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2016.09.08

明日に向けて(1302)制御棒処分、国の管理10万年?・・・そんなものは未来世代への暴力だ!

守田です。(20160907 23:30)

またしてもとんでもない決定が原子力規制委員会によって下されました。

原発の廃炉ででる放射性廃棄物のうち、原子炉の炉心に差し込まれる制御棒など、放射能レベルが「極めて高い」廃棄物の処分方針が決められたと言うのですが、なんとなんと国が10万年管理するというのです。
そもそも日本国がこの先10万年の続くのでしょうか?そんなことどうして保障できるのでしょうか。2000年という年月にすら持ちこたえた政府など世界のどこにもないのに。
いやそもそも人類の歴史そのものが数千年のおぼろげな記憶しか残されていません。それらから、10万年、国が管理するなどというのはまったくの暴論です。

もう少し詳しく見ていくと、今回の決定で廃棄物はL1、L2、L3と分けられています。
使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物がL1、原子炉圧力容器の一部などレベルが比較的低い廃棄物がL2、周辺の配管などレベルがもっと低い廃棄物がL3です。
このうちのL1を70メートルより深い地中に埋めた上で、電力会社に300~400年管理させるのだそうです。しかし電力会社が「数万年とするのは現実的ではない」ので、国が管理すると言うのです。

誰もが分かるようにこの決定は突込みどころ満載すぎます。
そもそも電力会社が300~400年持つと言う保障などどこにあるのでしょうか?ほとんど現実性などありません。この会社は電力というテクノロジーのあり方いかんに規定されもする会社なのでもあって、この先、どうなるかなど誰にも見通せません。
その上、もはや滑稽すぎるのは、先にも述べた如く、国家が10万年持つ保障など、電力会社が300~400年持つことよりももっともっと可能性が少ないことです。
どうして原子力規制委員会は、こんなできもしないことを「決定」だとか言って持ちまわることができるのでしょうか。この一点だけでも科学から完全に逸脱していると言わざるを得ません。

ただし私たちはここでこの「決定」の荒唐無稽さを嘲笑してすましていてはなりません。
ここには原発の、あるいは原子力エネルギー体系のきわめて根深い犯罪性が明らかになっているからです。特に重大なのは、ここに私たちの世代による未来世代への重大犯罪が含まれていることです。
なぜならわずか40年、エネルギーを取り出したために、その後に10万年もの管理を強いてしまうからです。しかも強いられる未来世代には、そこからエネルギーを取り出せないばかりか、膨大な年月の管理の手間と、事故の危険性だけが背負わされます。 (さらに…)

2016.08.16

明日に向けて(1289)伊方原発を動かしてはならない幾つもの理由-下

守田です。(20160816 02:00)

伊方原発を動かしてはならない理由の続きです。

第七に懸念すべきことは、伊方原発が実に5年4カ月ぶりの再稼働を迎えていることです。
昨年夏に川内原発が再稼働するまで、世界で4年以上停まっていて再稼働した原発は14例しかありませんでしたが、そのすべてで大小の事故が起こりました。
なぜかというと、あらゆる機械は恒常的に動かしていてこそ正常に動くのであり、長く停めていると、可動部がくっついて動かなくなる「固着」などの現象が起こり、動きが悪くなってしまうからです。

しかも原発は大量の水が循環しており、一部は海水がまわっているため、腐食やさびなどが生じやすいのです。
しかし設備があまりに巨大なために、あらかじめすべての箇所を点検することができません。そのためこうした事故が起こりやすいのです。
この間の再稼働でも川内原発1号機で復水器のトラブルが起こりました。高浜原発4号機は、送電開始とともにアラームがなり原子炉が緊急停止してしまいました。

なお以下の記事では触れていませんが、こうした長く停まっていた原発のトラブルは機械的要因だけはでなく、運転手や保守点検員などの技術者の能力の低下にも直結します。
このため事前の点検にミスが出やすかったり、さまざまな数値の入力の誤りなども生じやすい。4号機もそれで停まったのだと思われますが、原発の場合、こうしたミスが大事故に直結することもあるだけに深刻です。

明日に向けて(1127)再稼働した川内原発でさっそくトラブル発生!ただちに運転を中止すべきだ! 2015年8月22日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/649eafab984d8f08dcb08954f246de2f

(さらに…)

2016.08.15

明日に向けて(1288)伊方原発を動かしてはならない幾つもの理由-上

守田です。(20160815 23:30)

すでにご存知のように8月12日に伊方原発3号機の再稼働が強行されました。
13日には核分裂反応が「安定的」に持続する「臨界」状態に達し、本日15日午後2時過ぎに発電と送電が開始されました。
今後、22日までかけて出力をあげていき、フル稼働したのちに国の検査を受け、来月7日には営業運転に入るとの見通しが語られています。
伊方原発のまったくもって無謀で無責任な再稼働強行に怒りを込めて抗議します。

