2015.03.13

明日に向けて(1054)東日本大震災と福島原発事故から4年、私たちは何をしなければいけないのか(上)

守田です。(20150313 11:00)

みなさま。一昨日は東日本大震災と福島原発事故から4年の日でした。
この災害で亡くなられたすべてのみなさま、ご遺族のみなさまに哀悼の意を表したいと思います。
また被災されたみなさま、今なお避難生活の中におられるみなさまにも心からのお見舞いを申し上げます。

事故から4年が経った今、私たちは何をしなければならないのでしょうか。
一つは沿岸部の広く長い地域で大津波の被害からの立ち直りを進めることです。
二つは福島第一原発事故による放射能漏れに対して放射線防護活動を強化することです。
三つに福島第一原発事故の真の収束を進め、並行して原発災害対策を進めることです。
四つに原発再稼働を許さず、原発ゼロの道をめざすことです。
五つにこれらすべてと連動しつつ、憲法9条と平和を守ることです。

大津波の被害に対してこれまで政府は非常に貧しい対応しかしてきていません。
例えば岩手県の大槌町を見た場合、やっと新たに整備された土地のどこに誰が住むのかの割り振りができたところですが、そこに家を建てるのにあと3年も待たねばなりません。大震災後、7年も経たなければ自宅を持てないのです。
他の地域も多かれ少なかれ似た状況だと思います。被害が甚大で、盛り土を含み、大変な作業が必要なのは分かりますが、それでも生産力が世界のトップクラスにある国で、なぜ7年間も待たねばならないのでしょうか。

これまで再三再四、報道されてきたように、「復興予算」のかなりの額が無関係なことに流用されてしまっている一方で、肝心なところには回らずに相当な額が執行されていない状態が続いています。
この実態の一部を朝日新聞が次のように報じています。

「東日本大震災の復興予算として国が2011~13年度に計上した総額約25兆円を会計検査院が調べたところ、13年度末現在で、少なくとも9兆円が使われていなかった。
年度をまたぐ事業のためにつくった基金全体では、6割が使われていないことが判明。福島、宮城、岩手3県が主体の事業を初めて現地調査すると、被災地のニーズに事業が合っていない実態も浮かんだ。」

復興予算、9兆円使われず 事業遅れ・需要とズレ 11~13年度、検査院調査
朝日新聞2015年3月3日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11629496.html

「福島、宮城、岩手3県が主体の事業を初めて現地調査すると、被災地のニーズに事業が合っていない実態も浮かんだ」と書かれてあるところに、この国がいかに被災者に冷たい国であるかが分かります。
しかも東北の多くの地域の立ち直りが滞っている状態で、東京オリンピック招致を決めたことにより、大手ゼネコンがオリンピック関連施設の建設のために被災地から引き揚げていることなどもさらに滞りを助長してしまっています。
こうしたひどいあり方の象徴として東京の国立競技場の解体作業が始められてしまいました。施設としてはまだまだ使えるものを取り壊し、神宮外苑の一部も壊して巨大な施設を作ろうとしていますが、どうして被災者の住宅建設を優先しないのでしょうか。

津波被害とそこからの回復の遅れの実態、とくに三陸海岸にこの国が冷たい仕打ちを続けていることが、いわば福島第一原発事故の背後に隠れてしまって、クローズアップされていません。
僕自身、十分に論じられておらず、またこのところ三陸海岸に行くことができておらずにとても申し訳なく思いますが、ともあれ大震災から4年経った今、私たちは再度、津波被害からの回復に政府がまともに取り組むように要求しなければなりません。
東京オリンピックにしろ、自衛隊の海外派遣にしろ、安倍政権は現に国民・住民が苦しんでいることをまったく無視して推し進めようとしています。そのために多くの被災者が苦しみ続けています。この流れを断つために努力を続けましょう。
放射線防護活動はこれからますます重要になります。これまで政府や政府寄りの「科学者」たちが繰り返してきたのはチェルノブイリ原発事故による健康被害が「事故後4年経って現れてくる」という言説でした。
そんなことはまったくなくて、事故直後からさまざまな被害が起こりながら、旧ソ連政府が隠していたに過ぎません。また検査機器の精度が今よりも格段に低かったことの影響などもありました。
実際、僕のもとにはこれまででも本当にたくさんの健康被害情報が入ってきています。子どもの甲状腺がん、白血病、白内障など、ICRP(国際放射線防護委員会)などが認めている病以外のたくさんの情報があります。

この間、何度も触れていますが、2011年4月に発表された『ウクライナ政府報告書』では、国際機関が認めていないたくさんの病気が240万人もの被災者の追跡調査のもとに確認されたことが示されています。
詳しくはぜひ『低線量汚染地域からの報告―チェルノブイリ 26年後の健康被害』(馬場朝子、山内太郎著 NHK出版)を読まれて欲しいのですが、心筋梗塞や脳血管障害など、死に至る深刻な病の報告もたくさんあります。
汚染地で生まれた第2世代のこどもたちはなんと8割が病にかかっていて、学校の授業を低学年は10分、高学年は5分短縮し、学年末テストの多くを廃止したりしているほどです。

このような、広島・長崎の被爆者よりも圧倒的多数の人々の調査による報告書があるにも関わらず、日本政府は国際原子力村であるICRP(国際放射線防護委員会)、UNSCER(国連科学委員会)などともにこれを握りつぶしています。
そして福島原発からごく近い地域を強制避難とした以外、膨大な地域の被曝をなすがままに放置しています。しかも健康被害はないと繰り返し断言しているため、人々の自主的な防護策が解体されてしまっています。
胸が痛くなるばかりですが、このような状態であるため、避けられる被曝が避けられずに繰り返されており、当然にも健康被害は今後、爆発的に表れてくると思われます。

被曝と健康被害の拡大をなんとか少しでも食い止めたい。そのために私たちはできることはなんでもかんでもやっていく必要があります。とくに私たちの国にごくわずかしか認められていない避難の権利を拡充し、避難者を支援していくことが重要です。
被曝からの避難は、当人たちの命を守るだけでなく私たちの未来総体を守ることです。だから避難者に感謝しつつ、苦楽をシェアしあい、当然の賠償や補償を国や東電から引き出していくことが大切です。
この点でも私たちの国は東京オリンピックなど絶対にやるべきではない。その予算をすべて被災地と避難者にまわすべきです。健康被害に備えるべきです。そもそも東京とてまだまだ危険地帯です。このことを繰り返し訴えていきましょう。

続く

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