2012.06.24

明日に向けて(495)電気使用を減らして暮らしを良くしよう!(適電運動のススメ)

守田です。(20120624 11:30)

連日講演の旅をしています。おとといから昨日にかけては、映画「チェルノブイリ・ハート」上映会のミニ講演で篠山市と丹波市を訪れ、その後、舞鶴にいって社会保障推進協議会の方たちの総会に出席し、記念講演をさせていただきました。またその後に、舞鶴などを中心に活動をしている「復興ミーティング」の方たちの「オープンな密議」の場に招かれ、舞鶴での震災遺物受け入れと焼却をいかに食い止めるのかの討論にも参加させていただきました。

二日間で4つの企画に参加しましたが、どこでもとてもたくさんの人と新たに出会い、たくさんのことを学びました。それらを発信することがとてもおいつかないのがもどかしいです。ともあれ篠山・丹波・舞鶴で出迎えてくださったみなさまにお礼を申し上げます。今日はこれから三重県四日市市に向かいます。当日のお知らせになってしまいますが、講演会は夜にありますので、案内を末尾に貼り付けておきます。

さてこの旅の途中に、首相官邸前45000人デモがありました。さっそく翌朝、写真をダウンロードし、丹波市と舞鶴市の講演では、みなさんにスライドショーでお見せすることができましたが、同時にこれに即して、交流会などで話たことを移動中の電車の中でまとめました。タイトルに書いたように、「適電運動のススメ」です。以下、お読みください。

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電気使用を減らして暮らしを良くしよう!(適電運動のススメ)

大飯原発再稼動に際して、「節電」が叫ばれています。まず「節電」を叫んでいるのは再稼動をしようとする側。「電力が足りなくなる」とアピールしたいわけです。これに対して、電気なんて減ったっていい、危険な原発をなくそうと、市民サイドから「節電」を訴える声も聞こえます。その考えに僕も賛成ですが、しかしその場合、「節電」と言わなくても良いのではないか。あえて言うなら「適電」が良いのではないかと思います。

なぜかと言えば、今の私たちの社会は、猛烈な電気過剰使用社会だからです。だから求められるのは「節約」ではなく、電気使用の適切化、「適電」です。ではどういうところから適度にしていけばいいのか。僕は夜の電気使用を大幅に控えていくこと、また自動販売機の使用を販売サイドに控えていただくのが合理的だと思います。なぜか。夜は暗くないといけないからです。生物にとって、眠ることのできない夜ほど、過酷なものはないからです。

この点で、僕は例えばセブンイレブンは、この際、セブンイレブンに戻っていただくと良いのではと思います。正確にはセブンイレブンは今ではセブンアイに変わりましたね。セブンイレブンではなくなってしまったからですね。もともとは朝7時に開店し、午後11時に閉めるというスタンスで開業した。それが当時、もっと遅く店を開けて、早く店じまいしていた小売店の常識を大きく打ち破る行為だった。それでこの名前がつけられたわけです。

しかしそのことによって、町が非常に明るくなってしまった。しかもこれに自動販売機の灯りも加わります。町は常に夜中でも煌々としている。そのために人も動物も、昆虫も、植物もなかなか寝ることができない。睡眠という、私たち、多くの生物に備わった、もっとも大事な自己回復機能、免疫機能が著しく阻害される事態が続いているわけです。

多くの生物は光周性というものを持っています。日中の光の長短で、季節の移り変わりを悟り、それにあわせて体調を変えていくのです。動物の場合は、冬眠に代表されるような休眠活動をはじめ、生殖腺の発達や、毛変わりなども、光の長短によって調整しています。

植物でも花芽の形成、塊根・塊茎の形成、落葉、休眠などが光を媒介に行われています。正確には温度を媒介するものと光を媒介するものと、いろいろな種類(戦略)がありますが、ともあれ光の作用は非常に大きなものがあります。

こうした光周性には一年を通したものと、一日を単位としたものとの双方がある。例えば夕方にねむの木をご覧になったことはないでしょうか。日中はぴんとはっていた葉が閉じていくのを見ることができます。同じような習性は多くの葉でみることができる。さんさんと日がさしているときは、光合成のために葉をピンと張る必要があるけれども、日が暮れてしまったら、そんなことにエネルギーを使うのはもったいないので、葉を閉じ、休眠して、休息をとるのですね。だからそんな植物たちにとっても、夜に寝れないのはつらいことなのです。

動物の場合も同じで、光を浴びること、浴びないことはとても大事なのです。これが私たちのいわゆる体内時計をつかさどるからです。光を浴びると私たちは活性化し、光が弱くなると休息モードに入っていく。それが私たち人間が非常に長い間、生物として培ってきたメカニズムなのです。

ところが電気によって、私たちは自らそのシステムを著しく壊してしまっている。先にも述べたように、光は私たち生物にとってエネルギーの源としてとても大事なものなので、私たちは光を見ると活性化するように自らを作っています。そのため光に吸い寄せられる性質を持っています。「飛んで火に入る夏の虫」という句がありますが、飛んで火に入りやすいのは、何も虫だけなのではない。実は私たち人間もそうした性質を持っているのです。

