2013.01.10

明日に向けて(609)京都市左京区(13日)、愛知県蒲郡市(19日)、兵庫県加古川市(26日)でお話します。

守田です。(20130110 23:00)

今後の講演予定についてお知らせします。
まずすでにお伝えした内容ですが、13日日曜日に、京都市岩倉のNONベクレル食堂オーナーの廣海緑朗(ヒロミロクロー)さんと対談します。
会場は食堂ではなく、京都市左京区西部いきいき市民活動センターです!お間違えなく。

NONベクレル食堂の紹介や、ロクローさんと僕の馴れ初め?について、以下の記事で紹介済みですのでご覧ください。

明日に向けて(605)NONベクレル食堂オーナー、ロクローさんと対談します!(1月13日)
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f9b93dc49458cac2b23a98f96df91d5a

この日は食べ物のことが課題になりますが、僕自身としては、放射能の問題だけでなく、もう少し広く、今、何をどう食べるべきか、何を選択すべきかについてもお話したいと思っています。
というのは最近、大槌町の仮設住宅を訪れた時に、震災後に10キロ、20キロと太ってしまった方が何人かおられてとても気になりました。みなさん、ご自分のせいだと思っておられますがけしてそうではありません。避難生活で強いられている食事の構造に問題があるのです。こうしたことへの認識を広めたいと思うのです。
今や誰もが太り過ぎは体に良くないことを知っています。太り過ぎは「生活習慣病」に直結していると言われている。メタボリックシンドロームなどという言葉も使われ、それでダイエット関連グッズが売れ続けています。でもなぜ売れ続けているのかというと、それでも多くの人々が太り続けているからです。

では何に問題があるのか。まずは「生活習慣病」という言葉が良くない!これはかつては「成人病」と呼ばれていたものです。それが「生活習慣病」に替えられたのは、医療や福祉の予算を政府が削り出し、「自己責任」という言葉が強調されだしてからです。
つまり「生活習慣病」とうい言葉には、「あなたの生活習慣が良くない。あなたの自己責任が肥満を呼んでいる」という含みがあります。しかし太ってしまうのは往々にして個人の責任とは言えません。社会構造が大きく関わっているのです。

それを如実に示すデータに、『「図表でみる世界の保健医療(OECDインディケータ)』という良書があります。その2007年版には、世界の肥満についてでのデータが載せられています。そこに体格指数(BMI)というものが出てきます。体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数値で、25~30が肥満予備群、30以上が肥満とされます。
それがOECD参加国の国民の中でどのような割合になっているのか、2005年を軸とするの表が出ているのですが、OECDの平均は14.6%となっています。私たちの国はどうかというと、実はダントツのスリム国でわずか3%。最も少ない国になっています。2位は韓国で3.5%。3位のスイスが7.7%です。
では最も太っている国はどこか。アメリカです。なんと国民の32.2%、3人に1人が肥満なのです。その次はどこかというと、ちょっと以外にも思えるのですがメキシコで30.2%です。下から3番目はイギリスで23.0%。なのでアメリカとメキシコの肥満は突出していることがわかります。

ここから何が見えてくることは何か。一つには、人々が太っているか否かは、その社会の食生活のあり方に大きく依存しているということです。端的に言って、アメリカ的な生活では人は太ってしまうのです。なにせ3割の人が肥満なのですから。これはすべての年齢層を対象にしたものですから、年齢を上げればこの数値は当然より高くなっていきます。
さらに非常に特徴的なこととしてあるのは、肥満国の2番目に、OECDの中でけして豊かな国とは言えないメキシコが入っていることです。なぜか。ここに現れていることは、1992年に結ばれたNAFTA(北米自由貿易協定)によって、メキシコにアメリカ的な食生活がどっと入り込んできて、この結果が生み出されているということです。
ちなみにNAFTAのもうひとつの締結国カナダを見ても、肥満率は下から9番目。OECD平均を上回る18.0%となっています。

