2013.03.04

明日に向けて(634)福島で「震災関連死」が増えている・・・心臓を守ろう!(下)

守田です。(20130304 17:30)

「明日に向けて」(631)で、福島をはじめ多くのところで心不全などが増えていること、そのため「心臓を守る」ことが大事であることを呼びかけました。今日はこれに基づいて、心臓のケアについて論じていきたいと思います。
心臓の守るために必要なことは、心臓の病のポイントを私たちが把握しておくことです。とくに突然死につながる心臓の病には、多くの場合、それと分かる兆候があると言われています。これを的確に捉えて対処すれば、命を救うことができます。

心臓の病は、「虚血性心疾患」、「脈が乱れる病気」、「先天性の心臓病」、「心筋や心膜・弁膜の病気」、「そのほかの心臓病」の5つに大別されます。ちなみによく使われる「心不全」という言葉は、心臓のポンプ機能がうまく働かなくなった場合の総称で、病名そのものではありません。
この5つの病のうち、「虚血性心疾患」とは、心臓への血の流れが悪くなって発症するもの。「狭心症」と「心筋梗塞」が典型です。狭心症は心臓に血を送っている血管が詰まり気味になって、血液が十分に行き渡らなくなることで生じる病、心筋梗塞はさらに進んで血管が完全に詰まってしまう病で、それぞれ、発作を起こすと胸が締め付けられるような痛みがあります。「胸が痛い」「胸に圧迫感がある」「胸がムカムカしのどが詰まる」などです。
また胸以外も痛む場合があり、特徴として「左肩が痛い」「左腕がしびれる」「背中が痛い」「あごや奥歯が痛い」「腹部が痛い」などの症状がでます。ちなみにアメリカではこれらの症状を見逃してしまうことを「ハリウッド症候群」と呼ぶそうです。映画のシーンから、狭心症や心筋梗塞による発作をもっぱら胸に痛みが走るものと思い込んでしまい、それ以外の症状を見逃してしまうことです。
狭心症は多くの場合、15分ぐらいで発作が収まるとされていますが、心筋梗塞の場合は自然に収まることがなく、そのまま死に直結してしまうケースが圧倒的ですので、一刻も早く病院にいって救命治療を受ける必要があります。一度、壊死した心筋細胞は再生しないので、救命がされても心臓に障がいが残る可能性があり、そのためにも早く血流を再開させる必要があります。

心筋梗塞の場合、発作から6時間以内に治療できれば生存率は90%。そのためこの6時間を治療のゴールデンタイムと呼びます。もちろん6時間以内でも、早ければ早いほど心筋の壊死を防げるので「より早く」が大切です。しかし実際には、心筋梗塞が疑われる発作が起こっているのに、救急車を呼ぶことをためらい、手遅れになってしまうケースが続発しています。
発作を軽視した上に、何かの間違えで救急車を呼んでは申し訳ない、あるいは夜間に救急車を呼ぶと近所に迷惑がかかるなどの意識に支配されて、連絡を怠ってしまうようですが、このため2008年に厚労省が行った全国調査では、発作が疑われたときに救急車を呼ぶ人は日中では12%、夜間や休日でも28%にしかならないのだそうです。
確かに今日、軽症でも救急車を呼ぶケースもあり、社会問題化していますが、心臓の危機が疑われたらそれとこれとは別と考え、積極的に119番に連絡しましょう。

これら「虚血性心疾患」の他にも心不全を引き起こす病はいろいろとあり、総じて次のような兆候を示します。「息苦しい」「息切れがする」「寝ていると息苦しくなるときがある」「カゼもひいていないのに夜中にセキがでる」「だるい、つかれやすい」「足がむくむ」「体重が急に増えた」などです。
足がむくむのは、心臓のポンプ機能に衰えが生じているためで、とくにアキレス腱のあたりがむくみます。より酷い場合にはむくみが全身におよぶこともあります。この他、冷や汗や吐き気を伴い、嘔吐することもあります。
これに対して、心臓の鼓動が不規則になり、脈が乱れる病気=不整脈などが疑われる兆候として「動悸がする」「立っているのがつらい」「脈が乱れる」「ときどき胸がドキンとし、いやな感じがする」「めまいがする」「目の前が暗くなる」「意識を失って倒れる」などがあります。このような時は心臓の診察を受ける必要があります。

