2014.12.18

明日に向けて(997)史上最低の投票率こそ問題。安倍政権は信任を全く得ていない!(総選挙を捉え返す-1)

守田です。(20141218 23:30)

12月14日に総選挙がなされました。この選挙をいかに捉えたら良いでしょうか?僕なりに考えたことをまとめたいと思います。
第一に僕が最も重要な事態だと思うのは投票率が52.36%(共同通信調べ)と史上最低だったことです。しかもやはり史上最低だった前回59.32%から7ポイント近くも落としています。有権者の2人に1人が棄権したのです。
棄権という行為をどう評価するかは別として、このことは今回の選挙における議席数、とくに与党のそれが有権者の支持とはまったくかけ離れたものになっていることを物語っています。

この劇的と言えるほどの低得票率=選挙制度の崩壊的事態の責任はあげて安倍政権にあります。
安倍政権がこうした低得票率のもとでの与党の議席維持を狙ったのだからです。そのために「消費税率引き上げの延期を国民に問う」という何が争点なのか分からないことを言いだして選挙を強行したのでした。
しかも批判を浴びている原発再稼働問題や、集団的自衛権行使問題、特定秘密保護法制定などにはほとんど触れず、できるだけ争点を曖昧にして選挙を行いました。

これに対する野党のふがいなさが指摘されていますが、それは別の話。まずは政府与党が大変悪いことをしっかりと確認すべきです。
こんなひどい解散-選挙などしてはいけなかったのです。法的にはどうあれ民主主義の基本ルールや精神を全く欠いた暴挙がこの低投票率を狙った選挙の在り方です。
にもかかわらず読売、日経などは選挙の翌日に「与党大勝」という見出しを載せました。何を言うか。あんなものは民主主義における勝利でもなんでもありません。

まだ正確なデータが出揃っていませんが、自民党は議席数をわずかに減らしました。投票率が7%も減る中でですから前回よりも支持を減らしたのではないかと思われます。
ちなみに比例代表での各政党投票数は個人集計された方のデータによれば以下のようになります。

自民 17,658,916 民主 9,775,991 維新 8,382,699 公明 7,314,236 共産 6,062,962 次世代 1,414,919 社民 1,314,441 生活 1,028,721 改革 16,597 幸福 260,111 支持政党なし 104,854

自民党の得票数は1765万8916票で、有効投票数5333万4447票に占める得票率は33.11%です。
正確なデータがありませんが、有権者数は1億人を越えていますから、いずれにせよ自民党の得票数は有権者の10%台にしかなっていません。
この国の有権者の8割以上の人々が自民党を支持などしていないのです。それが今回の選挙で示されたことです。

にもかかわらずこの一番大事な点がほとんどの新聞では書かれていません。ここが情けないし歯がゆすぎる。大新聞には民主主義のオピニオンリーダーたらんとする覇気などもうないのだと思います。
僕が知る限りでは東京新聞は一面で低投票率を問題視し、棄権の多さ=自民党が支持などされていないことを安倍政権が受け止めるべきだと主張していました。こうした視点を軸にしているので他にもいい記事がたくさんありました。
しかし自民党にしろ民主党にしろ、政党の側からはこの点の指摘が出てこない。こうした態度こそ、民主主義を愚弄するものなのだということを繰り返し強調したいと思います。

そもそも野党やマスコミは当初から「大義なき解散」としか言えなかった。もっと積極的に「民主主義を破壊する低得票率を狙ったもっとも悪辣な解散・総選挙だ」というべきでした。
さらに選挙が始まるや否や、早い時期にマスコミが一斉に「自民300議席獲得か」という報道をしてしまったのも決定的でした。まるでもう勝敗がついたかのような報道で、あの段階で多くの人々が選挙への関心を失ってしまったと思います。
その上に負けた候補者への投票は「死に票だ」とする論議が各方面から強調されてしまいました。どうせ自民党の大勝は決まっているし、負ける候補に投票しても「死に票」で意味がないとの強調がなされたのですから、多くの方がうんざりしたのも当然だったのではないでしょうか。

僕自身はそのため「すべての票は命のこもった声だ!「死に票」という言葉に惑わされず投じに行こう!」と呼びかけました。
共産党をのぞく野党各党もしばしば「死に票」という言葉を使うので、それでは総体としての投票率を下げかねないと思ってのことでした。
しかし結局、多くの方が「死に票」なら投じにいっても意味がないと思ってしまったのではないでしょうか。それ自身はとても残念なことです。

しかしこれも僕らの敗北を何ら意味しません。悪いのは与党です。安倍政権が手酷く悪いのです。民主主義や国家の成り立ちそのものを壊しています。
同時にそのことで何ら安倍政権の権力基盤が強化されているわけではなく、むしろ脆弱さが増していることこそを私たちは見るべきです。なぜか。民意と議席数があまりにもかけ離れていることが誰にも感じられるようになってきたからです。
民意は常に大きな力です。独裁国家だって民意の離反が高まるときには倒されるのです。歴史はそのたくさんの事例のオンパレードです。だからどのような政権も民意を味方につけようと苦心するのです。

戦前とてそうです。何も暗黒の軍部が物言わぬ民だった国民を戦争に率いて行っただけなのではない。他ならぬ国民自身が戦争に燃えた面も大きくあったのです。このことを絶対に忘れてはいけません。
今はどうなのか。前回の選挙に続き今回でもはっきりしたのは有権者の8割が自民党を支持などしていないということです。「自民300議席で圧勝」という報道がなされたにもかかわらず実際には自民党がわずかでも議席を減らしたことにもそれが表れています。
何度も言います。民意のない政権は弱いのです。にもかかわらず今回の卑劣な選挙と、もともとも小選挙区制の歪みによってあまりに過大な議席を得てしまっているのが実態なのです。

