2017.10.10

明日に向けて(1430)絵本の世界のような柔らかく温かい心でこの選挙にのぞみたい!(市居みかさんの五山賞受賞のお祝い会に参加して)

守田です(20171010 23:30)

本日10日、いよいよ衆議院選挙戦がスタートしました。
この選挙は、森友・加計疑獄への追及を逃れるため、国会を開けなくなっていた安倍首相が、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射を利用して強行した「解散」によって成り立ったものです。
一方、電撃的に「希望の党」を立ち上げた小池さんと、民進党の解党、合流を進めた前原さんは、なんともえぐい形で民進党の人々を騙し、「踏み絵」まで行って、保守第二党への純化を目指しました。あまりにひどい政権とりのゲーム化です。
人々のことなどそっちのけで、こんなひどい政治劇を繰り広げる国会議員たち、政治家たちにこれ以上この国を任せていてはいけない。下からの改革が必要です。その点で今回の選挙では僕は下からの改革と唯一結びついている第三極、社民、立憲民主、共産、新社会、緑、そして市民連合を応援します。

ただ僕自身はこの選挙戦に突入する前に、いったん自分の心を浄化させる必要も感じました。安倍さん、小池さん、前原さんに、腹が立って、腹が立って、心がとげとげしてもしまったからです。
それであえて選挙戦初日の今日、絵本のお話、市居みかさんのお話をしたいと思います。

市居さんは信楽在住の絵本作家さんで、紙芝居も描いていて、内村麟太郎さんのお話に絵を付けられたのですが、これがなんとこのたび、見事に「五山賞」に輝いたのです。「教育紙芝居の生みの親」と呼ばれる高橋五山さんにちなんだ紙芝居界の芥川賞とも言われる賞なのだそうです。
この快挙を祝って、昨日、滋賀県近江八幡市のティースペース茶楽に市居さんの友人・知人が集まってお祝いの席が設けられました。僕も嬉しくて駆けつけました。
以下に昨日のイベントを案内したこの紙芝居の出版元の童心社のホームページをご紹介します。受賞作の表紙も見るができます。
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=1173

今回のイベントを取り仕切っていたのは、近江兄弟社小学校の先生でもある「とりいしんぺい」さんでした。
この日の会合、とりいさんの「前座」の歌で始まり、いつも市居さんと一緒に音楽活動もしているお連れ合いの宮本さん、友人の畑佐さんとのバンド、ビスタリの演奏もありと楽しく進んでいきました。
続いて市居さんが登場、絵本『臍の穴』の音楽を交えた読み聞かせが披露され、さらに受賞作の紙芝居、『おひるねですよ』の朗読が行われました。
楽しかった。むちゃくちゃに楽しいひと時でした。僕は花束を持っていたので良いタイミングで渡そうと一番前に座っていたのですが、紙芝居の時はその前に並んだちびっこたちの視線と合体してしまい、なんだか子どものように見入ってしまいました。

その後、市居さんへのとりいさんによる受賞インタビューがあり、さらに再び素敵な歌が披露されてから、お祝いの言葉のコーナーになり、なんととりいさんに真っ先に指名されたのが僕だったのでした!
ビックリした!でも市居さんの絵を見て、朗読を聞いて、紙芝居を見て、なんだか心の中にポカポカと湧き上がってくるものがあったので、それが口の先から割とスムーズに出てきてくれました。

僕が語ったのは、僕はともあれ市居さんにお祝いがしたくてやってきたのですが、作品を見ていたらなんだか心が柔らかくなってきて、反対に「あ、俺はだいぶんとトゲトゲしていたんだな」と思わされたことでした。
なんだかそんな状態からの心の浄化のために、僕は知らず知らずここに引き寄せられたのかなと、そんな風に思えたと語りました。
市居ワールドには独特の温かさがあります。ホンワカもしているのだけれど、なんとも言えないドーン!という迫力もある。それを見ると、心が楽しく愉快になるのです。わっはっはと笑いたくなるような。

そうなんだよな。トゲトゲしているよりこっちがいいよなあ。こういう楽しさが好きなんだよなあ。こういう楽しさに浸っているときの自分が安心できるのだよなあと、そんな気がしてそのことを語りました。
そんな市居さんの世界に紙芝居の最高賞が授与される日本の文化力っていいですねとも話しました。

政治の世界は・・・少なくとも目の前で展開されている政治の世界は・・・汚い! 嘘、騙し、裏切りが蔓延し、そして「それが政治というものだよ」とか「政治はブラックボックスだから」などとも言われる。
本当でしょうか。それでいいのでしょうか。僕にはそんなことしか言えない人物たちの方がスケールが小さいように思えるのです。

例えば僕が尊敬する大政治家であるゲバラやカストロには、嘘、騙し、裏切りなんてありませんでした。いや少しぐらいはあったのかもしれないけれど、もっと熱いもの、温かいもの、愛らしもの、そしてロマンが溢れていました。
いやそんな遠くの話を持ち出さずとも、例えば芸能界から国会に飛び込んで大奮闘を続けている山本太郎さんも、嘘、騙し、裏切りなんかではなくて、もっと誠実で、一生懸命で、ひたむきなものを全面化させて頑張ってくれています。
そういう政治だってあると僕は強く思うのです。というよりもそれでなければ本当に社会をよくしたり、困っている人を助けたりすることなんてできないと思うのです。