このような発作にはいたらなくても、普段から心不全が起こりやすい状態もあります。とくに悪いのは「肥満」「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」でこれらのうちの3つから4つを持っていると、まったく持っていない人にくらべて心臓病になるリスクが30倍もあります。そのため4つが揃うことを「死の四重奏」と呼ぶそうです。この他、最も危険な因子としてあげられのは喫煙です。
「肥満」については、体重(kg)÷身長(m)の二乗で測る「体格指数(BMI)」が指針となります。25以上が肥満の仲間で、国際的には30未満を肥満予備軍、30以上を肥満として注意を促しています。肥満の中で、体型的には目立たなくとも内蔵の周りに脂肪がつく「内臓肥満症候群」=メタボリックシンドロームがより心臓にとって危険なものとしてあげられています。
また心身のさまざまなストレスも心臓にダメージを与えます。ストレスの回避はなかなか難しいことですが、被曝の影響がさまざまに及んでいる今日、ぜひとも低減を心がけたいものです。そのためには、互いに隣人に対して、今までよりも一つ、優しい接し方をすることも大事ではないでしょうか。
これらの他、普段から身体を守るために、よくご飯を噛んでたべて食べ過ぎないこと、野菜などをバランスよくとること、喫煙をしないこと、早寝早起きを心がけること、適度な運動をすることなどで体調を整え、心臓を守り合っていくことが大切だと思います。

以上、短い時間で読める範囲で心臓を守る初歩的な知識を書き並べてみました。ぜひ、もう一歩進み、手元に一冊は心臓に関する書物をおいて、折に触れて見るようにしてください。

なお心臓の病に関する記述は、以下の書物を参考にしましたのでご紹介しておきます。
『最新医学がとことんわかる 心臓病 狭心症・心筋梗塞・不整脈・その他の心疾患』[監修]東京都再生会中央病院心臓病臨床研究センター長 三田村秀雄 PHP
『あなたの医学書 心臓病 名医の言葉で病気を治す』順天堂大学教授 天野篤 誠文堂新光社
『世界で一番やさしい心筋梗塞』帝京大学医学部附属病院循環器センター長 一色高明 X-Knowledge

またネットに上がっているすぐに観れるビデオクリップも幾つか探しておきましたので参考にしてください。

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心筋梗塞(岡村高雄医師)
http://www.youtube.com/watch?v=YaBCnEraiMo

心筋梗塞(ドクター吉田)
http://www.youtube.com/watch?v=WWt6NJIwN7A

心筋梗塞(室原豊明先生)
https://www.youtube.com/watch?v=CaIecFDchFs

2つの狭心症(ドクター吉田)
http://www.youtube.com/watch?v=BLKFkD4jpCs

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以上、心臓のケアについてまとめましたが、もともと心臓病は私たちの周りに、ある意味ではポピュラーにあるものであり、上述の知識はその意味でもできるだけたくさんの人とシェアしておくことで、私たち全体の安全性が高まるものです。そうした観点からも、ぜひ周りの方に伝えていただきたいです。
さらに私たちの周りにはたくさんの放射性物質が存在していて、私たちを被曝させています。どのような病も実際にかかる時は複合的な要因によるもの。インフルエンザとて、疲れから免疫力が落ちているときなどにかかりやすいわけです。
同じように、放射線被曝は、私たちにすでに様々に働いているストレスを上乗せするように働いてくると考え、対処をしていったほうが断然良い。どうか放射線の恐ろしさを軽視せず、身体を守ることに真剣に取り組んで欲しいと思います。

もう一点。最近の中国から飛来している超微粒子、PM2.5も、肺から血液に取り込まれ、心臓に達して心筋梗塞を起こしうることがアメリカなどで実証されています。そのためPM2.5も要注意です。ちなみにPM2.5はけしてすべてが中国由来ではありません。日本でも明らかに都市部が多くなっており、日本の中の工場や車の排気も原因物質になっています。
さらに関東・東北では、放射性物質の焼却が繰り返し行われており、それも微粒子の中に入り込んでいます。大阪でも焼却によりすでに深刻な影響が出始めています。これらも心臓に大変悪く働きます。
これらさまざまなものがミックスした大気汚染は、西日本を中心にすでにかなりの健康被害をもたらしています。しかもこれから黄砂がひどくなり、同時に花粉も飛びます。PM2.5はそれらに付着しやすいので本当に要注意です。外出のときはマスク必携、肌の露出も避けてください。(微粒子は肌からもどんどん吸収されます)外出のあとのうがい・手洗いもこまめに励行してください。
こうした大気汚染による様々な症状に対して、東洋医たちは「銀翹散(ぎんぎょうさん)」という漢方薬が効果をあらわしていると語っています。信頼する漢方薬局さんからは、「銀翹解毒丸(JPS製薬)」という製品が薬効が高いと勧められました。僕も服用しています。ぜひお近くの漢方薬局さんにご相談ください。

