2012.04.02

明日に向けて(442)京都・市民放射能測定所オープンに際してお話します。

守田です。(20120402 22:30)

京都・伏見区で設立を目指していた京都市民放射能測定所に、いよいよ測定器がやってくることになり、測定所が開設されることになりました。正式には5月からとのことですが、これに先立つ4月8日に、開設記念の講演会と、食品測定会が行われます。会場は測定所直近の京都市呉竹文化会館。午後に測定所に移って、測定会を行います。

この測定所は、避難者支援活動から立ちげにいたってきたユニークな経緯を持っています。測定所代表で避難者支援グループ「うつくしま☆ふくしまin京都」事務局長の奥森祥陽さんに聞いたお話をまとめます。

京都府の職員でもある奥森さんは、大震災が起きたときに、府からの業務応援募集に手を上げ、4月1日から一週間、会津若松市の避難所運営の支援に赴きました。そこには原発直近の人々が着の身着のまま避難していてそのまま帰れなくなっていました。「原発事故とはこういうものなのだということがよく理解できた」と奥森さんは語ります。

奥森さんは、京都に戻るシャトルバスの中で、避難のために相乗りした郡山市出身の若い男性と知り合いになりました。後日、彼を訪ねた奥森さんは、京都府が受け入れるといいながら、住宅の提供とわずかな生活支援しかないことを知りました。同じことがほかでも起こっているのではないかと避難者を探し、京都での支援に乗り出し、やはり郡山から避難してきた二〇代女性と知り合いました。奥森さんは交流しようと、五月に郡山から移住した二人を招き、食事会を開いて京都の名物を一緒に食べました。

するともっと多くの人に呼びかけて交流会を開こうという話が持ち上がりました。そこで避難者の支援に乗り出し、交流会を企画。チラシを作り、京都府や京都市が提供している住宅名を聞いて、チラシをまきにいき、福島ナンバーの車のワイパーにチラシを挟み込みました。

こうして6月25日に「うつくしま☆ふくしまin京都」の第一回目の交流会が開かれました。この名前は、もともと福島県が使ってきたキャッチフレーズですが、避難者に親しみやすいだろということと、「福島を美しい町に戻したい」という意味を込めて使われました。このときに集まったのは避難世帯の大人11人。

交流会の場で話題になったのは避難は正しかったのかどうかということでした。郡山の女性は父親の同意を得られませんでした。祖父や祖母も理解がない。唯一、母親だけが「あなたはこれから子どもを産むのだから」と理解を示してくれたといいます。そんな思いが吐露されると、それぞれが後ろ指を刺される辛い思いをしていることがわかりました。一時間ほど話し合い、自分たちの避難は正しかったという結論に達しました。

7月23日に、2回目の交流会が行われました。子どもも楽しめるように関西名物のたこ焼きパーティーが準備されました。17家族と多数の支援者が集まりました。このときは住民票を移すかどうかなど、具体的な心配が語られました。避難の権利と賠償問題についても話合われ、ここから賠償を求める裁判の準備が始められていくことになりました。

一方、放射能の問題も話されました。奥森さんたちは避難者から、京都の人たちは放射能に対する認識が甘いと指摘されました。「私たちは放射能から逃げてきました。でも放射能は食べ物に入って私たちを追いかけてきているのです」と問われた。こうして活動の遡上に放射能対策があがりました。

9月25日には、避難の権利問題を中心とした3回目の交流会が持たれました。22家族と支援者が参加。ここで福島の放射線汚染の実態を語ってもらおうと、福島の「市民放射能測定所」理事の阿部宣幸さんを招いて講演してもらいました。ところがそこで語られたのは福島のことだけではなく、汚染が広範囲に広がって、京都にも迫ってきている実情でした。参加者の「西日本は大丈夫」と思っていた意識が覚醒されました。

これを受けて11月23日に、まだ手探りの状態にありながらも、市民測定所キックオフ集会が行われました。福島から簡易測定器を持ってきてもらって測定会を行い、参加者が持参した安売りスーパーから買った鶏肉を計ったところ、1キログラムあたり29ベクレルの放射線が検出されました。「これが決定的でした。それまで目に見えなかった放射能が、測定することで可視化され、分かってしまったという感じがして、みんな、これは測定所を本当に作るしかないとなりました」と奥村さん。こうして市民測定所準備会が設立され、奥森さんが代表になりました。

メンバーは(1月時点で)20代から60代の約20人。うち避難者が4人。奈良や大阪からも参加し、奈良にも測定所を作ろうという動きが生まれているといいます。京都府綾部市、大阪府千早赤阪村、兵庫県西宮市、大阪府北摂でも設立の動きがあり、関西ネットワークも作られつつあります。

測定所はこのような道のりを歩んできましたが、測定器が注文から搬入まで数ヶ月かかるため、まだまだ準備段階でした。ところが3月になって測定器搬入が前倒しで早まりました。嬉しい反面、まだ時間があると思っていた資金集めを急がねば成らず、踏ん張りが必要でしたが、それもなんとかクリアし、ようやく開設一歩前に迫ることができ、4月8日の開設に向けた講演会と、食品測定会を迎えることになりました。

こうした会でお話できることはとても光栄です。当日は、演題の「内部被曝から身体を守るために」というタイトルでお話しますが、僕自身が仙台の二つの測定所に関わってきた経験や、この間、各地で測定所を運営している方々と出会い、見聞きし、僕なりにつかんできた、測定することの意義、課題、展望についてもお話したいと思います。ぜひお近くの方はご参加ください。

市民の力で、放射線から身を守る力強い防護体制を築いていきましょう!

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京都にAT1320A(放射能測定器)がやってくる
ホンマにつくるぞ!市民測定所
-守田敏也さん講演会と測定見学会-

●日時・場所:2012年4月8日(日)9時30分開場
1部守田さん講演会・京都市呉竹文化会館和室10時~12時
(京阪本線・近鉄丹波橋駅「西口」下車すぐ)
http://www.kyoto-ongeibun.jp/kuretake/map.php

2部食品測定会・京都市民放射能測定所12時15分~
(呉竹文化会館から徒歩1分)

●内容:1部測定所開設ジャンプ集会
-内部被曝と市民放射能測定所の役割
(1)報告「京都・市民放射能測定所の開設にむけて」
京都・市民測定所設立委員会から
(2)講演「内部被曝から身体を守るために」
守田敏也さん(フリーライター)
(3)質疑

2部AT1320A による測定見学会
*検体は設立委員会で準備します。

●参加費:500円

●呼びかけ
みなさん。待ちに待った放射能測定器(ATOMTEX 社・AT
1320A)が4月6日に京都にやってきます。
測定技術の取得や測定室の整備、スタッフ拡充を進めながら、5月中にも京都・市民放射能測定所を開設したいと考えています。

そこで、食品による内部被曝の危険性について改めて学習するとともに、食品の放射能測定を実際に体験してもらうためのイベントを計画しました。
あなたも、京都・市民放射能測定所をつくる一人になってください。イベントに参加していただくとともに、開設資金カンパへのご協力、測定所会員になっていただきますよう、お願いします。
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京都・市民測定所設立委員会
〒612-8082 京都市伏見区両替町9丁目254 北川コンサイスビル203号
TEL 090-8232-1664・FAX 0774-21-1798
http://nukecheck.namaste.jp/
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