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2017.02.05

明日に向けて(1352)原発建設の道を閉ざすためトルコ・ドイツを訪問します。ぜひご支援を!

守田です(20170205 23:30)

明日に向けて(1347)~(1351)で東芝の崩壊過程についての分析を行い、原子力産業が世界的に大きく衰退しつつあることを明らかにしました。
福島原発事故の当事者でもある東芝は、事故を反省し、原発建設をもうこれ以上進めてはならないこと、また進められる展望もあまりに薄いことをつかみとるべきだったのに、主観的願望を捨てなかったため、あたら傷口を広げ続けて今日に至りました。
この点では、三菱重工も日立製作所も、原発セールスに走り回ってきた安倍政権も同じ穴のむじなです。

日本の原子力村の、このモラルを欠いた無謀な流れになんとしてもとどめをさしていきたい。
そのための一環として僕はこの3月末から4月にトルコに7月末にドイツに行ってきます。ぜひみなさんの支援をお願いします。

トルコには、三菱重工がフランスのアレバ社と組んで黒海沿岸のシノップに原発を作ろうとしています。
これにはたくさんの問題がありますが、重要なのはトルコが日本と同じく地震大国であることです。しかも黒海沿岸に沿うように大きな断層帯が東西に走っており、これまでも大きな地震が起こっています。
そんなところに原発を輸出することなどあってはならない。日本人としての責任にかけて止めたいです。 (さらに…)

2017.02.04

明日に向けて(1351)展望とモラルを喪失した原発建設から全メーカーが撤退し廃炉公社を作るべきだ!

守田です(20170204 22:00)

崩れゆく東芝についての考察の第5回目、連載最終回をお届けします。
今回はこれまでの東芝の崩壊過程の細かな分析に踏まえて、より大きな観点から問題を再度、捉え返しておこうと思います。

表題にも掲げたように、東芝問題を分析する中から私たちがはっきりとつかみとっておくべきことは原子力事業が世界的に展望を失っていることです。同時に原子力産業は完全にモラルも失っています。
そもそもの東芝のつまづきは2006年にウェスチング・ハウス(WH)社を市場価格の2倍とも言われた6400億円で買収してしまったことに始まりました。そしてその後一貫して立ち直れなかったのでした。
それがなぜかをこれまで明らかにしてきましたが、強調したかったのは、東芝がここまで追い込まれてきてしまった主因が、福島原発事故を反省できなかったことにあることでした。

東芝は、採算の問題よりも、あれほどの被害を出した原子力事業を続けて良いのかという点をこそ問うべきだったのです。
原子力産業は何より危険すぎるからこそ展望がないのです。しかし東芝はそこから目を背けるばかりでした。 (さらに…)

2017.02.03

明日に向けて(1350)東芝崩壊はリスク管理が甘かったためではなく健全経営の観点を失ったためだ!

守田です(20170203 11:00)

東芝の崩壊の考察の4回目です。今回は現在の東芝の苦境の最大の因子となっている子会社のウェスチング・ハウス(WH)社とそのまた子会社のストーンアンドウェブスター(S&W)社について解析します。
昨年末、東芝が巨額の赤字を計上することになると発表した直接の原因は、子会社のWH社が買収したストーンアンドウェブスター社が7000億円とも推定される赤字を抱えていたからでした。
この報に接して誰もが思うのは、どうしてそんな赤字会社を買ってしまったのかということです。

実際に読売新聞は2月1日付の社説で次のように書いています。
「最大の問題は、東芝が子会社の損失を見抜けなかったことだ。」
「福島の原発事故以降、世界的に原発の安全基準が厳格化され、建設コストが高まる傾向にある。だが、東芝は度重なる損失発生を早期に把握できなかった。目の届きにくい海外事業のリスク管理が甘かったと言わざるを得ない。」
「日本の原発政策を前進させるためにも、東芝には着実な経営再建を求めたい。」

しかしことはそんなに単純でしょうか?「リスク管理が甘かった」ことで7000億円もの赤字を抱えている企業を買ってしまうのでしょうか。
分析があまりにも薄っぺらで甘いと言わざるを得ませんが、読売新聞の分析がそうなってしまうのは、同社がこの期におよんでも「日本の原発政策を前進させるためにも、東芝には着実な経営再建を求めたい」と平然と書いていることに根拠があります。
読売新聞もまたマスコミの中で突出して原発推進の旗を振ってきた企業です。だから福島原発事故に対しても相応の責任があるのに何ら反省をしていません。自らを振り返れない。だから東芝の問題もまともに分析できないのです。

