプのトラブル 再稼働延期か
毎日新聞2018年5月3日 23時00分(最終更新 5月3日 23時00分)
https://mainichi.jp/articles/20180504/k00/00m/040/107000c

僕が「またまた」と書いたのは、新規制基準のもとで再稼働した原発で次々とこうした故障事故が起こっているからです。
これまで再稼働がなされたのは川内1、2号機、伊方3号機、玄海3号機、高浜3,4号機、大飯3号機の7つの原子炉で、大飯4号機と玄海4号機がこれから再稼働しようとしています。
このうち川内1号機、高浜4号機、伊方3号機、玄海3号機、そして今回の4号機とトラブルが発生。大飯4号機も数えて9つの原発のうち5つで故障事故が起きており、しかも伊方3号機、高浜4号機はそれぞれ2回のトラブルを発生させています。

何が原因なのかというと一つには長い間止めておいた原発はもうそれだけでかなり危ないからです。
この点について僕は川内原発が再稼働してすぐにトラブルを起こした時に、ブルームバーク掲載の記事を紹介しながら、それまで原発を4年以上止めて動かした例は世界で14例しかなく、そのすべてで再稼働後にトラブルが起きていることを紹介しました。

明日に向けて(1128)4年以上停めて再稼働したのは世界で14例。その全てで稼働後にトラブルが起こっている!‐20150823
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/474f1254a9054ea9bbfa3757feb15566

なぜかというと機械は動いてないと錆や埃などによってスムーズに動かなくなる可能性が高まっていくからです。
とくに原発はたくさんの水、日本では海水も使っているので、なおさら錆が発生しやすい難点を持っている。だからこうした故障事故が再稼働のたびに起きているのですが、事故に「慣れて」しまわないためにここで振り返っておきましょう。

川内1号機のトラブル
最初にトラブルを発生させたのは2015年8月11日に再稼働を強行した川内1号機でした。稼働からわずか10日後に復水器内の配管にピンホールがあき、二次系に海水が混入しました。
ただしこれは二度目の不具合。再稼働に向けて原子炉以外の機器を立ち上げた直後の7日にも原子炉冷却水ポンプの軸の振動を測定している計測器の数値が異常に低下するトラブルを起こしました。

高浜4号機のトラブル
この後に再稼働が強行されたのが高浜3、4号機で、後者がトラブルを起こしました。まずは再稼働直前の2016年3月20日に一次冷却水の浄化装置付近から34リットルの放射能汚染水が漏れ出しました。
一次冷却水から「不純物」を取り除く設備の弁のボルトが緩んでいたためとされましたが、関電はそのまま26日に再稼働を強行し、より大きなトラブルを起こしました。
29日の送電開始とともに原子炉が自動停止してしまったのです。発電した電気を送電線に送る部分にある検出器への入力を間違い、異常ではないのに検出器が「危険」と判断して非常ブレーキをかけてしまったのでした。

伊方3号機のトラブル
続けてのトラブルは伊方3号機で起きました。2016年7月26日の再稼働直前の17日に一次冷却水循環ポンプから水漏れを起こしました。
原因はこのポンプを稼働させているモーターの軸のシール部分が、耐圧試験で壊れてしまったためとされましたがかなり怪しい。ちなみに故障を起こしたのは今回の玄海4号機の故障事故と同じ箇所です。

玄海3号機のトラブル
玄海3号機は2018年3月23日に再稼働を強行しましたが、30日に蒸気発生器に水を送る配管の一部から蒸気漏れを起こして発電が停止されました。雨水が配管を覆う保温材の隙間から染み込み、パイプを腐食させて穴があいていたのでした。
九電の瓜生社長はこう言いました。「(運転を)7年間止めていたため『何が起こるか分からない』と言っていたが、現実になってしまい、非常に残念だ」・・・。

そして今回の玄海4号機の冷却水ポンプ事故です!3号機の故障事故のときに瓜生社長が本音を漏らしてたように、もはや電力会社は「何が起こるか分からない」状態で再稼働を続けています。
ものすごく危ない。現在稼働中の原発それぞれも危険だし、5月9日に迫っている大飯原発4号機再稼働も恐ろしい。

「すぐに壊れてばかりの原発をもう動かすな!」と声を上げましょう。
しかも今回の故障事故は単に長く停めていたからではなく構造的な欠陥による可能性も高い。次号で論じます。

続く