ちなみに東洋医学を支える哲学の陰陽五行論に基づいても、今年は火星が地球から遠ざかっており、運気として心臓(火)が弱まる傾向にあるので、虚血性心疾患になりやすいのだそうです。陰陽五行論は長い歴史をもった哲学であり、そのもとに成り立つ東洋医学は、中国のサーズ対策などでもかなりの効果をもたらしました。
今も中国で見直しの機運が高まっており、そのため、日本で漢方薬の原料の一部が手に入りにくくもなっているそうです。韓国ドラマの『チャングムの誓い』も陰陽五行論に基づいた中国古代の医学書『黄帝内経』などに基づいて作られた番組で、東洋医学の再評価に大きく貢献をしたそうです。
東洋医学の西洋医学との大きな違いは、「未病」、つまり病が発症しないようにすることを重要視していることです。身体の中に取り込んでしまった放射能が、いかなる害を及ぼすかを心配するよりも、積極的に東洋医学の知恵を応用して、病の発症を抑え込むことを目指しましょう。
ともあれ心臓の病は死に直結してしまうので、何にもまして注意を払って欲しいと思います。他の病の可能性を軽視しているわけではまったくありませんが、あまりに「心不全による突然死」の情報をよく耳にするので、取り急ぎ、心臓を守る知識のエッセンスをまとめました。

最後に、二本松の方が亡くなったことを報じた毎日新聞の記事と、「震災関連死」に関する福島民友の記事を紹介しておきます。

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福島第1原発事故 仮設1人暮らし、50代男性が病死??福島・二本松
毎日新聞 2013年02月19日 東京夕刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130219dde041040064000c.html

東京電力福島第1原発事故で、福島県二本松市の仮設住宅に避難していた同県浪江町の1人暮らしの50代男性が病死していたことが19日、分かった。仮設住宅の自治会関係者が死亡直後に見つけた。
1人暮らしの被災者が誰にもみとられず死亡する「孤独死」の防止は、被災地の課題になっており、同町生活支援課は「1人暮らしの避難者への目配りはしてきただけにショックだ」としている。
町などによると、16日午前9時15分ごろ、仮設住宅の自治会関係者が見回り活動で男性方を訪問したところ、応答がなかった。バールを使って解錠し、室内に入ると、男性が布団の中で死亡しているのが見つかった。死亡推定時刻は同日午前8時ごろで、死因は心筋梗塞(こうそく)とみられるという。
男性は元原発作業員で、仮設住宅の集会にもよく参加。最近ひきこもりがちで、自治会などが頻繁に訪問し、注意していたという。
約240世帯が入居する同仮設住宅の3分の1が独居世帯。町は1人暮らしの避難者の見回り・連絡態勢を強化するなどの対策を検討する。【深津誠】

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原発関連死、3月末にまとめ 根本復興相が示す
福島民報2月23日(土)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/02/post_6142.html

東日本大震災、東京電力福島第一原発事故による長期避難に伴う本県の震災関連死をめぐり国の検証・対策の公表が遅れている問題で、根本匠復興相(衆院本県2区)は2日、1年以上経過して関連死した人の詳細な状況を分析した上で、今後の長期避難による関連死防止対策を3月末までに公表する考えを示した。
根本氏が福島復興再生総局で、記者団に明らかにした。根本氏は「福島の震災、原発の状況がさまざまに影響していると考えられる。対応の方策を今年度内に作り、関連死対策を進めていきたい」と述べた。
震災から1年以上経過して死亡した人は昨年9月末時点で全国で40人おり、本県が35人を占めた。ほとんどが避難区域からの避難住民で、原発事故に関連し死亡したとみられる。復興庁は原発事故による長期避難が影響しているとみて、平野達男前復興相が早急に検証・対策に取り組む考えを示していたが、今も公表には至っていない。同庁は現在、35人について市町村や医療機関から聞き取り調査を実施しており、分析を急いでいる。
県内の震災関連死認定者は昨年9月末時点で1121人で全国で最多となっている。

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