2013.03.29

明日に向けて(649)福島原発事故で、最低でも1000人以上がすでに亡くなった!

守田です。(20130329 22:00)

最近、福島県や、原爆事故被災地に住む方の、心筋梗塞による突然死の報をよく耳にします。そのたびにご冥福をお祈りしつつ、私たちの心身をより一層の努力で相互に守っていかねばという思いをあらたにしています。
もちろん一つ一つの死の要因は特定しにくいものです。また人が亡くなった時にあれやこれやと推論することに憚られるものもあります。それでも僕はこうして続いている突然死の多くに、原発事故が影響していると思っています。

福島原発事故は、人の命に、いったいどれだけの影響を与えたのでしょうか。被害の全体像は、おそらくこれから数十年をかけて明らかになるのでしょうが、さしあたって出されている数字で僕が着目しているのは、復興庁がとなえている「震災関連死」という概念です。震災で直接亡くなったのではなく、その後の避難生活での体調悪化や過労など、間接的な要因で亡くなったものと定義づけられているものです。
復興庁は2012年9月の時点で、震災関連死数は2303人、うち半数近い1121人を福島県が占めていると発表しています。この数字自身がかなり過小に操作されているという見解もあるようですが、それはともあれ、僕がこの中でも注目したのは、復興庁が、とくに福島では、原子力事故に伴う避難等による影響が大きいと考えられると指摘していることです。
具体的には以下のごとしです。

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「福島県は他県に比べ、震災関連死の死者数が多く、またその内訳は、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が380人と、岩手県、宮城県に比べ多い。これは原子力発電所事故に伴う避難等による影響が大きいと考えられる。

出典「東日本大震災における震災関連死に関する報告」
http://www.reconstruction.go.jp/topics/20120821_shinsaikanrenshihoukoku.pdf

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この報告の詳しい分析は、すでにアップした以下の記事をご覧下さい。

明日に向けて(631)福島で「震災関連死」が増えている・・・心臓を守ろう!(上)
http://toshikyoto.com/press/649

上述の僕の記事の中で、僕はこの「震災関連死」として数え上げられた統計の中に、「原発事故関連死」が含まれていることを指摘したのですが、同様の観点から、東京新聞がこの震災関連死を調査し、その中の「原発関連死」の数を特定する記事を掲載してくれました。
大震災から2年目の3月11日の1面に、「原発関連死789人 避難長期化、ストレス 福島県内本紙集計」というタイトルで載ったものですが、震災関連死のあった関係自治体に取材し、「震災関連死」の中の「原発関連死」の数をきちんと把握しています。社会的な意義の高いいい記事だと思います。
ただし注意が必要なのは、「原発関連死」と考えられる数は記事のタイトルにある789人よりも多いということです。というのはこの数には南相馬市の原発関連死が入っていません。市役所がまだ断定できないでいるからですが、しかし南相馬市の担当者は、同市の震災関連死数は396人で、その大半が原発関連死であると考えられると述べているそうです。したがって「原発関連死」は1000人を大きく超えていることになります。

これは非常に大きな数です。津波被害による「震災関連死」の多くは、自然災害によって引き起こされたものですが、原発関連死の全ては、人災による原発事故が生み出したもの。東京電力によって最低でも1000人以上の人々が亡くなったということです。東電は1000人以上を誤って死に至らしめた罪を徹底的に問われるべきです。
「原発関連死」があった可能性は、復興庁によっても報告書に記載されているわけですから、政府および司法当局は、復興庁の調査に基づく東京新聞のこの指摘を受け止め、即刻、責任者の逮捕・処罰に踏み込むべきです。

原発事故によって、最低で1000人以上の方々が、死を強制されてしまったというこの事実。私たちはこれを重く受け止める必要があります。1000人以上の人々を誤って死に至らしめた企業が、その刑事責任をまったく問われておらず、それどころか当時の社長が何億円もの退職金を手にするなどの法的異常事態が私たちの国を覆っています。
他にも、「飲み食い禁止、睡眠禁止、18歳未満の立ち入り禁止」とされている放射線管理区域に相当する地域に多くの人々が普通に暮らしているなど、現在、私たちの国の法的正義は、ぐちゃぐちゃに壊れてしまっていますが、こうしたことを正すためにも、東京電力のこの大きな罪を追求し続けなければなりません。必ず責任者を処罰しなければいけません。

もちろん、被害はもっと巨大であると僕は考えています。そもそも「原発関連死」は、事故後に強制的避難地区から避難中に亡くなった方からのみ割り出された数で、それ以外の方が対象になっていません。またこれは放射能の被害を推計したものでもありません。その点では、被害のごく一部しかを網羅されてはいないでしょう。
しかも残念ながら、被害はこの先、何年にもわたって続いていきます。その意味で被害は1000人以上にはとどまらないでしょう。もちろん互の心身を守り合って、可能な限りこうした「原発関連死」を減らしたいですが、そのためにも、こうした死が東電によって生み出されていることをはっきりとさせ、責任者の処罰と被害者救済を社会的に進めていくべきです。

亡くなった人を弔い、今を生きる人々を少しでも守るためにも、「福島原発事故で、最低でも1000人以上がすでに亡くなった!」ことをきちんと広めていきましょう。

以下、東京新聞の記事を紹介します。

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原発関連死789人 避難長期化、ストレス 福島県内本紙集計
東京新聞 2013年3月11日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013031102000140.html

東京電力福島第一原発事故に伴う避難やストレスによる体調悪化などで死亡したケースを、本紙が独自に「原発関連死」と定義して、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも七百八十九人に上ることが分かった。死者・行方不明者一万八千五百四十九人を出した東日本大震災から十一日で二年。被災三県のうち福島では、宮城、岩手よりも多くの人が今も亡くなり続けている。原発事故は、収束していない。(飯田孝幸、宮畑譲) 

地震や津波の直接の犠牲者だけでなく、震災や事故後の避難中などに亡くなった人に対し、市町村は「震災関連死」として災害弔慰金(最高五百万円)を給付している。福島では二十二市町村が計千三百三十七人(十日現在)を関連死と認定。二十市町村はこのうちの原発事故に伴う避難者数を把握しており、本紙で「原発関連死」として集計したところ七百八十九人に上った。南相馬市といわき市は把握していない。
南相馬市の担当者は「事故後、市全域に避難指示を出した。震災関連死と認定した三百九十六人の大半は原発避難者とみられる」と話しており、これを合わせると原発関連の死者は千人を超えるとみられる。
二百五十四人が原発関連死だった浪江町では、申請用紙の「死亡の状況」欄に「原子力災害による避難中の死亡」という項目がある。町の担当者は「全員がこの項目にチェックしている。自殺した人もいる」と話す。

震災関連死の認定数は、福島より人口が多い宮城で八百五十六人(八日現在)、岩手が三百六十一人(一月末現在)で、福島が突出している。復興庁は「福島は原発事故に伴う避難による影響が大きい」と分析している。
認定数の多さだけではなく、影響が長期に及んでいるのも福島の特徴だ。震災後一年間の震災関連死の認定数は福島が七百六十一、宮城六百三十六、岩手百九十三。その後の一年の認定数は福島が五百七十六、宮城が二百二十、岩手が百六十八。今も申請は続き「収束が見えない」(浪江町)という状況だ。

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