それではアメリカ的な食事は何が悪いのでしょうか。一つには脂質が非常に多いことです。これもアメリカ人が肉が好きだからというのではありません。第二次世界大戦後にアメリカで急成長した食肉産業の戦略によって、肉をたくさん消費する食文化が作られてきたことの結果なのです。これと並んで砂糖を多く使う加工食品も多くなった。それらが必然的に太ってしまう食生活を構成しているのです。
そのためこうした社会では、生活スタイルの軸に置かれている食材の多くが、脂肪や糖分過多で、太りやすくなっていることを知り、食生活を大きく転換していかないと、どんどん太っていくサイクルから脱出できません。そのことを認識せず、太るのは自分の食欲のせいだと考えてダイエットを試みても、多くの場合、リバウンドでさらに太ってしまうばかりです。

さてこのことを踏まえて、では私たちの国はなぜもっともスリムなのかを考えたときに、大きく言えることは伝統的な和食文化が広く社会に浸透し、海の幸、山の幸を利用した食生活が強固にあるために、食の西欧化・・・というより近代化の波に飲み込まれず、脂肪や糖分過多の食生活への移行に歯止めがかかってきたからだと僕は分析しています。
ただしそれはファーストフードの広がりとともにどんどん壊れ出しています。このため最も太りやすくなってしまっているのは、長くアメリカの占領を受けて、アメリカ的食生活が流入してた沖縄ですが、それ以外の地域でも、年齢が低くなるほど肥満の傾向が強まりだしています。今や小学校の児童では肥満率は10%にもなっています。

これに対して海の幸が豊富な三陸海岸は、理想的な食材がたくさんあったのですが、大震災での避難生活によって、その良い食事の構造が壊れてしまっています。漁業が壊滅的な打撃を受け、豊富な海の幸の供給が大きく制限されてしまいました。しかも家や商店の多くも流されてしまい、これまでのようにそれぞれの家庭で自由に調理することができにくくなっています。
もちろんご家族や、知り合いを失った悲しさから、調理をする気力が沸かないという例もあるでしょう。そうなると食生活は、調理の容易な肉類や、加工食品に偏らざるを得ません。そのため避難生活は、運動不足になりがちなことも含めて、肥満と結びつきやすいのです。
従って、被災地域にはぜひとも食事の面からのフォローがなされる必要があります。このことを医療関係者のみなさんにも訴え、何らかのムーブメントを起こさねばと思います。

同時に同じように、この放射能時代、少しでも食べ物のリスクを減らしたいこれからの生活においては、現代の食生活、とくにアグリビジネスなどのもとで、食べ物が商品化されている現状ではどのような問題があるのかということの認識をできるだけ深め、広げていくことがとても重要だと思うのです。
そのためには、近代社会の中で食文化がどのように変化してきたのか。とくに食べ物が、いつから、どのように「食品」という商品=利潤の対象になったのか。そのもとでどのような矛盾が作り出されてきたのかを知る必要があります。
僕自身、まだまだその端緒を学んでいるに過ぎないのですが、幸いにも、身近にこの道を極めている友人(平賀緑さん)がいるので、彼女からもいろいろなことを学びつつ、この問題を掘り下げていかねばと思っています。ちなみに平賀さんは、ここ20年ぐらい、植物油脂の生産・供給がどんどん拡大しており、そのことで新たな肥満構造が生まれて世界的に蔓延しつつあることを指摘されています。
この内容の紹介については、機会を改たにしたいと思いますが、ともあれ食べ物に関する知恵を、単に栄養学の視点だけでなく、歴史的構造的かつ産業的に分析していくことが問われています。

13日のロクローさんとの対談でも、それ以降の講演でも、内部被曝の危険性の認識とともに、ではどうしたらこの危機を超えていけるのかの一つとして、食べ物に関する認識を大きく変えていくこと、その入口のお話もしていきたいと思います。
それぞれの会場のお近くのみなさん。どうかお越しください!以下、企画案内を貼り付けておきます。

