2013.08.14

明日に向けて(726)「放射能を怖がるのはかっこ悪い」というのは大間違い!(上)

守田です。(20130814 23:30)

このところ、関西で行われている保養キャンプにたびたびお邪魔して、子どもたちにお話を繰り返しています。
8月2日に、やんちゃっこイン枚方でお話しし、10日に「元気いっぱいびわこキャンプ」で、12、13日と「びわこ1、2、3キャンプ」でお話ししてきました。
明日の15日は「ごーごーわくわくキャンプ」で、17、18日に再び「びわこ1、2、3キャンプ」でお話しします。

今日はこの中で8月2日に、枚方でお話ししたことの一部を紹介したいと思います。
ここで僕が取り上げたのは、福島の中学生の一部で「放射能を怖がるのかっこ悪い」という言葉が流行っているということについてでした。どれほど流行っているのかわかりませんが、もちろんそんなことはまったく間違っています!
そのことを子どもたちに一生懸命に伝えたのですが、この内容を福島だけではなく、そんな話をしているすべての子どもたち、いや大人たちに届けたいと思って、この内容を記事にしました。
以下、当日の話をテープ起こししました。お読みください!

*****

「放射能を怖がるのはかっこ悪い」というのは大間違い!

今日は体の免疫力をあげるための食べ物の話と放射能の話をしますが、まずは放射能の話をします。

福島原発の事故があって、たくさんの放射能が飛びました。では放射能って何ですか。わかる人いるかな?子どもが手が上がらないから大人の人、どうでしょうか。ではNさんに聞きましょう。

N えー・・・。うーん。いわゆる電離放射線というやつですね。

電離放射線・・・。ブー。それでは子どもたちにはわかりません。

N 物質が違う物質に変わるときに、線と言ってもアルファ線とベータ線とガンマ線とあって、それは物質を伴うものと・・・うーん・・・お任せします。すいません。

一同、笑い

あのね。放射能というのは、漢字で書くと、能力の能がついています。だからもともとは放射する能力という意味です。
放射線の方はもともとはたくさんのものがあります。みなさんが知っているもので言えば、電波もそうです。光線もそうです。放射線というのは放射状に出るものです。
放射能というのはもともとはそれを出す能力のことを言っていたのだけれど、放射線を出すもののこともさします。放射線を出すもともとのもののことです。
放射線にはいろいろなものがあるのだけれど、さっきNさんが言っていたいくつかの放射線が体に悪い。だからその放射線を浴びない方がいいということです。

放射能はものだから、ものとしてあちこちに移動してしまいます。放射線は放射能から出てくるので、届かないところまで離れたり、さえぎるもにがあればあたることはありません。
放射能はものなので、原発から出ると風にのり、雲にくっついて、雲がたどり着くところまで行ってしまいます。
放射線はそれが出てくる放射能から離れれば離れるだけ弱くなる。光と思えばいいです。光は近くにあると明るいけれども、離れればどんどん暗くなるでしょう。それが放射線です。
放射能は光で言えば、ライトそのもので、それが移動するから、どんどん自分に近づいてもきます。だからどちらが怖いのかというと、放射能が身の回りに近づいてくる方が怖いです。そっから放射線が出てくるからです。

放射線が体にあたると私たちの体を作っている細胞が壊されてしまいます。だから放射線はできるだけ浴びない方がいい。
でも人間には免疫力があります。身体の力です。放射線が体の細胞を壊しても、免疫力があると、身体を治すことができます。だから放射能に対しても、体の力を上げることが大事なのです。
今日、みなさんに放射能についてお話しする上で、放射能が細胞を壊すメカニズムのことになると、中学生以上の科学が必要になってしまうので、難しい。それで一番、大事な問題を話したいと思います。

というのはNさんに聞いたのですが、今、福島の中学校の一部で、「放射能を怖がるのはかっこ悪い」ということが言われているということを聞きました。僕はかなりショックを受けました。
なぜショックを受けたのかというと、一番、最初にこういうことを言い出したのはアメリカ軍だからなのです。これが今日、一番、話たいことです。
今日は8月3日ですよね。あと3日経つと8月6日になります。この日は何の日か知っていますか?

