Home > 「明日に向けて」
2016.08.27

明日に向けて(1294)原発・放射線防護問題、戦争と平和について各地でお話します-2

守田です。(20160827 00:30)

前回に続いて9月後半の講演などのスケジュールをお知らせします。

9月13日、14日、22日、23日と四国を周ります。
香川、徳島、高知、愛媛の順です。いずれもコープ自然派さんの四国の各県の主催です。
テーマは「原発と平和」です。

17日にはコープ自然派京都の主催でもお話します。連続3回講座の1回目です。
午前10時からハートピア京都にて。「原発と内部被ばくの基礎知識」のタイトルです。

19日には第2回放射性廃棄物問題学習研究会で基調提起を行います。
午後2時より京都市元田中の市民環境研究所にてです。

24日に滋賀県長浜市で小出裕章さんとのジョイント講演会でお話します。
午後1時から臨湖(長浜市港町4番9号)にてです。講演会のタイトルは「原発のうそ・ほんと」です。

25日に滋賀県大津市で行われる第108回山猫軒シンポでお話します。
大津市仰木の里の個人宅にてです。

それぞれ詳しくは以下をご覧下さい。

*****

9月13日 香川県高松市
9月14日 徳島県徳島市
9月22日 高知県高知市

原発と平和

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10208429226146536&set=pcb.10208429236186787&type=3&theater

地震帯に多くの原子炉がある日本。福島原発事故という悲痛な経験を経てなお、九州で大地震が起きても川内原発は止まりません。動き出した中央構造線の上には伊方原発が、高浜・美浜には40年を越えた老朽原発が建っています。
福島原発ではいまも収束作業が続けられ、大地も海も食品も汚染され、内部被ばくはこの国に暮らすすべての人の問題です。そして、原発事故子ども・被災者支援法に基づく支援策は放置されたまま…。
私たちに何ができるのでしょう。絶望して立ちすくんでいても子どもたちは守れません。「いまそこにある危険とどう向き合うか」を学び、私たちの命を私たち自身で守る力を強くするために、何ができるのかいっしょに考えましょう! (さらに…)

2016.08.22

明日に向けて(1291)8000Bq/kgという数値はどこから出てきたのか(8000Bq/kg以下再利用問題2)

守田です。(20160822 23:30)

8月17日から19日まで琵琶湖の周辺で行われている二つの保養キャンプに参加し、福島をはじめ東北・関東から訪れている子どもたち、親御さんたち、スタッフのみなさんと濃密な時間を過ごしてきました。さらに20日には宇治市で講演を行ってきました。
この数日間で実にたくさんのことを得てきましたが、それはおいおいご報告するとして、今回は「8000ベクレル問題」の続きを書きたいと思います。

8000ベクレル問題を考察する上で、次に私たちは「放射性物質汚染対処特措法」においてなぜ8000Bq/kg以下の放射能汚染物を一般廃棄物として埋め立ててよいとされたのか、8000Bq/kgという数字がどこから出てきたのかを探っていきましょう。
といっても、これまで僕が文献を調べた限りにおいて、8000Bq/kgとする明示的な根拠が示されたものは見つけられませんでした。ですからここからは推論になります。
まず重要なことはこの国にはある濃度以上の放射性同位体の管理についての「放射線障害防止法」があり、そこで管理を必要とする「放射性同位元素」の定義が行われていることです。

原子力規制委員会のホームページにある説明をご紹介しておきます。https://www.nsr.go.jp/activity/ri_kisei/kiseihou/

「放射線障害防止法は、放射性同位元素や放射線発生装置の使用及び放射性同位元素によって汚染されたものの廃棄などを規制することによって、放射線障害を防止し、公共の安全を確保することを目的に制定された法律です。なお、放射性物質の規制は、同法のほか、原子炉等規制法、医療法、薬事法、獣医療法等においても行われています。」

引用はここまで

放射性物質ごとに管理対象となる総量と濃度の双方が規定されており、その値を越えると管理すべき放射線同位元素とするとされています。
具体的なことは「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」で規定されており、セシウム134と137に関しては10000Bq/kgベクレル以下のものは「放射線同位元素」とみなされないとなっています。

放射線を放出する同位元素の数量等を定める件      http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/04/02/1261331_15_1.pdf

セシウムだけでなく他の多くの放射性物質についても、かなり緩い設定が行われており、この基準自身、非常に問題の多いものですが今はその内容には立ち入りません。 (さらに…)

2016.08.17

明日に向けて(1290)原発汚染土8000Bq/kg以下再利用問題について-1

守田です。(20160817 02:00)

「原発汚染土8000Bq/kg以下再利用問題」について解説していきたいと思います。
この問題は1キログラムあたり8000ベクレルの放射能を含む除染などで生じた「汚染土」を、全国の公共事業で使ってしまおうというものです。
毎日新聞の報道記事をご紹介しておきます。(全文を資料として保全するため末尾に添付します)

原発汚染土 「8000ベクレル以下」なら再利用を決定
毎日新聞2016年6月30日 20時30分(最終更新 6月30日 21時23分)
http://mainichi.jp/articles/20160701/k00/00m/040/063000c

記事の重要なポイントを抜粋します。
「福島県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設に保管される除染廃棄物は最大2200万立方メートルになると見込まれる。国は2045年3月までに県外で最終処分する方針で、できるだけ再利用して処分量を減らしたい考え。 」
2200万立法メートルとは東京ドーム18個分だそうですが、国は福島県に30年後までに県外で最終処分する約束をしています。この実現が危ぶまれる中でとにかく処分量を減らそうというのが狙われているところです。
端的に本来、放射性物質の最終処分場に持っていくべきものを公共事業で使ってしまおうというものですから、公共事業の場を最終処分場に変えてしまう恐ろしい方針です。

