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2017.10.05

明日に向けて(1429)ショートムービー「希望の党☆」を観よう!

守田です(20171005 06:30)

ショートムービー「希望の党☆」をご覧になったことがありますか?

これは面白い!しかも深い!
製作はなんと「総務省・(財)明るい選挙推進協会」。
最近作られたのではありません。2005年の作品です。
監督は金子修介さん。まるで「いま」を予見したかのような作品です。

基本は選挙の大切さを訴え、投票を促しているムービーです。
しかしそこへの入り方が面白い。
一方でたとえ「選挙に行く」ことですら、他者を許さず、異論を排除する狭隘な「正義」となった場合、恐ろしさに転じかねないことが描かれているのです。

話はある平凡は家庭から始まります。高校生の娘は政治への関心が強く、選挙も大切だと思っています。
しかし両親は「誰が政治家になっても日本は変わらなくない?なくなくない?」とか語っていて、投票日にも早朝から二人で予定していたピクニックに行ってしまいます。
そんな中で、なんとにわかに登場してきた「希望の党」が政権を獲ってしまうのです。

そして暫く経ったある日「国民権利義務省」から父親に一通の封書が送られてきて、こう書かれていました。
「右のものは国民権利義務新法に基づきその選挙権を剥奪する」。
唖然としつつも「こんなの冗談だろう」と言う父親の前にいつのまにか「希望の党」に参加していた娘が現れてこう言います。
「今回の選挙は選挙権の見直しが課題だったのよ」「お父さん。だから選挙に行ってっていったじゃない」と。

その後、希望の党の暴走が始まります。犬を家から排除した女性が「生類憐みの法」によって逮捕されてしまいます。
「こんな感じで希望の党が政権を獲ってからは世の中が少しずつおかしくなっていき、気づいたときには誰にも止められなくなっていたのです」と述懐する父親。
さらに隣家の男性が、痴漢行為で死刑を宣告されてしまいますが、娘は断固支持。犯罪者は排除して当然、死刑にして当然と叫びます。

ところがその娘がやがて徴兵されてしまい・・・
父親は叫びます。「戦争反対に一票!」と。「俺は選挙権がなくても選挙に行くぞ」と。
~これ以上はぜひムービーをご覧ください。 (さらに…)

2017.10.04

明日に向けて(1428)この国を嘘つきから取り戻そう!

守田です(20171004 17:00)

総選挙に向けて自民、希望+維新、共産+社民+立憲民主+市民連合という三極構造が見えてきました。しかし三極といいながら実は機軸は改憲派と立憲派という構造であって二極の対決であると言えます。
同時に今回、問われて言るのは、政治家や選挙のあり方でもあることを私たちは見据えておかなければなりません。端的に言って「選挙に勝つためなら何をしてもいい」というあり方が正されなくてはならない。「この国を嘘つきから取り戻す」ことこそが問われているのです。

安倍政権は選挙のたびに争点を隠し、選挙が終わると公約すら軽々と捨てて、自分たちのやりたいことを押し通してきました。
「TPP反対!絶対にぶれない!」とかいいながら、TPP促進にまわったり、選挙で原発の話を徹底的に避けつつ、「しゅくしゅくと」再稼働を進めたり。

しかも「国難」だとかなんだかいいながら、もり・かけ問題に明らかなように、国の財産をどんどん奪い去って私腹を肥やしてばかりいるのが安倍政権とその取り巻きです。
その首領である安倍首相は批判に対してはすぐに居直り、平気で嘘を連発しながら逆切れすることを得意としています。いやもっと苦しくなると国会すら開かず、議論の場をなくしておいて解散総選挙を挙行し、都合の悪いことの書き消しに走っています。

これに手を貸して嘘の政治を延命させてきたのが公明党です。しかも公明党は確実に勝てるところ以外では候補者を立てずに自民党に票を回し、裏から影響力を及ぼしていくという手法を、もう長い間、とり続けてきて選挙制度をダメにしてきました。
それで自民党の劣化がますます進んだのです。選挙民などそっちのけで公明党からまわされた票をいかに首相から分けてもらうのかに腐心するおべんちゃら議員ばかりが増えてしまったからです。