子ども 終戦記念日

終戦は8月15日。8月6日は何があったでしょう。

子ども 広島原爆

そうだね。では長崎は何日ですか。

子ども 9日

そうだね。8月6日と9日に広島と長崎に原爆が落とされました。もともと放射線と人間の関係が調べられたのは、この広島と長崎です。
今、私たちが自分で放射能の問題を調べていると、みんな途中で分けがわからなくなってきます。人間が放射線をどれぐらい浴びると危険なのかということについて、ものすごく意見の違いがあるからです。
放射能はそんなに怖くないものだと言っている人がいて、放射能は少しでもとても危ないと言っている人もいて、科学者の間でも意見がバラバラです。
なんで意見がバラバラなのか。その歴史をずっと辿っていくと、一番、最初に放射線をこれぐらい浴びると体がこうなるということがどこで調べられたのかにというと、この原爆なのだということに行きつきます。

調べたのは誰かが問題なのです。答えはアメリカ軍です。落とした人たちが調べたのです。なんで調べたのか、一つはアメリカが開発した原爆の性能を知るためです。もう一つは調べることが目的ではなくて、原爆の人間への影響をできるだけ小さく見せたかったのです。
つまりアメリカが原爆であまりにもひどいことをしてしまったからです。これが話しの元として一番、大事なことなのですよ。8月6日はニュースなどで原爆のことをたくさんやると思うからぜひ見てください。
アメリカ軍は原爆を本当にひどい形で落としたのです。どうひどいのかというと、原爆が落とされる前に、アメリカの飛行機が毎日のように広島にやってきました。広島の上空からいろいろな時間に市内をくまなく写真を撮りました。
なんでそんなにいろいろな時間にたくさんの写真を撮ったのかというと、一体、何時何分に市内の人が一番、建物の外に出ているかを知りたかったのです。それが8時15分だったのです。
なぜか。昔の人は外で朝礼をやっていました。あるいは出勤中だった人もいました。そこに原爆を落としたら熱線と放射線でどれだけの人が死ぬのか。人間がどうなるのかということをアメリカ軍は知りたかったのです。ひどい話でしょう。

子ども サイテー。自分の国でやればいいのに。

そうだね。自分の国で・・・。うーん、それはちょっと。(大人から笑い)
あのね、アメリカは自分の国でもやったの。どうやったのかというと、さすがに人の上には落とさないよ。でもアメリカ軍は原爆を落としたところに向かって、アメリカの兵士に突入させたりしたの。アメリカ軍の兵士たちを使って人体実験をしたんだね。
あるいは原爆のつくるきのこ雲があるよね。あの雲の中にB29という飛行機を突入させたの。そのために使われた人たちをアメリカで、アトミックソルジャーといいます。アトミックは原子力のこと、ソルジャーは兵隊のことです。原子兵士だね。
その人たちも、その後に広島や長崎の人たちと同じように体が悪くなったのです。

今日、僕がこの話をするのは8月6日と9日が近いので、みなさんに原爆のことを知って欲しいからです。
スライドを見てもらいましょう。広島の原爆ドームの写真です。原爆はこの上空に落とされました、落下傘でゆっくり降りてきて、上空数百メートルで炸裂しました。今、このドームから見えるところに平和記念公園が作られていて、毎年8月6日にここで慰霊祭が行われます。
アメリカ軍はこの広島や長崎でABCC、原爆傷害調査委員会という調査機関を作りました。この組織が原爆の被害者をたくさん調査しました。
この調査は広島や長崎の人にすごく恨まれています。なぜかというと、被ばくした人をヒバクシャと言いますが、アメリカ軍はジープで乗り付けてきてヒバクシャを病院まで連れて行って、裸にして、調べて、極めつけは一切、治療をしませんでした。
なんで治療をしなかったのかというと、治療をすると、被害があった証拠が残ってしまうからです。アメリカ軍は、放射線の影響で体がどうなっているのかだけを知りたくて、治療をしなかったのです。
とくにヒバクシャの方が亡くなると、アメリカ軍が遺体を欲しがって、強引にひきとって解剖をしました。だからアメリカは本当は資料をたくさん持っているのです。ぜんぜん表に出しませんが。