実は多くのコンビニエンスストアはこのことをしっかりと認識して、非常に高いルックスでお店を煌々と照らしてきたのです。それで夜中に町を歩いていると遠くに明るい光が見えてくる。そうすると、ついつい引き寄せられる習性が私たちにはあるのですが、これに思い当たることはないでしょうか。コンビニの中には「街のホットステーション」というキャッチを使っているところもありますが、確かに暗い中で光を見るとホッとする面があります。それやこれやで私たちはコンビニに吸い寄せられやすい。

しかし繰り返し見てきたように、それで町が眠らない。動物が眠れない。昆虫や植物も眠れない。ときに夏になると、一晩中、コンビニの前でせみや鳥が鳴いていたりする。それが生態系にとっていいはずがないのです。そしてそれらが私たちの体内時計のリセット機構を狂わし、睡眠障害としての「リズム障害」を作り出し、睡眠による休息と回復という非常に重要な機構を壊してしまっています。僕はこれもまた昨今の「ウツ」の増加の一要因になっていると思います。

これらを考えるときに、セブンイレブンならぬセブンアイに、先頭をきって、せめてセブンイレブンに戻っていただくのが良いのではないでしょうか。夜間営業を停止したコンビニに拍手を送り、それでみんな夜はしっかりと寝て、昼に売買を行えばいいのです。

話が見えやすいので、ここではコンビニだけを取り上げましたが、実はこうした深夜営業の延長、昼夜化も原発とくっついていることなのです。なぜなら原発はいったん動かすと出力の上げ下げが非常に難しい。昼間は多くの人が電気を使うからいいのですが、夜は例えば電車もとまってしまうし、電気需要が大きく減ってしまう。そのために夜に揚水発電所でわざわざ水を高いところにくみあげて電気を「貯める」ことを行っているわけですが、それでも夜中に電気ができすぎてしまうので、電力会社としてはなんとか夜に電気を使わせたいわけです。

それで考えついたのが、夜の電気を安くすることです。夜により電気を使うように誘導しているわけです。そのためコンビニだけでなく、工場の昼夜運転など、夜に稼動する設備が増えてしまった。そこで働く人が、夜中にコンビニを利用する例もあります。それやこれや実はおおもとで電力会社が、夜の電気を安く売っていることに、眠らない町の出現の根拠があるのです。

そうであるならば、まず夜の電気を安くするのをやめて、昼の電気代を減らすべきなのです。平均化すればよい。いやむしろ、暗い夜の絶対的重要性を考えるならば、つまり生態系=私たちの体を考えるならば、夜の電気代を高くしてもいいぐらいです。もちろんその分、昼間の代金を減らすのです。そうすればコンビニも含めて昼夜営業は少なくなっていくでしょう。結果として多くの人がぐっすり眠れるようになります。

さらにこれに自動販売機の夜間使用停止も加えましょう。そんなもの、昼のうちに買っておけばいいのです。いやさらに言えば、真夏の炎天下に、鉄の箱に入れたジュースを冷やすことのあまりの不合理に私たちは気がつくべきです。あの箱を商店の中にいれただけで、エネルギー効率はぐっと良くなります。真冬に誰も飲まないコーヒーを一晩中加熱していることも不合理です。これらを世のため、人のためにやめていただきましょう。

そう考えるならば、電気使用を少なくすることで、私たちの暮らしはむしろよくなります。そうした観点から、私たちの社会的生活全体を見直していけば、もっといろいろな面で、過剰に使われて、私たちの生活を悪くしている電気使用をとめることができると思います。

なので僕は「電気使用を減らして暮らしをよくしよう!」というスローガンを提唱します。電気使用を適切化する「適電運動」を一緒にススメましょう!!

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三重県四日市市 6月24日

東日本大震災の被災から遠く離れている三重県。
放射能汚染とも全く関係ないと思って暮らしている人がほとんどです。
そこで放射能について学ぶ講演会を企画しました。
瓦礫のことや放射能に関する知識を得た上で三重県の未来を考えましょう。

〈講演会〉まずは知らなきゃね!~放射能から身を守るには~
〈日時〉平成24年6月24日 午後7時より
〈場所〉四日市市文化会館第3ホール
〈講師〉フリーライター 守田敏也氏

同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、社会的共通資本に関する研究を進めている。311以降は原発事故問題をおいかけている。各地で講演を行いつつ、放射線被曝の恐ろしさを明らかにし、防護を訴えている。被災地に自転車を送るプロジェクトを担いつつ、三陸海岸の各都市を訪問・取材し、その現状を広く伝え続けてきた。10月からは福島における放射線除染プロジェクトにも参加。2012年3月に物理学者の矢ヶ﨑克馬氏とともに岩波ブックレットから『内部被曝』を上梓。

〈主催〉一般財団法人 ハハプロジェクト
人と人がつながり、大きな笑顔になれる商品とサービスを通じて、年齢性別人種を問わず誰もが参加できるプロジェクトを企画し公益化する一般財団法人で、おもにイベントの企画・運営、様々なカルチャー、寄付活動などを行っている。

お問合わせ先 一般財団法人 ハハプロジェクト
四日市市鵜の森1-15-9-3F
TEL 059-350-6788 FAX 059-350-6789

チラシが以下から見れます。
http://www.haha-project.com/88events/88pro_jun/2012_06_24l.jpg

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