2015.09.29

明日に向けて(1161)ヨウ素剤を配る!下(配布・備蓄について)

守田です。(20150929 10:30)

篠山市原子力災害対策検討委員会が市長と市民に提出した「提言書」の安定ヨウ素剤に関する説明の後半をお届けします。
今回は備蓄方法についてで、最も理想的なものとして事前各戸配布を勧めており、その理由が書かれています。

なお最後に避難との関係にも触れています。放射性ヨウ素の被曝に限っても、安定ヨウ素剤の服用で防護するよりも避難によって一切被曝しない方が良いです。
そのため「とっとと逃げる」ことがいつでもキーポイントですが、避難中に放射性ヨウ素に追いつかれてしまうこともありえるため、安定ヨウ素剤を服用して避難することが必要です。

以下、配布や備蓄についての内容をお読み下さい。

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原子力災害対策計画にむけての提言
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/assets/2015/06/teigensyo.pdf

第4章 被曝防護のための安定ヨウ素剤の服用
第3節 安定ヨウ素剤の備蓄方法
第1 理想的なのは事前各戸配布
備蓄の問題で重要なのは、安定ヨウ素剤は、服用することによる副作用はほとんど起こらないという点です。チェルノブイリの場合でもほとんど起きていません。
にもかかわらず服用が進まなかった福島の場合、量はあったのに、避難所とか特定の場所にしかおかれていませんでした。しかも誰が服用の判断をするのか、判断する人の免責事項がどうなっているのかもあいまいでした。
服用の現場に立つものに安定ヨウ素剤の安全性ついての理解がなかったのです。そのために判断が遅れ、ほとんど服用されませんでした。これらからも備蓄においては、事前教育を徹底することを前提としつつ、事前に各戸配布するのが理想です。

風邪薬や解熱剤などを家庭の常備薬として持たれている方が多いと思いますが、いざというときにこうした選択手段があることは、突発した事態に対して対応の幅を広げることで精神的な安定にも寄与します。
その点でも安定ヨウ素剤を各戸配布し、選択できる手段を増やしておくことには効果があります。

しかしそれだけでは足りません。事前に配布すると必ず紛失する人が出てきますし、間違えて飲んでしまい、無くしてしまう人もいます。避難の時にあわてて紛失してしまう人もいるかもしれません。
そのため避難の集合場所などにも配布しておき、かつ避難時にも配布することが必要です。

このための分は各戸配布以外に市が備蓄しておいてそこから出します。つまり三段構えの備蓄を行うのが理想です。個人、特定の場所、市役所の三段構えです。こうすれば市民は必要なときにどこかで安定ヨウ素剤を得ることができます。
なお誤飲した場合でも問題は生じません。倍量飲んでも大丈夫です。かりに乳児が倍量飲んでも、医学的には「嘔吐支援など医師援助をするな」という指示が出ているぐらいです。誤嚥性肺炎の方が危険性が高いのです。
安定ヨウ素剤は普通の大人が飲む量でも100ミリです。だし昆布に入っている量が、味噌汁1杯5ミリぐらいですので、それが20杯で100ミリです。子どもだったら10杯分です。これを飲んで死ぬ人はいません。心配はありません。

実際には、安定ヨウ素剤よりももっと危険な薬が各家庭にあります。倍量飲んだら深刻な事態を招くものも多数あります。
それらと比べたら安定ヨウ素剤はずっと安全であって、各戸配布が実現された場合は、それぞれが病院から得た薬を保管するのと同じような気持ちで保管してもらえば良いです。
これらを踏まえて市は安定ヨウ素剤の各戸配布を可能とするための検討を進めています。

第2 連続服用が可能な備蓄量の確保を
篠山市としてはヨウ素の飛来を長期にわたって考えるならば、複数日ぐらいの服用が可能な量の備蓄がなされていれば充分であると思われます。
各自への配布、避難場所、避難時と三段階の方法を篠山市独自の方式として打ち立てたいと思います。
また篠山市在住者ではないけれども篠山市に勤務している方も関与人口として考え、それらの方の分も安定ヨウ素剤備蓄の対象と考えたいと思います。
それらの方たちへの配布方法、教育については別途、検討の対象とすることとします。安定ヨウ素剤は安価であるため購入の負担も小さいです。

なお重要なのは避難するときには、安定ヨウ素剤の服用は絶対に必要だということです。ただし放射性ヨウ素の被曝に対しても、安定ヨウ素剤を飲むより避難した方がメリットが高いのです。
その避難の途中に放射性ヨウ素が飛んでくることは充分考えられるので避難と安定ヨウ素剤服用はセットで考えるべきなのです。

第3 事前配布ができない場合の次善の策の検討
今の法制度の中では、安定ヨウ素剤の事前各戸配布にはさまざまな法的障壁があります。原子力災害対策検討委員会としては、この点を解消する道を全力をあげて作り出したいと考えています。
同時にそれまでの間は、各戸配布にできるだけ近づける形での、配布方法を編み出したいと思います。急務の課題と位置付けて取り組むべきです。

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以上で安定ヨウ素剤の配布に関する連載を終わります。
ぜひ全国各地でこの動きを広めて下さい!

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