アメリカ軍はなぜ原爆の非人道性を隠そうとしたのか。これもあまり知られていないのですが、実は原爆が落とされて、日本が降伏した直後に、イギリスのロンドンやアメリカのニューヨークの新聞記者さんたちが、広島に潜入ルポで入ってくれました。
それで「広島では人々は原爆病としかいいようのない未知の理由によって、未だに不可解かつ悲惨にも亡くなり続けている。」「原子爆弾はいまだに日に100人の割合で殺している」という記事が出ました。
アメリカやイギリスの中からも、「これはあまりにもひどいではないか」「戦争が終わっても人を殺し続けるのはあんまりだ」ということがどんどん新聞にでました。
これに対して、アメリカのマンハッタン計画という原爆を作った計画の副責任者のファーレル准将という人が東京で記者会見をして、「死すべき人は死んでしまい、9月上旬において原爆で苦しんでいる人は皆無だ」という発表をして、9月18日に原爆の報道を一切禁止してしまいました。
以来、1945年から1952年まで、原爆のことは一切報道してはならなくなってしまいました。「原爆のことはアメリカ軍の最高機密である。このことを勝手にしゃべる人間は逮捕する」。こういう理由で、広島・長崎のヒバクシャの人たちは、自分の体がどうなっているかを一切、語ってはいけないと言われたのです。

本当にひどい目にあっている。お医者さんたちも、治療をしてもいいけれども、そのことを他の人に話してはいけない。研究もしてはいけないと言われました。
だけど、お医者さんたちも、そんな放射線の被害などみたことがなかったので、どうやって治療をしたらよいのかわからない。そうすると免疫力をあげようと考えます。どうするかというと味噌を食べさせたりした。味噌は体に良かったのです。
それでお医者が集まって、「どうだった」「味噌を食べさせた」「それで」「体にいいみたい」と話しているとアメリカ軍がやってきて、逮捕するということになってしまいまいた。実際に逮捕されたお医者さんもいました。
それでお医者さんの方もヒバクシャの人たちを見るのが怖くなってしまいました。そんな風に被ばくの実態は隠されてきたのだけれど、実はおんなじことが今になっても続いているのですよ。

原爆の被害をもう少し見えていきます。原爆は広島ドームの上で破裂しました。大きな火の玉ができて、そこから熱線と放射線が出ました。原爆の直下では熱が何千度にもなったので、たくさんの人が一瞬に焼き殺されました。
そのあとにきのこ雲があがり、たくさんの放射能がその中に舞い上がっていきました。きのこ雲はその後に大きく広島の上空に広がっていき、その下にあるところのすべてに放射能を降らしました。本当に広範なところがきのこ雲がから落ちた放射性の汚染物によって汚染されてしまったのね。
ところがアメリカ軍は、この汚染によっては健康被害は生じなかったと言い張りました。そして原爆が落ちて爆発した真下のところから半径2キロ以内の人は、放射線をかぶって傷害が出たけれども、それ以外の人には放射線による傷害はでなかったと今日までいい続けています。
ではその根拠は何かというと、半径2キロ以外の人は調査もしなかったことですす。だから被害がデータにならなかったわけです。

ではなんでアメリカはこんなことを言い張ったのかと言うと、さっき、「だったら自分の国でやれよ」という話がありましたけれど、戦後に実際にどんどんやりだしたのです。
つまりアメリカの中でも核実験をやったし、そこに兵士たちを突入させたりしました。また兵士だけではなくて、きのこ雲が生じるから、周りに住んでいる人の家にまで影響が行ってしまいました。それでアメリカの住人がいっぱい被曝したのです。
アメリカはそれも隠したかった。だから「放射能の害は小さい」「放射能の害はそんなに怖がる必要はない」ということをすごく宣伝したのです。「放射能を怖がるのはかっこ悪い」というのは、アメリカ軍が最初に言ったことだというのはそういう意味です。

続く

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