こんなにひどい政治が蔓延し、憲法違反の戦争法が強行通過される中で、「野党は共闘!」という言葉を掲げた市民勢力が台頭し、下からの変革の機運が作られてきました。
「もり・かけ問題」もそんな中で明らかになり、安倍政権を倒せる可能性が高まってきました。

ところがいま「安倍政権打倒!」を合言葉にしつつ、「選挙に勝つためなら何をしてもいい」という新たなひどい動きが始まりました。「希望の党」の結成と民進党の解党のもとでの合流です。(以下、希望、民進と略します)
この過程はあまりにひどい。いまの日本の嘘にまみれた政治のひどさが露骨に表れています。

いま、問われているのは、憲法を守ることとともに、「選挙に勝つためなら何をしてもいい」「政治家は嘘をついて当然」というような歪み切った風潮を正すことです。
そうです。私たちは今こそ、嘘つきからこの国を奪い返さなくてはならないのです! (さらに…)

2017.09.07

明日に向けて(1424)一番大事なのはアメリカに朝鮮との平和友好条約を結ばせること!

守田です(20170907 10:30)

前回の続きを書きます。
アメリカと朝鮮はいま、シビアな緊張関係の中にありますが、ではこの関係の中で朝鮮が主張してきたことは何なのかに着目してみたいと思います。みなさんはどう思われますか。
答えは実にこの戦争状態の終結なのです。「朝米平和友好条約の締結」こそが朝鮮が求め続けていることなのです。
例えば2015年10月1日に第70回国連総会に参加した朝鮮の当時の外相であるリ・スヨン(李洙ヨン)氏は以下のように述べています。

「朝鮮民主主義人民共和国政府は、朝鮮半島における戦争や紛争阻止のために建設的対話をする用意があるが、それは、米国がマスコミを通じ誰かの挑発について主張せず、現行の休戦合意に代え、完全な平和条約に調印して初めて可能となる。
これが、我々が為しうる最高のバリエーションであり、我々がここで提案できる最高の解決策である」
スプートニク 2015年10月02日
https://jp.sputniknews.com/politics/20151002980981/

また同年10月17日に朝鮮外務省は声明の中で以下のように示しています。

「朝鮮半島で平和を保障する方法は二つしかない。
米国が対朝鮮敵視政策を改め平和協定の締結に応じ「信頼に基づく真の恒久的な平和を樹立」する方法か、もしくは朝鮮が核抑止力に基づく自衛的国防力を一層強化し、米国の度重なる核の威嚇と戦争挑発行為を抑える「冷戦の方法」である」
Korea File 2015 No.5 20151228
http://www.chongryon.com/j/kr_news/file/kf15_5.pdf

このように朝鮮は、平和友好条約による「真の恒久的な平和」の創造を求めてきているのであり、それにアメリカが応じないなら「米国の度重なる核の威嚇と戦争挑発行為を抑える「冷戦の方法」」をとらざるを得ないと語り続けてきているのです。
ここには、「真の恒久的な平和」が創造されれば「冷戦方法」はとる必要がなくなり、核兵器開発もしなくてすむという朝鮮の側のメッセージを読み取ることが可能です。

しかしアメリカは朝鮮戦争を最後的に終結させようという朝鮮の要請をことごとく無視してきました。そうなると在韓米軍や在日米軍の存在意義が著し低くなってしまうからです。
日本の安倍首相も、軍事大国への道を歩みたいがゆえに、同じように朝鮮の要請を無視してきました。平和になってしまうと軍拡できないので、朝鮮が「適度に暴れる」方が都合が良いからでしょう。
それどころかこの間、森友・加計問題で追い詰められている安倍首相は、ぎりぎりのがけっぷちにいるときに、朝鮮がミサイルを発射したために支持率がちょっと回復することで助けられてさえきました。
僕は一部の方たちが言うように、両政府が裏でつながっているとまでは思っていませんが、しかし朝鮮の対アメリカ対決路線が、日本の極右政権に有利に働いていることは事実です。 (さらに…)