伊方原発を動かしてはならない理由、すぐに停めるべき理由は実にたくさんありますが、注目すべきことはその多くが川内・高浜原発と被ってもいることです。
なぜならこれらの原発はともに同じ矛盾に満ちた新規制基準のもとで再稼働が認められているからです。
同時に重要なのは同じ構造的欠陥を抱えた三菱重工製の加圧水型原発であるからでもあります。

では伊方原発に固有の危険性、動かしてはならない理由とはなんでしょうか。
一つに地震の大きな断層帯である中央構造線のほぼ真上に存在していることです。
二つに細長い半島の付け根にあり、その先に5000人もの人々が住んでいて、重大事故のときにとてもではないけれど安全な避難などできないことです。
この二つの理由だけでも、伊方原発は即刻、再稼働を中止すべきです。

この点を踏まえた上で、川内・高浜両原発にも共通する動かしてはならない理由を、「明日に向けて」の過去記事を参照しながらおさえておきたいと思います。 (さらに…)

2016.01.28

明日に向けて(1208)高浜原発再稼働は大事故を前提としているから認められない!(新規制基準の誤りー1)

守田です。(20160128 17:00)

関西電力が明日29日にも高浜原発3号炉の再稼働を進めようとしています。マスコミ報道によれば、午後に32本の制御棒を抜き初めて翌日30日の朝にも臨界状態に、さらに軌道から3日後の2月1日には発電と送電を開始する予定としています。
すでに多くの方が再稼働の危険性を訴え、現地高浜での24日の大きな反対集会をはじめ、全国で抗議を貫いていますがあらためてここで、この再稼働の何が最も許されないものなのか、ポイントを押さえておきたいと思います。

まず何よりも私たちが重視しなければならないのは、再稼働に許認可を与えている原子力規制庁の新規制基準そのものが、とてもではないけれど安全性の観点から言って許容しがたい内容の上に成り立っていることです。
端的には「大事故の発生を前提とし、これへの対策を施す」ことを再稼働の条件としていることです。大事故を絶対に起こさないのではなく、起きうることを認めて、対策を重ねると言っているのです。

このとんでもない内容を最も分かりやすく示しているのは、昨年3月に原子力規制庁が作成し、3日により高浜町のケーブルテレビでの放映を開始した後にホームページにも掲載した以下のビデオです。
全体で29分のものですが実質的な説明が行われているのは2分40秒からで全体で26分20秒のものです。興味のある方はご覧下さい。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
2015年3月
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg (さらに…)

2016.01.20

明日に向けて(1206)原発ケーブル不正敷設問題が示すのは規制当局に適正がないことだ!

守田です。(20160120 11:30)

原発ケーブル不正敷設問題の続報です。
冒頭に再度、緊急署名の要請を貼り付けておきます。本日20日が第一次集約、2月20日が第二次集約です。まだの方はぜひ署名をお願いします。

高浜・川内原発も調査を!ケーブル不正問題についての緊急署名
https://fs224.formasp.jp/f389/form1/

この問題について前号で背景を詳しく説明しておきました。
できるだけ多くの方に問題を広げられるように、ポイントを短くまとめて提示することにしました。ぜひご活用ください。

①昨年9月の柏崎刈羽原発6号機の中央制御室床下を剥がした際、ケーブルの敷設状況に不正があることが判明しました。火事対策としてなされるべき安全系ケーブルと一般のケーブルが分けられていなかったり防火壁が設けられていませんでした。
②このため同原発1号機から7号機までを調査したところ、同様の不正が次々とあらわれ、合計で1049本ものケーブルに不正があることが分かりました。
③同じような不正が他の原発でも行われていないか調べたところ、福島第二原発3、4号機、浜岡原発4号機、志賀原発1号機、東通原発1号機及び女川原発3号機でも同じ不正があることが分かりました。
④事態を重く見た原子力規制庁はすべての電力会社に同様の不正がないか全原発の調査を行う指示を出しました。
⑤しかしながら再稼働を強行した川内原発1,2号機と、再稼働の許可が出されている高浜原発3、4号機のみ、調査対象から除外されました。新規制基準にこの点の調査指示が含まれており、すでに合格しているからとの理由です。

ご紹介している署名はここまでの事実をもとに、とてもではないけれども川内原発と高浜原発のケーブル敷設に不正がないとは信用できない。ただちに調査を行うべきだ。そのため川内原発を止め、高浜原発の再稼働も延期すべきだと訴えるものです。
極めてもっともな内容ですのでみなさんにご紹介し、お願しています。

その上で僕が背景説明として付け加えたのは次の点です。 (さらに…)