東芝が買収対象の会社の赤字を見抜けなかった背景には、そもそも原発関連の事業がどれもこれも暗礁に乗り上げ、採算割れに至って、火の車になっていたことがあげられます。
このためリーマンショック直後からダメージが来ていたのですが、東芝はここでこの事態と立ち向かうことをせず、赤字を隠して粉飾決算に走ってしまったのでした。このためその後もたくさんの失策が隠されていったわけです。
あれだけの巨大企業ですから赤字や危機隠しは社内のセクション間でも行われていたでしょう。いや粉飾決算はごく限られた中枢で行われていたのでしょうが、そんな状態でそれぞれの持ち場のリスク管理だけがまともに進むわけがあるでしょうか。 (さらに…)

2017.02.01

明日に向けて(1348)米国での原発建設はすぐに提訴の泥沼にはまり東芝の展望を奪った!

守田です。(20170201 11:30)

東芝の海外での原発建設からの撤退に関する分析の続きです。
前回の記事でも明らかにしたように、東芝はいま子会社のWH(ウェスチング・ハウス)社が2015年12月に買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社が隠し持っていた7000億円という巨額な負債を背負い、大変な苦境に立っています。
東芝の株式資本は2016年9月末時点で3632億円。このままでは完全に債務の大幅超過になり倒産の危機に直面しており、民間銀行各社の他、政府系金融機関の日本政策投資銀行に救済を求めています。

日本政策投資銀行による救済は、郵便貯金や年金など国民の貯金を原資とする公金の貸付であり、とても容認できることではありません。
もちろん東芝もこうした救済が簡単に受けられるとは思っておらず、1月28日に原発部門の責任者で、WH社会長も務め、この会社の損失を隠した疑いを持たれている志賀重範会長を退任させることを発表しました。
同時にWH社現会長のダニー・ロデリック会長も退任の方向で調整していると言われています。本社と子会社のトップの首のすげ替えです。

それにしても東芝はどうしてこんな会社をWH社が買収することを許してしまったのでしょうか。またなぜWH社は巨額の赤字を抱えている会社を自らの子会社としてしまったのでしょうか。
さまざまな人士が分析を行っていますが、そのどれにも「はてな」がこびりついています。確証できる記事は出ておらず、2月14日の東芝による負債の詳細と再建策の発表が待たれている面もあります。
そのため現時点では推論に頼らざるを得ない面もありますが、ともあれより詳細な分析を行っておきたいと思います。

東芝のこの間の大きなつまづきは、2006年にアメリカのWH社を市場価格の2倍の6400億円で買収してしまったことにあります。
端的に言ってその後、その損失を一貫してカバーできなかったと言えます。結果的には、もともと原子力産業における世界的なリーディングカンパニーになろうとしたことが間違っていたのです。
では東芝の巻き返し策はなぜ、どのように失敗してしまったのでしょうか。今回はその点を追っていきたいと思います。 (さらに…)

2017.01.29

明日に向けて(1347)東芝が海外での原発建設から撤退!核なき未来がまた一歩近づいた!

守田です(20170129 23:00)

1月27日、東芝が重大な決定を発表しました。海外での原発建設から撤退するなど、同社の主力に位置づけてきた原発事業の大幅な見直しをするというのです。
理由はアメリカにおける原発事業で7000億円とも言われる赤字を出して経営が極度に悪化してしまったためです。
そもそも東芝は2016年9月末時点で株式資本が3632億円しかなく、資本増強をしないままに7千億円の赤字が確定すれば債務超過=倒産にすら発展しかねない状況にあります。

直接的な理由は、東芝の原子力部門の子会社であるアメリカのWH(ウェスチング・ハウス)社が買収したアメリカ原発建設会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社が巨額の赤字を持っていたことが判明したことによるもの。
なぜか東芝は調査が不十分なままにこの会社をWH社にほぼ対価なしで買収させてしまい、なんと7000億円とも言われる赤字をそのまま背負って大苦境に陥ってしまったのです。

この東芝の大崩壊について、マスコミ各社は主にアメリカにおける原発事業での失敗からばかりから原因分析を行っていますが、僕にはそこから解き明かすのが正しいとは思えません。
最も重要なのは福島第一原発事故の影響とその後の反原発運動の全世界的な発展によって核産業の未来が閉ざされてきたことにあるからです。その意味で私たちの努力が原発メーカーを追い詰め、核なき未来をまた一歩手繰り寄せているのでもあるのです。 (さらに…)