2015.06.05

明日に向けて(1091)与党参考人まで集団的自衛権を違憲と断定!さらに進んで戦争のない世界を目指そう!

守田です。(20150605 23:30)

昨日、衆院の憲法審査会に参考人として出席した3人の憲法学者が、いずれも安倍政権が進めようとしている「新安保法制」について「憲法違反」であるとの考えを示しました。
特徴的なのは、3人の中の早稲田大学長谷部教授は、自民党・公明党が推薦した参考人だということです。あとの二人は維新と民主の推薦です。与党が自ら呼んだ参考人までが「憲法違反」を明言したのだから事態は重大です。
安倍政権全面擁護新聞と化している産経新聞は「人選ミス」などと報じていますが、そうではなくどのような角度から見ても集団的自衛権が憲法違反であることが示されたと言えます。

またこのことは、横暴を極める安倍政権と繰り返し対決してきた多くの民衆の声が、学者さんたちの学問的良心を揺り動かしている中で起きてきていることではないかと僕には思えます。
同じことが司法界でも起こっているし、芸能界でも起こっている。今まで政府に順応してきた多くの人々が「もう黙っているわけにはいかない」と、真実と良心を掲げだしている。僕はそう思います。

そもそも集団的自衛権が憲法に違反していることなどあまりに自明のことです。
なぜって憲法にはこう書いてあるのですから。

憲法前文
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

憲法9条
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

この国は明確に「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と憲法で名言しています。集団的自衛権は、陸海空軍その他の戦力を保持している国と共同で行うものです。憲法上、認められるわけはありません。
いやそもそも、どうこの文言を読んでみたって、自衛隊が合憲とは言えないし言えるわけがない。自衛隊の兵器や装備を見て下さい。どう見たって陸海空軍そのものではないですか。
僕はそもそもこの国の多くの人が政治に無関心になってきた大元の理由がここにもあると思います。なぜってこうやって堂々と憲法が無視されてきたのですから。どう読んでみても憲法がリスペクトされてきたとは言えないのですから。。

ただし憲法9条がすでに死んでいたのかというとけしてそうではありません。自衛隊は常に自分たちは「陸海空軍その他の戦力」ではないと自己説明せざるをえないで来たのです。
そのことが自衛隊を実際の戦争から遠ざける大きな歯止めになってきました。そのために自衛隊は1954年結成以降、これまで一人の外国人も殺さずにきているのです。
今、その大きな歯止めを安倍政権は外そうとしています。だからすぐに「我が軍」などと口走ったりする。「軍ではない」と言い張ってきた建前が崩されようとしています。

そもそも自衛権とはどのような形で発動されているのでしょうか。今、アメリカはシリア・イラクでIS(イスラミック・ステート)に繰り返し空襲を加えていますが、これは自衛権の発動として行われています。
いやISが台頭する背景となったイラクの絶望的な混乱の原因である米英によるイラク侵略戦争も自衛権の発動として行われています。自衛権の発動として、国連の承認なしに一方的な戦争が遂行されたのです。
もっと言えばそもそも近代戦争において、「我が国はあなたの国を侵略します」と言って侵攻した国など一つもありません。常に自衛権がさまざまな戦争の「大義」として利用されてきたのです。

日本国憲法はこのために戦力の不保持と、国の交戦権の放棄をうたった世界初めての憲法です。自衛の名のもとに戦争を仕掛け合うことを少なくとももう日本は止める!と世界に宣言したのです。
この文言が、他ならぬ戦争の惨禍を経てきたこの国の民の心を強く打ち、社会の中に徐々に根を下ろしてきたからこそ、自衛隊は、人殺し集団としての軍隊になることをぎりぎりで止められてきたのでした。
それを可能としたのはこの国の人々の平和を愛する心です。第二次世界大戦でさまざまに振るってしまい、振るわれもした非人道的暴力への痛みを通してつかんできた平和力です。