だからこそ多くの方にしっかりと認識していただきたいと思います。民意のない政権など倒せる!ということです。それほどに民意とは強いものです。実は今の政府与党は人々にそう思わせないように必死なのです。
その証左の一つが原発再稼働問題です。今、川内原発、高浜原発の再稼働が浮上してきていて、どうしても気持ち的に受身的になってしまいがちかと思いますが、私たちが誇りを持っておさえるべきことはこれだけの議席をおさえてきた与党がこれまで一つの原発の再稼働もできてこなかったことです。
実はこのことでウランの国際価格が暴落するなど、世界の原子力推進派が大きな打撃を受けています。だからこそ安倍政権は原発輸出を急ぎ、ウランの需要先を作ろうとしているわけですが、そのためにも日本の原発を一つでも動かさないと説得力を持てない。

つまり相手の側、それも安倍政権だけでなく世界の原子力推進派が、私たち日本民衆の脱原発行動に追い詰められているのです。
追い詰めている力はどこから出ているのか。全国で繰り広げられている無数のデモなどをはじめとした直接行動です。毎週金曜日の行動は首相官邸前だけでなく、全国のいたるところですでに100回を越えています。
デモだけではない。低線量内部被曝の危険性を訴える講演会、学習会、さらに被災者と結びついた保養や訴訟などなどを数えるならば、本当に無数の脱原発、脱被曝の行動がこの国の至る所で繰り広げられています。

実は安倍政権は、民意の厚い支持などないことを誰よりも知っているがゆえに再稼働をごり押ししてこれなかったのです。いや今も再稼働の責任を原子力規制委員会にあづけようとしている。責任をとる言質をはくことが怖いのです。再稼働に正義があるという核心などもってないのです。
だから私たちは今、もっと積極的に「こんな選挙のやり方は非道だ。安倍政権の政策は何も信任されていない」という声をあげ、原発再稼働や集団的自衛権行使、特定秘密保護法に反対していく活動を強化すれば良いのです。
そのためにもこんな外道な選挙で負けたなどと思うのはやめましょう。そんなことは思う必要はまったくありません。このことは今後、より細かい分析で実証していきますが、ともあれこんなことで凹む必要などまったくないです。

ここで棄権をどう捉えるのかということも押さえておきたいと思います。
今回の不意打ち的な選挙に対して、与党を少しでも凹ましたいと思った多くの方が、安倍政権の低得票率狙いに抵抗してさまざまに知恵をしぼって投票を呼びかけました。僕も奮闘しました。
ただそのせいか、投票しない人を悪く言う論調が強くあったし今もあります。極端な場合は投票しないものに何らかのペナルティを与えよなどという人々もいます。

僕はこれはまったく間違っていると思います。投票をしない自由だってやはりあります。それが効果があるかどうかは別として、選挙総体に対する批判として棄権する場合だって当然あると思うのです。
選挙へのかかわり方はその人の自由です。棄権をした人にペナルティを与えるなどというのは投票の強制でありまったく間違っています。
選挙を遂行する側から言えば棄権もまた一つの立場表明であることを踏まえ、できるだけ棄権の少ない選挙、選挙民が意義あると感じる選挙を行うことが当然の義務としてあることをこそ考えるべきなのです。

そうした点から考えるならば「選挙に行く人の意識が高く、選挙に行かない人の意識は低い」という考えもやめませんかと僕は言いたいです。少なくとも僕には、今の自民党を肯定して票を投じた方よりうんざりして棄権した方とで後者の方が政治意識が低いなどとはまったく思えません。
にもかかわらず選挙に行かない人に社会変革を志す人々が「上から目線」で関わることは間違いなのではないでしょうか。少なくともそれでは説得力を持てないのではないでしょうか。棄権も一度尊重してみる必要があるのではないでしょうか。
むしろ政治が劣化し、与党も野党も嘘つきばかりで、何も信用できないという状態に置かれている人々の嘆きや憤懣、しらけ感を共有化するところから歩むことが大事だと僕は思うのです。

少なくともこの方たちは今の自民党を支持していない人々です。その数は膨大なのですから、だとしたらその方たちにこそ私たちはともに行動することを呼びかけようではありませんか。
いやそれだけではありません。今回の選挙では自民党への投票も「消極的支持」だった方が多いという結果が出ています。安倍自民党は有権者の10%台の投票しか得ていないわけですが、それすらもけして積極的ではないのです。
ようするに個別政策ではたくさんの反対を抱えているのが実態なのです。だから私たちは自民党支持者に対しても、「再稼働に本当に賛成ですか?」「日本が戦争をする国になっていいのですか?」と呼びかけ続ける必要があります。

再度言います。この国の8割以上の人々は自民党を支持していません。残りの2割の中にも消極的な支持者がいます。要するに積極的支持者などごくわずかなのです。
このことをしっかりと見据えましょう。一番、いけないのはこの脆弱な政権を強大に観てしまい、民衆の力を小さく見積もってしまうことです。同時にこのひどい政権を今すぐ倒せない理由を民衆の中に求めてしまうことです。その時に私たちの力は減退し、圧政がまかり通ってしまいます。
民衆に力を!そのためにもっと大らかな団結と連帯を。いつでもいの一番に為政者の圧政に怒りを向け、民衆の力を高めていきましょう。未来を私たちの手に!

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