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2017.09.01

明日に向けて(1422)原発からの命の守り方と、戦争からの命の守り方についてお話します!

守田です(20170901 21:00)

今週末からまた各地でお話します!ぜひ近くの場にお越しください。
それぞれの現場で話す内容は変わりますが、基本的には「原発からの命の守り方」と「戦争からの命の守り方」についてお話します。

「原発からの命の守り方」については再稼働している川内、伊方、高浜原発の危険性と、災害に対してどのように備えたら良いのかをお話します。
いつものことですが、その際、災害全般を問題にします。災害に備えるために共通する事項が多いためです。
とくに今年は各地で洪水が多発しました。しかもどこも年間降水量の半分近くが1日で降るようなとんでもない状態になっています。
今日9月1日は関東大震災のあった日で、全国的に「防災の日」ですが、迫りくる南海トラフ地震の危機や東海大地震に本当に備えるものになっていません。
いやそればかりか利根川や淀川の堤防決壊の恐れも現実味を帯びてきており、まじめに国防を考えるならもっと抜本的な災害対策を進める必要があります。

にもかかわらず政府はこの現実を無視して、愚かにも原発を再稼働させてしまいました。
危機意識が根本的に欠如しています。東日本大震災の教訓すら生かされていない。いわんや福島原発事故の教訓など何一つ引き出していない。
こんな政府に命をゆだねていたらダメです!この点についてもっと具体的なお話をします。

同時に今回は「戦争からの命の守り方」についてもお話します。
この間、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国の間で軍事的なテンションがあがり、ミサイルが北海道を越えて撃たれたり、朝鮮半島上空にアメリカの戦略爆撃機が展開したりして、注目が集まっているからです。
その際、「戦争からの命の守り方」の基礎中の基礎は、戦争に向けて、国民・住民を動員するための嘘のカラクリを見破る観点を身に付けることです。
戦争をおこす側が常に問題とするのは、自国民の戦争に向けた意志をいかに作りだすかで、端的には「敵国」の脅威をあおり、憎しみを植え付けようとします。
朝鮮半島問題ではそれがどのように行われているのか、嘘のカラクリの軸にあるのは何かについてお話します。

ぜひお近くの場にお越しください!以下、それぞれのスケジュールをご紹介します。 (さらに…)

2016.10.16

明日に向けて(1309)新潟知事選で柏崎刈羽原発再稼働を認めない米山さんが当選!

守田です。(20161016 23:30)

このところ島根原発の取材を踏まえて沸騰水型原発の特有の危険性をレポートしてきましたが、その沸騰水型原発の柏崎刈羽原発を抱える新潟県の知事選で、同原発の再稼働を認めない前泉田知事の路線継承を掲げた米山さんが当選しました。素晴らしい!
7月に行われた鹿児島知事選での三反園さんの当選に継ぐ快挙です。これは全国で原発再稼働反対の声をあげて活動しているみなさんの努力が生み出したものに違いありません。
そのうちの一つである京都駅前にある関西電力京都支社前で毎週金曜日に行わている抗議行動に先週の14日に参加してきましたが、この日で225回を数えるとのことでした。
同じように全国で電力会社前などの抗議行動が200回を超えています。不屈の行動です。この行動が鹿児島県での三反園さんの勝利に継ぐ、今回の選挙結果をもたらしたのです。

私たちはこの民衆の力をさらに成長させていきましょう。そのために三反園さん、米山さんに全国からエールを送り、支え続けましょう。
すでに川内原発1号機は10月6日午前6時過ぎに定期点検のために停止しています。再稼働は12月8日にも予定されているそうですが、原発に厳しい態度をとり続けている三反園さんが合意しなければ困難です。
米山さんの勝利は、保守王国と言われる鹿児島県の中で猛烈に吹いているであろう再稼働に向けた逆風の中で奮闘している三反園さんを大きく勇気づけたことでしょう。
だからこそいま、私たちはより大きな声をあげて、当選したばかりの、再稼働に立ち向かおうとしている知事たちの背中を押していく必要があります。ぜひみなさん、電話、FAX、メール、その他あらゆる手段で三反園さん、米山さんへの激励を続けましょう。