2017.09.06

明日に向けて(1423)核実験―緊張を深める朝鮮半島情勢の背後にある隠された事実をつかもう

守田です(20170906 16:00)

9月2日に滋賀県朽木村に向かい、山水人に参加してお話してきました。「原発からの命の守り方」と「戦争からの命の守り方」を柱とした話でした。
3日は彦根にいって「くらしとせいじカフェ@ひこね」に参加してきましたが、ちょうどそのころ朝鮮民主主義共和国が新たな核実験をしたことが報じられました。
これを踏まえて、山水人で朝鮮半島情勢について語った観点をお送りしたいと思います。

まず朝鮮民主主義人民共和国が行った6回目の核実験に対して、心からの怒りを表明します。
核兵器はあらゆる兵器の中でも最も非人道的なものです。破壊力がけた違いにすごく、環境や次世代へ計り知れない影響を与えるからです。
実はこの爆弾のひどさは原爆投下から72年経って、さらに明らかにされつつあります。すさまじい光線によって血管内部の水蒸気が蒸発して血管破裂をおこし、数日かけてじわじわと人を悶絶の苦しみの上に殺していったことが明らかになったからです。
これらの点についてはより詳しくは、本年8月に報道されたNHKスペシャル『被爆死 ヒロシマ 72年目の真実』に着目されてください。すでに「明日に向けて」で番組の文字起こしを行っています。

肝心なことはこのようにあまりに非人道的な核兵器は、どの国も使用することも、威嚇に使うことも許されないと言うことです。
朝鮮民主主義人民共和国が行ったからではなく、どの国も等しく、使用はもちろん、実験も所有も認められないのです。
これらは本年7月7日に採択された核兵器禁止条約にもはっきりと書き込まれています。

この点で、アメリカがこの核実験を批判するならば、同国も即刻、核武装を止めるべきであることは言うまでもないことですし、日本もまた朝鮮だけを批判し、アメリカの暴力は全面的に擁護しているあり方を抜本的に変えなくてはなりません。
にも関わらずアメリカに追従して核兵器禁止条約に不参加の態度を決め込んだ日本政府の姿勢は、結局は核兵器による威嚇を容認するものであり、それでどうして朝鮮を批判できるのでしょうか。なんの説得力もありません。
核兵器はどの国も実践にも威嚇にも使用してはならないし、だから製造も実験も、等しく認められないというのが「国際社会」の圧倒的多数派の見解なのです。いつでもどこでも貫かれなければならないのはこの原則です。

これを踏まえた上で、この間の朝鮮半島をめぐる軍事的緊張関係の本質を紐解いていきましょう。
核実験の直前の8月29日には、平壌から弾道ミサイルが撃たれ、北海道の上空を飛翔して太平洋に落ちました。アメリカへの威嚇とされました。
これに対してアメリカは31日に戦略爆撃機B1とステルス戦闘爆撃機F35を韓国上空に派遣。韓国軍とともに空襲訓練を行いました。B1との朝鮮半島近くの海域での訓練には自衛隊機も参加しています。

どうみたって双方が「威嚇」しているのですが、平壌からのミサイルが米本土には届かないことに対し、アメリカはかの国の目と鼻の先の韓国で、戦略爆撃機から爆弾を落としているのですから、客観的に見て、こちらの方が脅威の度合いが圧倒的に高いです。
核実験にしてもアメリカはこれまで1000回も繰り返し、膨大な量の核弾頭を持っているのですから同じことです。そればかりかここ数年、アメリカは朝鮮民主主義人民共和国の指導者の「首を獲る」、斬首作戦をちらつかせてすらいます。
この部隊は「暗殺部隊」と呼ばれています。非合法的な殺人部隊であることの公言ですが、どうしてこういうときだけ「テロリスト」とは言われないのでしょうか。しかも日本国内では、かの国からのミサイル発射だけが「挑発」と報道されています。あまりにおかしいです。 (さらに…)

2017.01.19

明日に向けて(1343)トランプはなぜ勝ったのか?アメリカで何が起こっているのか?