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1月13日 京都市左京区

内部被曝を生き抜くために 今、知っておきたいこととこれからのこと・・・
-食べ物 どう選べばいいの??-
”脱原発””原発ゼロ”実現のためにできることからはじめようpart3

ロクロー
『気づいてないふりして、今まで通りの日常を送る程、オレの神経は丈夫じゃないし、かと言って、出来る事ってこれっぽっちしか無いけれど、全力でやっていかないと自分の子どもたちが生き残れるか分からないよね!?』

守田敏也(MORITA Toshiya)×廣海緑朗(HIROMI Rokuro)

守田敏也
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。
著作『内部被曝』(矢ヶ﨑克馬氏との共著、岩波ブックレット)があり、雑誌『世界』などで、肥田舜太郎医師へのインタビューを行ったり、福島第一原発事故での市民の取り組みや内部被曝問題についての取材報告など、広くネットで情報を発信し、全国で講演を続けている。被災地の人々を支えることとは・・・

廣海緑朗
NONベクレル食堂オーナー
岩倉に、料理、飲み物すべてを放射線測定器で測定した安全な食材を使う定食屋を2012年10月にオープン

日時:1月13日(日)14:00~16:00
場所:京都市左京区西部いきいき市民活動センター
(左京区田中玄京町149 TEL075(791)1836)
京阪電車出町柳駅から徒歩7分 養生保育所となり
参加費:500円

主催:”刷新の会”養徳連絡会 養徳九条の会 ハリーナ9条の会
お問い合わせ:キッチンハリーナ 075(724)3568

保育ご希望の方はご相談ください。09099939447(ハリーナ)

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1月19日 愛知県蒲郡市

内部被曝から子どもたちを守るために

2011年3月11日の東日本大震災から一年半の時が流れました。一年半の時を経て、マスメディアでは震災関連の報道は極端に減りましたが、被災された方々の痛みと悲しみと不安は、今現在でも全く減ったわけではありません。むしろ今に至って、「放射能」の脅威によって、人と人の間柄が分断され、家族が分解させられ、地域の暮らしが崩壊してしまったという現状の声が上げられています。
そしてあと三年もすると新たな脅威が私たちの暮らしの上にも実感を伴った現実の問題として起こってくると言われています。それは「内部被曝」の問題です。広島・長崎の原爆投下の五年後に小児の癌の発症率が突然三倍に跳ね上がり、核実験・水爆実験が行われた五年後に必ず癌発症率が跳ね上がったということです。放射能の問題は収束しているのではありません。実はこれから始まろうとしているのです。
この度、フリーライターの守田敏也氏を講師にお迎えして、これから私たちがこの被災した時代を生きてゆくにあたり、「放射能・内部被曝」についての本当のとらえ方を教えていただこうと、学習会を企画いたしました。

「チェルノブイリ事故の後でも、食事などに気をつかい、内部被曝を避けようと努力した人やその家族と、安全を確保することをあきらめてしまい、あるいは内部被曝隠しに騙されてしまって何もしなかった人々とでは、その後の被曝量に数倍の開きが出たと聞いています。」(『内部被曝』岩波ブックレット)

と守田氏は語られます。子を持つ親世代の方々にも是非、関心を持って学んでいただきたい内容です。会費は無料です。どうぞ奮ってお誘いあわせの上、ご参加ください。

「放射能・内部被曝」の学習会

日時:2013年1月19日(土)14時~16時ごろ
場所:真宗大谷派専覚寺本堂(蒲郡市役所北)
   御幸町5-37 電話0533-68-5577

参加料:無料
講師:守田敏也氏

主催:真宗大谷派蒲郡市内寺院

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1月26日 兵庫県加古川市

「放射線被曝の恐ろしさとは?」-内部被曝の真実・・・子どもたちを守るために-

「内部被曝」という本を岩波書店から矢ヶ﨑克馬さんと共著されている守田敏也さんを加古川に招いての講演会を開催します。

と き:2013年1月26日(土)14時から
ところ:県総合庁舎1F講座研修室
主 催:脱原発はりまアクションの会

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