僕にとっては、今回の米山さんの当選は、島根原発を取材して、沸騰水型原発の特有の危険性とあらためて向い合っている時だけになおさら嬉しいものがありました。
ここで米山さんをさらに応援するためにもみなさんと柏崎刈羽原発の構造をしっかりとおさえておきたいと思いますが、まずみなさんに知っていただきたいのは、この原発は合計で7つの原子炉を有し、総合出力で世界最大を誇る原発だと言うことです。
もっとも現状ではすべての炉が停まっているわけで、世界最大であるがゆえに反対に世界の原子力村に与える影響も甚大なのです。何せ、世界で一番ウランを買って使ってくれる原発が動いてないからです。
このためウラン燃料製造の世界4大会社の一つだったユーゼックが2014年3月5日に倒産しました。それほどにこの原発が停まっていること、より正確には私たち民衆が停めている影響は大きいのです。

さて原子炉の構造からみると柏崎刈羽原発の特徴はどのようなものでしょうか。この原発は1号機がマークⅠ型、2号機から5号機までがマークⅡ型改の格納容器を使っています。
さらに6、7号機が前回の記事で、その危険性を指摘した改良沸騰水型原子炉(ABWR)が採用されています。
2007年7月にこの原発を中越沖地震が襲いましたが、そのときに動いていたのは2、3、4、7号機。緊急停止には成功しましたが、その後、2~4号機はそのまままったく動いていません。9年3カ月にもなりますからもはや機械としてダメでしょう。
これに対して1号機と5~7号機は地震から数年経って営業運転を開始しましたが、これらも福島第一原発事故を経て停止中です。

さて柏崎刈羽原発の固有の危険性はなんでしょうか。まずは1~5号機までがマークⅡおよびその改良型を使用していることです。再びアトミカの図で構造を確認しておきましょう。
沸騰水型原子炉の変遷
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02010101/10.gif

実はこのマークⅡはその前のマークⅠよりも恐ろしい危険性を持っています。図から明らかなように圧力容器の真下にプールがあるからです。
おそらくは原子炉内でメルトダウンからメルトスルーに発展することなどあり得ないと思われた時にこのような設計がなされたのでしょうが、ここでもし核燃料が溶けだして、圧力容器下部を突き破るメルトスルーが起きたら破局的なことが起こります。
2000度前後の燃料デブリが直接、プールの中に落下するからです。そうすると一挙にプールの水が蒸気化し、急激に体積が大きくなって爆発を起こしてしまいます。水蒸気爆発です。
そうしたら格納容器は内側から崩壊し、内部の核燃料の多くが環境中に飛び出してしまいます。福島原発事故をはるかに上回る破局がもたらせられます。
僕にはなぜマークⅠ型からⅡ型にステップアップしたときに、Ⅰ型よりも圧倒的に危ない構造にこの原子炉が「進歩」したのか合理的な理由、ないしメーカーが合理的だと思っていた理由が分からないのですが、ともあれ極端に危ないことはよく分かります。

それでは6、7号機ではどうでしょうか。東京電力が再稼働を目指しているのはこの二つのABWRの原子炉ですが、前回、つぶさにみてきたようにこの原子炉はそれ以前のものより格納容器内の空間の体積もプールの容量も相対的に少なくなっています。
出力を大きくするという経済性のみが優先されて、安全マージンが削られてしまった結果であって、出力が大きくなっている分だけ、より危険性も増しています。
そう考えると帰ってマークⅠ型の方が、他の炉よりも安全マージンが高いようにすら見えてくるのですが、そのマークⅠ型を1号機から5号機まで使っていたのが福島第一原発であり、そこであれほどの放射能大量漏洩事故が起こったのです。
これらを考えるならば柏崎刈羽原発1~7号機が極めて危険性の高い原発であることがよく見えてくると思います。