守田です。(20170119 23:30)

昨年のアメリカ大統領選で、ドナルド・トランプがヒラリー・クリントンに「まさか」の勝利をおさめました。

とうとう20日(日本時間では21日未明)に就任式を迎えようとしていますが、今のところ50人以上の議員がボイコットを表明しています。
中心になっているのは、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師とともに、公民権運動を闘ってきたジョン・ルイス下院議員(民主党)。
あからさまな差別を口にし、排外主義をあおるトランプへの怒りが就任前から表明されていると言えます。

就任式に際してワシントンに集まるのはオバマ大統領の就任式のときの半分ぐらい。しかもそのうちの相当数が就任反対デモを行うと言われています。
僕も当然ですが、差別と排外主義の塊であるトランプ氏に何ら共感するものはありません。
それどころか、障がい者の真似をして笑いをとったり、メキシコ人やイスラム教徒を犯罪者扱いする彼の価値観に全面的に反対です。

しかし解き明かすべきことがあります。どうしてあれほど暴言を吐いているトランプが勝ち、マスコミのほとんどを味方につけ、優勢が伝えられていたヒラリー・クリントンが負けてしまったのかです。
このことを解き明かすためには、そもそもいまアメリカ社会はどうなっているのかを分析していく必要があります。

アメリカの現状分析についてはジャーナリストの堤未果さんが系統的に書き続けていて僕も共感してきました。
この小論でお伝えする僕のアメリカの現状分析も、多くを堤さんの本に依拠していることを初めにお伝えしておきます。
実はその堤さんの本を読んでいた方の多くは「トランプが勝つ事もあるかもしれない」と思っていたようです。
あるいは先日、僕が昨年対談したアーサー・ビナードさんもそんなことを言っていたし、アメリカでは映画監督のマイケル・ムーアなどもトランプの勝利を予想していたようです。

実は僕も選挙中から「トランプがひどいといっても、ヒラリー・クリントンが良いともまったく思えない」と強く感じていました。
というよりヒラリーはイラク戦争を支持してきた戦争屋であり、ウォール街をバックにして、貧富の格差を広げてきた張本人の一人でもあるがゆえに極めて批判的でした。
さらにオバマ政権のもとでなされたのも貧富の格差の拡大であり、イラク戦争の継続であり、結果としてシリアを滅茶苦茶な状況においやる政策で、何も評価できるものはないと思っていました。
そのため「トランプが下卑たことを言い続けて、ヒラリーがリベラルな顔をして次期大統領になるのは嫌だな」とも思っていました。

アメリカは1970年代後半より新自由主義の道をひた走り続けています。
いま世界はその流れにどんどん引き込まれつつあります。もちろん日本もです。
そのアメリカはいま、いわば「新自由主義のはて」に近づきつつあり、帝国としての大崩壊に向かっているのではないでしょうか。
今回の大統領選の中には、実はこのことへの民衆の側からの気づきという側面もあったのではないかとも僕には思えます。

トランプが圧勝で排外主義が全面化しているのであったら、20日のワシントンには差別主義者、排外主義者の万歳のみが響きわたることになるでしょう。
しかし就任式を前にしたワシントンからは、オバマ就任式のときのような熱気が伝わってきません。トランプへの期待はけして大きくはないのです。
いや、「ヒラリーだけには勝たせたくない」とおそらくは「究極の選択」でトランプに投票した「隠れトランプ派」が、今度はトランプ批判デモに立ちあがりつつあるのではないか。そんな風にも思えます。
今回はそんな点を掘り下げていくために、アメリカ社会でいま起こっていることを分析していきたいと思います。 (さらに…)

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