この国の人々は確かに「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう決意した」のであり、その道を歩んできたのです。
だから自衛隊は装備は完全に軍隊でありながら、他国の人々を殺さずにこれまで来た。すんでのところで国家による暴力の発動が食い止められてきた。私たちはそのことに誇りを持っていいと思います。

ただし同時に私たちは今こそ、平和についてもっと覚醒しなければなりません。
僕もこの間の講演で集団的自衛権では「アメリカの戦争に巻き込まれる」と言ってきました。アメリカの非道な戦争に日本が協力してはならない・・・と言わんとしてのことですが、今後はその点を変えようと思っています。
戦争に巻き込まれて私たちの安全が損なわれるからという消極的な内容を越えて、アメリカの人々をも戦争から解き放つために私たちは行動を強めなければならないと思うのです。

この間、集団的自衛権に対して「我が子を戦場にとられてなるものか」という気持ちで行動し始めた若いお母さんたちに度々講演に呼ばれ、愛の深さ、温かさ、柔らかさに強く打たれることを繰り返してきました。
そのとき僕が思ったのは、「アメリカの母親たちとて同じ思いのはずだ」ということでした。そうです。私たちはアメリカの若者たちをも、もう殺し殺されることから解放したい。
なぜなら戦場に赴くことで人は心の中の大事なものを失うからです。何よりも殺人に手を染めることで、人を慈しむことができなくなってしまう。人を、そしてまた自分自身を愛せなくなってしまう。

そのためベトナム戦争でも、イラク戦争でも、戦場で死んだ米兵よりも、帰還後に自殺した米兵の方が多いのです。
もちろん彼ら、彼女らは死ぬまでに大変な苦しみの経路を辿っています。社会生活にまともに復帰できず、アルコールやドラッグづけになったり、性的不能に陥ったり、苦しんで苦しんで、やがて自分の命を絶ってしまっている。
それが戦争に若者を送り込むことのリアリティです。

この国は、これまでのさまざまなアメリカの戦争に経済的に参加し、武器の部品を作り、基地を供給し、協力してきました。
その戦争体系の最先端で、アメリカの若者たちが、本当に酷く人を殺し、そのことで自分のうちなる人間性を殺し、アメリカ社会の中に殺伐としたものを持ち帰り、数々の悲劇を産み落としてきたのです。
私たちはこの国がこうしたアメリカの流した血によって、さまざまな経済的利益を得てきたことをこそ捉え返すべきだと僕は思います。

その意味で、アメリカの戦争に巻き込まれなければそれで良いと言うところにもはや私たちはとどまっていてはいけません。
アメリカの非道な戦争をやめさせ、そのことでアメリカ人に人殺しを止めさせ、そのことでアメリカ人をも救わなくてはいけない。そう思います。
そのために集団的自衛権の行使なんてもってのほかです。アメリカの非道な「自衛権」の発動そのものを封じ込めていく必要があります。

私たちは今こそ、非戦の思いをさらに大きく発信していきましょう。集団的自衛権に反対するだけでは足りません。沖縄辺野古基地建設を許さない声をもっと高めなくてはいけない。
沖縄の人々の必死の抵抗は、もうこれ以上、アメリカの戦争に協力したくないという強烈な思いの発露だからです。
私たちはそこにもうこの国からアメリカの若者を戦場に旅立たせないという思いを重ねていきましょう。

最も大事なことは、そもそもの集団的自衛権の出所そのものが、アメリカの疲弊にあるということです。アフガン戦争、イラク戦争と大義なき戦争を繰り返すことでアメリカ社会は大きな痛手を背負っています。
先にも述べた如く、理不尽な殺戮を繰り返すことで、人の心が押しつぶされてしまい、それがさまざまな形でアメリカに悲劇をもたらしているからです。
アメリカ政府はそのためにもうアメリカ兵を死なせずに、自分たちの利益を押し通す道を探し、無人兵器だけでなく他国軍の活用を考え、アメリカ軍の代わりに自衛隊を使うことを欲しているのです。