さらに重要なのはこの原発を中越沖地震の際に、設計上の想定を大きく上回る地震が襲ったことです。
それ以降、停まったままの3号機をみるならば、建屋1階で2058ガル(想定834ガル)、地下3階で581ガル(想定239ガル)、3号機原子炉建屋基礎で384ガル(想定193ガル)が観測されています。
どれも設計基準を大幅に上回る揺れでした。その大揺れが原発に与えたダメージが全面的に補修されたとはとても言えないでしょうし、なおかつ同原発が再びこうした揺れに襲われることがありうることもこの数値は示しています。
2007年の地震の時には、幸運にも制御棒が炉心に入って運転が停まりましたが、次のときに同じように停まる保障などまったくない。なんといっても地震の揺れが設計基準を倍以上も上回っていたからです。

ちなみに前知事の泉田さんはこのような沸騰水型原発の危険性を実によく把握して、再稼働反対を唱えられていました。とくに泉田さんが強調されていたのは格納容器の崩壊を防ぐと称したベントは認められないと言うことで、次のように語られていました。
「フィルターベントは放射能を放出する装置ですから、健康に影響ある被曝をするような装置はOKできません。
したがってこれから避難計画との整合性や機器の性能もチェックする。つまり住民の健康が守れないということが明らかになれば、今回の(東電の再稼働に向けた・・・守田注)申請の承認は無効です。
県の了解を取れない限り、ベントの運用ができないということは、稼働できないということなんです」。・・・実に鮮明です!

今回の選挙はそもそもこの前泉田知事が、新潟日報などの執拗な県政糾弾攻撃を受け続け、再選に向けた出馬を断念するという事態を受けて行われたものでした。
自民党、公明党が稼働容認の候補を擁立したわけですが、先にも述べた如く、この背景に世界の原子力村の熱いまなざしがあったことは間違いありません。
これに対して米山さんは、共産党と自由党(旧生活の党)、社民党の推薦を受け、自由投票にした民進党の事実上の支援も受けながら、与党勢力、あるいは世界の原子力村の思惑を打ち破って当選したのです。痛快です。

この流れをさらに強めるために、みなさんと一緒に原発の危険性の構造的把握を続けていきたいと思います。

*****

連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。
三反園さんや米山さんを支えるためにももっと行動力を増して、各地を訪ね歩きたい思っています。今回はそのための資金提供を訴えます。
よろしくお願いします。

振り込み先を記しておきます。
振込先 郵貯ぎんこう なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
他の金融機関からのお振り込みの場合は
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2016.09.16

明日に向けて(1303)川内原発にもろい鉄材が使われている可能性が浮上!ただちに運転停止すべきだ!

守田です。(20160916 23:30)

原発の危険性をめぐる新たな可能性が浮上しています。
問題が明らかになったのはフランスでのことでした。2014年、フランスのアレバ社が建設中のフラマンビル3号機と同型の原子炉圧力容器の上蓋に「炭素偏析」があることを確認しました。
「炭素偏析」とは鋼材中に含まれる炭素の濃度が局所的に高い部分のことです。鉄には幾つかの元素が混じりやすいのですが、とくに性質に大きな影響を与えるのが炭素で、その濃度によって少ない方から「純鉄」「鋼」「鋳鉄」と分類されます。
この際、さらに濃度が高くなると、材料が硬くなる一方、脆くなる性質があり、機械的強度が低下するおそれがあるのですが、この炭素濃度が基準以上に高い部分が見つかり、強度が疑われる事態が見つかったということです。

この事態を受けて、フランス原子力安全局(ASN)が調査を開始しましたが、本年2016年6月23日に、フランスで運転中の58基の加圧水型原発のうち、18基で問題があると発表しました。
これらの原発の蒸気発生器の水室の機械的強度が想定よりも低い可能性があるとされたのですが、問題はこの部分の製造を、フランスのクルゾ・フォルジュ社と日本の日本鋳鍛鋼株式会社(以下JCFCと略)が担っていたことが明らかになったことでした。
脆い可能性が指摘された鉄材を日本のメーカーが製造していたわけですから、当然にもそれが国内でも使用されている可能性が出てきたわけです。
このため原子力規制庁が8月24日に以下の文章を発し、全国の電力会社の原発でこのJCFCの製品が使われていないかどうかが調査され、9月2日に報告書が提出されました。

仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査の実施について(案)
https://www.nsr.go.jp/data/000161479.pdf

発電用原子炉設置者から仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査に関する報告書を受領
https://www.nsr.go.jp/disclosure/law/NRP/00000005.html

この9月2日の報告書で極めて重要なことが明らかになりました。強度の脆い鉄材を供給した恐れのあるJCFCの製品が、日本でも9原発17基に使用されていることが明らかになったのです。
以下、どの原発のどの部署に問題の鉄材が使われているのか、報告書からまとめた内容を列挙します。

北海道電力
泊原発1号機、2号機
蒸気発生器一次側鏡板

東京電力
福島第二原発2号機、4号機
原子炉圧力容器上蓋と下鏡

北陸電力
志賀原発1号機
原子炉圧力容器上蓋と下鏡

関西電力
高浜原発2号機
原子炉上蓋
高浜原発3号機、4号機
蒸気発生器一次側鏡板
大飯原発1号機、2号機
原子炉上蓋

四国電力
伊方原発2号機
原子炉上蓋

九州電力
玄海原発2号機
原子炉上蓋
玄海原発3号機、4号機
原子炉上蓋と胴部
川内原発1号機
原子炉胴部
川内原発2号機
原子炉胴部と蒸気発生器一次側鏡板

日本原子力発電
敦賀原発2号機
原子炉胴部と蒸気発生器一次側鏡板

ちなみに言葉の説明を行っておきます。
ここで原子炉と言われているのは核分裂が行われている炉心を中に収めている原子炉圧力容器のこと。
その上部に「上蓋」があり、「胴部」があり、下部に「下鏡」があります。原子力百科事典ATOMICAより当該部分の図を示しておきます。

BWR原子炉容器 (02-03-03-01)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030301/03.gif

蒸気発生器一次側鏡板とは原子炉容器の下鏡に相当する部分です。「鏡板」と明示されていませんが、同じくATOMICAより当該部分の図を示しておきます。

PWRの蒸気発生器 (02-08-01-03)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02080103/02.gif

これらの部分に脆い鉄材が使わている可能性があるわけですが、実に日本の原発の4割に相当する9原発17基で同じJCFCの製品が使われているのです。
中でも注目すべきなのは川内原発1号機2号機がこの中に含まれていることです。設計上、必要とされる機械的強度が出ていない可能性が浮上しているのですからただちに稼働を停止すべきです。
また再稼働の審査に入っている玄海原発も含まれていますし、新規制基準に合格し稼動したものの大津地裁の命令で停止している高浜原発3、4号機も含まれています。

さらに9月14日には原子力規制委員会より、フランス当局からの報告として、やはりJCFCが納入した鋼材の不純物濃度が基準を超えていたことが明らかにされました。
ますます9原発17基も同じく脆弱な鋼材で作られている可能性が高まったと言えます。

鋼材不純物が基準超え、仏原発 日本製設備、強度不足疑いで調査
東京新聞 2016年9月14日 13時47分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091401001234.html

ここで少しくこの東京新聞掲載の共同通信の記事に補足を行います。記事には以下のように書かれています。
「同社は日本国内で、稼働中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)を含む8原発13基の原子炉圧力容器を製造しており、電力各社が現在、調査を続けている。」

これでは問題は13基でしか起こっていないかのように見えますが、実は「原子炉圧力容器を製造しており」というところにトリックがあります。
これ以外に4基の原発の蒸気発生器一次側鏡板にも同社の鋼材が使ってあるのに、原子力規制委員会が「原子炉圧力容器」だけを強調しているのです。
9月14日にリリースされた以下の資料の26ページ目をご覧になってください。同社製の原子炉圧力容器の当該箇所が青でマークされていますが、蒸気発生器が無視されています。鍛造と鋳造を分けたのかもですが、それにしてもなんとも姑息な発表です。