だから僕は、僕の「政治」の根本に、温かさや柔らかさ優しさ、そしてそれらに裏打ちされた強さをおいていきたい、それを守り、育んでいきたいと思うのですね。
そういうと「青臭い」とか言われそうですが、僕はそんな風には思いません。真っ当な温かい気持ちを持って成熟すること、熟成することは絶対に可能なのです。
市居さんの世界は、僕にそんな大事なものを思い出させてくれます。なんというか「こういうものに感動している自分っていいな」と感じさせてくれるというか。自分の感動力を再認識させてくれるというか。
そして多分、多くの人がそんな風に感じるのではないでしょうか。だから心がポカポカしてくる。ポカポカさせられる自分の力を思い出させてくれる。そんなところが素晴らしいと思うのです。

もう一つ、僕が語ったのは、昨日、お祝いの会が行われた茶楽が、僕にとって、とりいさんや市居さんとの初めての出会いの場でもあるということでした。
というのは今から12年前、2004年から2005年まで、僕は一時期滋賀県で立ち上った県紙、「みんなの滋賀新聞」編集局にいて、滋賀県内を取材で走り回っていたのでした。
そのときに出合ったのが、能登川図書館のカリスマ館長才津原さんで、彼から紹介されたのが、とりいしんぺいさんが能登川図書館と茶楽で開催していた大人のための絵本の読み聞かせ会なのでした。
これもとても面白かったのですが、この会に参加されていたのが、市居さんと宮本さんだったのでした。

その市居さんと僕は2011年4月、福島原発事故後に再会することになりました。このとき僕は大阪で行われた脱原発集会・デモに参加したのですが、カメラをもって沿道を歩いていた僕に小学生の女の子が「はい!」と笑って一枚のチラシをくれたのです。
「まずは知らなきゃね」というタイトルものので、ねこちゃんがテレビを見ていると「日本の原発は安全です!人体にただちに影響はありません」とテレビの中の人が語ってる。(あ、これ枝野さんでしたね!)
ねこちゃんがせんべいを食べながら「ふーん、そうなんだ」とか語っていると、くまさんが「ちょっとまったー」「それはちがうんだよ!」とドーンと出てくる。
それで「こっちこっち まずは知らなきゃね」とねこちゃんを誘って、原発の「ほんと」を語りだすのです。

ぜひ以下からこのチラシをご覧ください!
https://drive.google.com/file/d/1n4BN-8yTV5-BqPLEixco6GMXyRBn1Hz1NF8pdV_ibNfW20AATCj_rShSINd8/view

「うわ、これは福島原発事故以降のベストチラシだ!」と思った僕は大事に持ち帰ってじゃんじゃかコピーしてあちこちで配り出したのですが、よく見ると「文・玉崎洋子 イラスト・市居みか」と書いてある。
「あ、あの市居さんだ!」と気づき、それからしばらくして連絡を取り合うようになり、やがてこの年の秋に信楽で講演させてもらうことになったのでした。その場で玉崎さん=たーさんとも出会うことができました。僕にチラシをくれた女の子のお母さんでした。
今回の茶楽でのお祝いの会はその時のことを思い出させてくれてその意味でもなんだかとても感慨深かったのです。会を市居さんとの初めての出会いのきっかけをつくって下さったとりいしんぺいさんが仕切っていたのもなんだかとても嬉しく思いました。

実は僕は絵本にはそれ以前からちょっと深いかかわりがありました。
同志社大学社会的共通資本研究センターにいたときに、『社会的共通資本としての絵本』という企画を立ち上げ、絵本界の神様とも言われる福音館書店の松居直さんと、京都・堺町画廊を主宰している絵本作家で友人のふしはらのじこさんをお招きして講演していただいたのです。
この時、僕は松居さんに絵本の素晴らしさを教えられました。いやそれは正確ではありません。僕がなぜ絵本を子どものころから素晴らしいと思ってきたのか、なぜ子どもたちが絵本に目を輝かせるのかを解き明かしてもらえたのです。
答えはもともと人間の中には美しいもの、素晴らしいものに共感し、胸が打ち震える「感動力」が備わっているからで、それを絵本が引き出すからなのでした。しかしその力は啓発されていかなければ発展していかない。だから優れた絵本と出会い続けていくことがとても大切なのです。

その意味で、僕の中にある僕の好きな何かは、実は先人たちが僕に与えてくれたものの蓄積なのです。
先人たちは、あるいはこの世界は、僕を何度も感動させてくれた。それが僕の人間力を育て、やがて公正と正義、そしてまた愛、友情を大切にする心を育んでくれたのです。僕はそれは、多くの人に共通していることだと思います。
とくにこの国はもう長い間、戦争から遠いところにいれました。その中で私たちはたくさんの温かい感情を育ててもらえました。僕はそれを「平和力」と呼んでいます。
そんな大切な心を、子どもたちの中に見出し、引き出し、育てることに生涯をかけた絵本の神様、松居直さんの言葉の中から、僕はそんなインスピレーションをいただきました。

 

さて選挙戦が始まっています。安倍政権と立ち向かい小池さんや前原さんのひどい「政治」と向かいあっていかなければなりませんが、僕は時に心の中で絵本を広げ、心を楽しませ、浄化もさせて、現実に戻ることを繰り返そうと思います。
安倍政治と対決するときに大事なのは、あの邪悪さに侵食されてしまわないこと。こちらまでが野蛮で粗暴になってしまわないことです。
そして邪悪さに対する怒りよりも、いかにすればこの社会が本当に平和で豊かになるのかを考えぬきながら走りぬき、次に確実につながる何かを生み出したいと思います。

みなさんも一緒に心の中に絵本を忍ばせて、選挙戦を豊かに進めていきましょう!

*****

僕が市居さんに誘われて初めて信楽で講演した前夜に書いた記事をご紹介しておきます。福音館書店の松居さんに学んだことがもっと詳しく書いてあります。名作『ハイジ』についても書かれていますのでぜひお読み下さい。

明日に向けて(271)ことばの力、絵の力、絵本の力
2011年9月27日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/954c69322a4325aecc96c8f86eea952b

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