これに第二次世界大戦でこの国が反省してきたことをちっとも血肉化できす、この国の人々の成熟に逆行して、戦前への回帰を追い求めて止まない安倍首相が飛びつくことで、集団的自衛権行使への流れが作りだされてきました。
つまり大元にあるのはアメリカの戦争による疲弊なのです。だとすれば真の解決の道は、戦争そのものを無くしていくことです。
日本はまだまだそのための大きな可能性を持っています。繰り返しますが、まだ私たちの国の軍隊は他国の人々を殺していません。まだまだ世界の中で私たちは非暴力的な存在として写っています。だから紛争解決の仲立ちができる。

今、与党の推薦人の憲法学者までもが、集団的自衛権を違憲と断じているのは、多くの人々が、アメリカの後をついていってはいけないことを自覚的にせよ無自覚にせよ気付きはじめているからだと僕は思います。
誰もアメリカの真似をしてそれで日本が幸せになるとは感じていない。だからこそ、僕は今ここで、「アメリカに巻き込まれる」という言い方を越えて、アメリカの若者をも戦争から解放しようと叫ぶことが大事だと思います。
その声は他ならぬ戦争で傷ついたアメリカの人々の心にこそ沁みこんでいくでしょう。その典型例が元海兵隊兵士アレン・ネルソンさんでしたが、同じような思いの苦しみの高まりの中でアメリカはかつてベトナムからも撤退したのでした。

繰り返します。アメリカはアフガンとイラクでの殺戮で疲弊しきっているのです。だからもう戦争は止めようという声を響かせるときです。響かせうるときです。
そのために、安倍政権の戦争への暴走に憂うあらゆる人と手をたずさえて歩みましょう。
戦争のない世界を求める世界の人々と一緒に歩みましょう。戦争に明け暮れた人類前史から「平和を愛する諸国民の公正と信義」に満ちた人類後史へ。今、私たちは人類史の壮大な転換点に立っています!

*****

参考人全員が新安保法制は「憲法違反」、衆院・審査会
2015年6月4日(木) 18時45分
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2509312.html

政府与党にとって想定外の反応でしょう。衆議院の憲法審査会に参考人として出席した憲法の専門家3人が、いずれも今の国会で審議中の新たな安全保障法制について「憲法違反」との考えを示しました。
衆議院の憲法審査会に出席した憲法の専門家3人。早稲田大学の長谷部教授は自民、公明など。同じく早稲田の笹田教授は維新。そして慶応大学の小林名誉教授は民主と、与野党それぞれの推薦で選ばれましたが、この質問には・・・

「今の(国会で審議中の)安保法制、憲法違反だと思われますか」(民主党 中川正春 衆院議員)
「集団的自衛権の行使が許されるという、その点については、私は憲法違反であると考えております」(長谷部恭男 早稲田大学・法学学術院教授)
「私も違憲と考えます。憲法9条に違反します」(小林 節 慶応義塾大学名誉教授・弁護士)
「定義では踏み越えてしまったということで、違憲の考えでたっていると思います」(笹田栄司 早稲田大学・政治経済学術院教授)

自民党が推薦した参考人も含めて3人すべてが国会で審議中の新たな安保法制は「違憲」との考えを示したのです。
「ちょっと予想を超えたところがあったと思っている」(自民党 船田 元 憲法改正推進本部長)
想定外の反応に、自民党の船田憲法改正推進本部長は、佐藤国対委員長に事情を説明しましたが、佐藤氏からは「安保法制の審議に十分配慮を」と釘を刺される事態に。また、野党は・・・
「議事録を精査して、明日も我が党の議員が本日の憲法審査会での議論を踏まえた質疑をする予定にしている」(民主党 長妻 昭 代表代行)
政府与党内から法案審議への影響を懸念する声もあがる中、5日の特別委員会での議論が注目されます。(04日16:51)

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