第4回日仏規制当局間会合の結果報告
https://www.nsr.go.jp/data/000163716.pdf

さて今回は発表された資料の解析はこれぐらいにしておきたいと思いますが、問題は加圧水型原発でより深刻であることを指摘しておきたいと思います。
なぜなら加圧水型原発は、その名のごとく炉心を流れる一次冷却水を150気圧に加圧しているからです。
このことで一次冷却水の温度を300℃まであげて蒸気発生器に誘い、ここで二次冷却水と細管で接して熱を二次系に移し、蒸気を発生させてタービンを回して発電しているわけです。
このため原子炉圧力容器に、沸騰水型原発よりも大きな圧力がかかり続けています。この圧力に耐えて一次冷却水を封じ込めている容器の鋼材が設定した強度を持っていない可能性があるのですからとても恐ろしいです。

またこれまで繰り返し述べてきたように、この加圧水型原発は、この蒸気発生器に致命的な欠陥を抱えています。
細管の中を300度の熱湯が150気圧もの力で周って、熱を伝えているのですが、圧力に耐えるためにはパイプの肉厚が大きいほどよく、熱伝導のためには肉厚が小さい方がいいという矛盾構造を抱えています。
このため圧力に十分に耐えるだけ厚くすることができないがために、度々、ピンホールが空いてしまい、定期点検で見つけるたびに穴のあいた細管に栓をして稼動しているありさまです。
それも間に合えばよいものの、かつて美浜原発で細管が完全破断するギロチン切断事故も起こってしまい、メルトダウン寸前にすら陥ってしまいました。

このような構造的欠陥を持っているがために、蒸気発生器は古くなると新品に交換されてきました。これはもともとも設計仕様にはないことです。
原子炉圧力容器と蒸気発生器の周りにはこれらをおさめた原子炉格納容器があります。この容器の役目は万が一の事故のときに放射能を閉じこめること。
そのため堅牢さが求められるわけですが、もともとの設計仕様にはなかった蒸気発生器の交換は、この堅牢さが求められる格納容器に大きな穴をあけて行われているのです。
本来の設計思想から言えば、加圧水型原発はこの点からだけでも設計をやり直さなければならないのです。

しかし蒸気発生器の交換というもともとは想定していなかった「反則技」を使って延命してきたのが加圧水型原発なのですが、実は今、大きな行き詰まりにぶつかりつつあります。
この原発の日本のメーカーは三菱重工であり、同社がJCFCが納入した鋼材を使ったこの部品を組み立てているわけですが、同社がアメリカのサンオノフレ原発に輸出した同部品が致命的な事故を起こし、同原発が廃炉になってしまったからです。
このため三菱重工は9300億円の損害請求裁判を起こされていますが、より問題なのは最新型の蒸気発生器にしてこの事故を起こしてしまったことです。要するに技術として確立できていないのです。

その上に今回のこの蒸気発生器の下部、一次冷却水側の水質を覆っている鏡板が脆弱な可能性があることが浮上してきたのです。
ここもまた150気圧の水圧に激しく晒されている場所であり、鋼材の脆弱性は極めて危険であると言えます。

さらにさらにもう一つ、この150気圧で周っている一次冷却水の配管に差し込まれた「一次冷却材ポンプ」にも構造的欠陥があることを「明日に向けて」で明らかにしてきました。
流れを促進するために回しているプロペラのモータの軸部分に150気圧の水圧がかかるため、故障を度々起こしてきた問題です。

以上から川内原発1号機、2号機をただちに停止させるべきことを訴えます!
そもそもこうした問題が次々と出てくることそのものに、原子力発電の安全な展開の不可能性が表れているのです。
全原発を廃炉にし、原子力行政を最後的に閉ざすことを求めます。

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連載1300回越えに際して、カンパを訴えています。
今回はこのように原発の構造的分析、事故等々のリアルな解析活動を支えるものとしての資金提供をお願いしたいと思います。
かなり時間のかかる作業です。ぜひお力をお貸しください。

今回も振り込み先を記しておきます。よろしくお願いします。

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2016.09.01

明日に向けて(1299)一次冷却材ポンプ、再循環ポンプは原発のアキレス腱!川内、伊方原発をただちに停止すべきだ!

