2015.12.24

明日に向けて(1196)福島原発はシール剤が溶け事故が悪化!これを反映しない新規制基準下の再稼働判断は無効だ!

守田です。(20151224 23:30)

本日24日、高浜原発再稼働禁止仮処分への関西電力の異議申し立てに対する福井地裁の判断が出され、再稼働が容認されてしまいました。
危険かつ理不尽極まりない再稼働を容認したこの判断に対して心の底からの怒りを表明します。

この判断は、樋口裁判長のもとで出された、憲法の精神に則り、真の法の精神を示した素晴らしい決定を踏みにじることで、司法の責任や尊厳を自ら足蹴にしたものに他なりません。
司法の独立性を放棄し、国家権力に媚びて人々の人権と人格権を貶めたこの判断に対決あるのみです!民衆の直接行動、デモンストレーションで応えていきましょう。

さてこのように再稼働に向けた動きが高まる中、福島原発事故から4年9カ月も経って福島原発事故の深刻化の要因がまた新たに見つかりました。東電によって17日に発表されました。正確には「可能性」とされているのでまだ確定しでないのですが・・・。
明らかになったのは福島原発事故時に2号機圧力容器内の蒸気を抜いて圧力を下げるための「逃がし安全弁」が働かなかったことや、3号機で格納容器の蓋の部分の密閉性が失われたことなどです。
この二つの事態はともにこれらの部分に使われていたシール材(ガスケット)が事故で発生した高温に耐えきれずに溶けてしまったことを原因としています。

以下に東電が記者会見の際に配布した資料のアドレスをあげておきます。

福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果のご報告~ 第4回進捗報告~(概要と詳細)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/151217j0101.pdf
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/151217j0102.pdf

福島第一原子力発電所1~3 号機の炉心・格納容器の状態の推定と未解明問題に関する検討 第4回進捗報告
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/151217j0104.pdf

量が多いので、今後、詳細な点を分析することとして、今日のところは配布資料を参照しつつ、主要にこの内容を伝えた東京新聞の報道に即しつつ検討を行っておきたいと思います。
参照するのは以下の記事です。

福島原発事故 2・3号機の部品溶融 注水遅れ外部汚染要因
東京新聞2015年12月18日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2015121802100005.html

前提として押さえておくべきことは深刻な事故を起こした1~4号機はほぼ同じ構造(マークⅠ型と改良型)で、圧力容器内部で燃料損傷事故が発生し、高温化によって内部圧力が高まった場合、発生した蒸気を圧力抑制室に導くようになっていたことです。
東電の資料から原子炉の構造図などを参照しつつ読んでいただければ分かりやすいと思うのですが、ともあれ圧力抑制室とは、文字通り、原子炉内で事故などで発生した圧力=蒸気を「抑制」すべく取り付けられた装置です。
フラスコ型の格納容器の下方の周りにドーナツのような形に取り付けられたもので、中に水が張ってあり、この水の中に圧力容器の中の水蒸気を導いて噴出させて蒸気を気体から液体=水に戻して一気に体積を小さくする(抑制する)ことを目指していました。

ところがこのため逃がし安全弁を作動させるため、安全弁のピストンを動かす電磁弁を開け、窒素ガスによって弁をあける動作をしたものの、電磁弁のシール材が溶けて窒素ガスが漏れてピストンが動かず安全弁を動かせなかった可能性があるというのです。
このため2号機は冷却装置ダウン以降に消防車で注水をしようとしたものの、圧力容器内の圧力が高すぎて注水できない状態が続きました。記事では仮設バッテリーで8個ある安全弁を開く操作を何度かするうちに注水が可能になったと書かれています。
しかし2号機はやがて格納容器内の圧力が高まってしまい、本来は閉じ込めておくべき放射能と一緒に内部のガスを放出するベントを試みたのですが、1号機や3号機と違って最後までベントの弁が開かず、格納容器の深刻な破壊をもたらしてしまいました。

これに対して3号機の場合も電力不足から当初は逃がし安全弁が開かなかったものの約5時間後に作動しました。
しかし格納容器内の圧力が高まるや格納容器とその蓋を接合する部分のシール材が溶けて気密性が失われ、ガスが大量に漏洩してしまいました。
この間、6回のベントが試みられましたが、うち4回は思ったほどの効果があげられず、結局、3号機から噴出した放射能による周囲の被曝は主にこのシール材が溶けたところから漏洩したものであることも分かったとされています。

以上が主要に明らかにされた点ですが、これらには重要な問題が孕まれています。
まず現在の再稼働の動きと絡んでもっとも大事なことは、福島原発事故の深刻化の要因が今になってまた一つ明らかになったわけですが、しかし現段階では「可能性」として浮上しているだけで、確定しておらずまだ他の可能性もありうるということです。
これに対して再稼働を認める条件である「新規制基準」はこの事態が明らかにされる前に作られたのですからこの内容が反映されていません。しかもまだ「可能性」なのですから反映のしようもありません。だから再稼働判断など出せない。無効です!

続く

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