さてこの問題をきちんとおさえるためには、前提となることがらを踏まえておく必要性があります。
最も重要なことは、福島原発事故が起こり、膨大な放射能が原子炉から環境中に飛び出してしまったとき、この国にはこの事態に対処する法的な枠組みがなかったことです。
なぜかと言えば、原発敷地外への重大な放射能漏れは「絶対におきない」と強弁してきたため、これに対応する法律も作られていなかったのです。
放射性物質以外のさまざまな汚染物質に対しては、環境保護の観点から幾つかの法律が作られ、規制が実行されてきたのですが、それらのどれも放射性物質を除外しています。

この「無法」状態の中で膨大な放射能が飛び出してきてしまったわけですが、当初政府は、主に放射能がたっぷり降ってしまった福島県内の災害廃棄物(=放射性廃棄物)をどう扱うのかに関心を寄せていました。
ところが先に顕在化したのは福島だけでなく各地の下水汚泥の問題でした。放射性物質が下水を通して集められ、汚泥に濃縮されてしまったからですが、深刻だったのはこれらの汚泥がそれまでセメントに混ぜるなど建築資材として利用されてきたことでした。
福島原発事故後も、この汚泥流通システムにストップがかけられなかったため、放射能に汚染された汚泥が建築資材にまわってしまったのです。 (さらに…)

2013.10.02

明日に向けて(747)福島の声をもっといろんな人たちに知って欲しい!(真行寺佐々木住職談)下

守田です。(20131002 08:00)

福島県二本松市の真行寺佐々木住職の発言の後半をお送りします。
なお佐々木さんの発言の最後の方に「悲願」という言葉が出てきますが、これは佐々木さんの前に話された長田さんの講演内容を受けたものです。長田さんはそこで「悲願」について述べられましたが、これは仏教、とくに真宗のみなさんにとってとても大切な言葉です。
真宗大谷派のホームページを開いてみると、悲願について「仏・菩薩が衆生の苦しみを救うために誓われた願のことで、特に阿弥陀仏の本願をさす言葉」という説明が出てきます。これを頭の隅に置きつつ、まずは発言後半をお読みください。
http://www.higashihonganji.or.jp/sermon/word/word60.html (さらに…)

2013.10.01

明日に向けて(746)福島の声をもっといろんな人たちに知って欲しい!(真行寺佐々木住職談)上

守田です。(20131001 23:30)

9月27日東京、28日加古川、29日京都と連続で講演し、またまたたくさんの人たちと出会いました。あまりに多くのことがあり、記録や記事化がまったく追いつかないことが歯がゆいです。
ともあれ各地で出迎えてくださったみなさん、講演を聴きにかけつけてくださったみなさんに、心から感謝をささげたいと思います。

さて今日は、京都で行われた真宗大谷派の原発問題の企画に参加し、長田浩昭さん(京都教区法傳寺住職)の「原発と国家」という講演と、佐々木道範さん(福島県二本松市真行寺住職)のお話を聞いてきました。
どちらも聞きごたえのある内容だったのですが、とくに福島の今を語った佐々木さんの話しは、胸の中にぐいぐいと入ってきて、思わず涙をこぼさずにはいられないものでした。大変、共感したので、帰りにあいさつし、ブログへの掲載の許可をいただいてきました。

佐々木さんは、福島県二本松のお寺で幼稚園もされている方です。TEAM二本松という測定所も開設されています。その奮闘の姿が、映画監督鎌仲ひとみさんが撮られた『内部被ばくを生き抜く』の中でも紹介されています。
http://www.naibuhibaku-ikinuku.com/

子どもたちを守るために、必死になって除染を繰り返す・・・しかしそんな姿に共感とともに「除染ではなく避難すべきだ」という強い声も返ってきているそうです。
僕はそんな佐々木さんの話をぜひ一度、じかにお聞きしたいと駆けつけたのですが、何というのでしょう。佐々木さんの語り方があまりに切なく、しかし奥底に強い何かが流れているのを感じて、とにもかくにも胸を締め付けられてしまいました。
文字起こしで伝えられないことを最初に書いておくと、佐々木さん、何度も話の中で深くため息をつかれるのです。ふーっ、ふーっと。そして「僕にも何が正しいか分からないのですよね。でも」と語りつづけられる。そしてまたふーっと息とつく。
それを繰り返しながら、とつとつと語りつづけられるのです。文字通り、絞り出すようにしながら、それでいて、淡々と、淡々と語りつづけられるのです。

佐々木さんが語っているのは、福島の今の苦しみと悲しみです。しかしそのもう一方で、佐々木さんは、その苦しみと悲しみに寄り添う、ご自身の生きる意味を確かめながら話されているようにも思えました。
その語りは、嘆きの吐露のようでありながら、他方で、力強い、信仰の告白であるようにも思えました。その切なさと、しかしその底で強い何かをつかみ取ろうともがいているように見えるその姿が、僕の胸を締め付け、深く揺り動かしました。
ここには今の私たちがみんなでシェアすべきかけがえのないものがあると僕は思っています。ただそれが何であるかを文字化することはせず、みなさんの受け取りに委ねようと思います。どうかぜひ佐々木住職の声に耳を傾けられてください。
なお講演タイトルは「27年後のチェルノブイリを訪れて」でしたが、発言中の言葉の中からより内容にフィットしたものを僕がセレクトしました。長いので2回に分けます。 (さらに…)

Next »