守田です。(20160901 11:30)

7月17日に伊方原発3号機で一次冷却材ポンプの故障事故が起こりました。
四電は予定されていた7月末の再稼働を断念、部品の取り換えなど大掛かりな修理を行い、8月12日に再稼働を強行しました。
しかし細かく調べてみるとこの一次冷却水ポンプはこれまでも繰り返し事故を起こしてきたことが分かりました。
また四電の事故に関する発表を分析してみると、格納容器の耐圧試験で壊れてしまったこと、にもかかわらず再び予備部品への交換だけで対処に代えられたことが分かりました。

僕はこれらの事態から、そもそもこの一次冷却材ポンプには構造的欠陥があり、だから事故を繰り返してきたのではないかと推論しました。
この点に関して専門の技術者からの助言を得たいと考えて、元東芝の技術者の小倉志郎さんにお尋ねしました。
小倉さんは『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社)を書かれた方で、同じく元東芝の格納容器設計者だった後藤政志さんの先輩にあたります。「原子力プラントに誰よりも精通した方」と後藤さんよりご紹介いただきました。

小倉さんはこのように指摘してくださいました。
「問題の伊方原発3号機ポンプ故障についてですが、守田さんのご指摘の通り、この軸シール=軸封装置=こそ、原子炉システムの「アキレス腱」です。そして、この装置については政府=原子力規制庁=の技術基準はありません。
原子炉圧力バウンダリーを構成する箇所でありながら、「溶接部」「フランジ部」とは異なり、圧力に耐えている部品同志が相対的に移動しあっているのですから、内部から液体が漏れるのを防ぐのは至難です。
とりわけ、原子炉の高圧がかかるのですから、その部品の設計はメーカーの設計、製造技術、経験のノウハウ固まりのようなものです。」

僕なりに読み解いていきたいと思います。 (さらに…)

2016.08.29

明日に向けて(1296)伊方原発3号機1次冷却水ポンプは耐圧試験で壊れた!ただちに停止すべきだ!

守田です。(20160829 18:30)

前回の続きで伊方原発3号機の構造的欠陥と思われる一次冷却水ポンプ故障事故についてさらに解析していきたいと思います。
すでにこの点については「明日に向けて」(1282)(1283)で記事にしたのですが、これらを書いた翌日の7月25日に四国電力から報告書が出されました。以下の文章です。

伊方発電所3号機 1次冷却材ポンプ3B第3シールの点検結果等について
四国電力 2016年7月25日
http://www.yonden.co.jp/press/re1607/data/pr005.pdf

ここで7月17日に起こった事故原因の解説がされているのですが、核心部分で述べているのは、なんと格納容器の耐圧試験を行ったときに、ポンプの軸受け部分のシールド箇所に大きな圧力がかかりシールドが効かなくなったということでした。
当該部分を以下に抜粋しておきます。

「7月12日に実施した原子炉格納容器の耐圧検査時に、第3シールに通常より高い圧力がかかったことにより、シール構成部品であるOリングの噛み込み等が発生し、摩擦力が多きくくなり、シーリングの動きが悪くなったものです。
このため1次冷却材ポンプ3B起動時に、シールリングが傾いた状態となり、シート面に隙間ができたことから、シールリークオフ流量が増加したものと推定しました。」

抜粋はここまで。

分かりやすいように解説します。そもそもこのポンプと言われる装置、150気圧300度で流れている一次冷却水の中にプロペラを仕込んで回し、水流を強める役割を果たしているものです。
プロペラを回すためにモーターが必要で、その軸が循環している一次冷却水の配管にいわば直角に差し込まれ、その先でプロペラが回されて冷却水が攪拌されているのですが、このモーターの軸の部分がシールド上の弱点になっているのです。 (さらに…)

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