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2016.02.13

明日に向けて(1212)「北朝鮮の脅威」を利用した安倍政権の軍拡とこそ対決しよう!

守田です。(20160213 23:30)

北朝鮮によるロケット発射や核実験をいかに捉えるのかの最後に、こうした北朝鮮の行動を「脅威」だと過大に評価し、危機意識を煽ることで軍拡を進めてきた自民党歴代政権や、安倍政権とこそ対決すべきことを訴えたいと思います。
日本政府は北朝鮮のノドンなどのミサイルを含めたロケット開発や核実験をリアルな脅威だと思ってきたでしょうか。全く否です!
これには誰にも分かる重大な証拠があります。他ならぬ福井の原発銀座の存在です。日本政府は実は心底北朝鮮を信頼してきたからこそ、北朝鮮の鼻づらとも言えるような地域に原発を建て、ぶんぶん稼動させてきたのです。
そればかりかもっとも危険であり、技術的な困難にまみれている高速増殖炉もんじゅまで最も北朝鮮に近いところに作ってしまったのでした。

前回の記事で示したように北朝鮮が初めての核実験を行ったのは2006年です。そのときどれか一つでも原発を止めたでしょうか。あるいは原発に対する防衛態勢をとったでしょうか。全く否。理由は北朝鮮が原発を攻めてこないと確信していたからです。
私たちはこの日本の国の人々に、もう本当にこの点で、政府のペテンに騙されるのは止めようと大声で訴えなくてはなりません。今だってわざわざ北朝鮮の目の前の高浜原発を再稼働させているのですから。
実は日本政府は、北朝鮮が核カードを切る理由が、アメリカを米朝平和条約締結交渉に引き出そうとすることにあることを知っているのです。だから自国の滅亡を意味する軍事攻撃など実際にはしてくるはずがないとタカをくくっているのです。
そうでないならばPAC3ミサイルなんか配備する前に、大急ぎで使用済み核燃料を福井原発銀座から運び出しているはずです。いや事故があったら通常の原発の何十倍もの危機が発生するもんじゅをいち早く解体しているはずです。

北朝鮮の脅威など大嘘なのです。むしろ恐ろしいのは米軍です。実際にイラクに侵攻したのですから、同じように北朝鮮に侵攻することがあるかもしれない。そのとき東アジアが戦乱にまみれるかもしれない。いや実際にその危機は1990年代にもありました。
だからこそ日本を守るためにも、米朝平和条約の締結を可能にしていくことこそが最も重要なのです。そうすれば火種が無くなっていく。偶発的にせよ、戦争にいたりうる要因を除去することがこの国を守る本当の道です。
しかしそれでは軍隊と武器メーカーは困るのです。常に「適度な」軍事的緊張関係があった方がいい。時には戦争があって武器・弾薬の在庫が一掃された方がいい。平和の樹立だけは絶対に避けなくてはいけない。それが死の商人=武器メーカーの本音です。
だからこそ「北朝鮮の脅威」は格好な材料にされ続けているのです。 (さらに…)

2016.02.12

明日に向けて(1211)国際社会の連携で北朝鮮に自制を促すと言ったって・・・(事態の捻じ曲げにもの申すー2)

守田です。(20160212 17:30)

北朝鮮のロケット発射や核実験に関する考察の続きです。
前回は本来「六者協議」として行われているものが「六か国協議」にすり替えられ、背景が見えなくされている問題について指摘しました。
今回はマスコミなどに良く見られる「国際社会の連携、ないし一致で、外交努力で北朝鮮に自制を促せ」・・・等々の論調の誤りを指摘したいと思います。

そもそも「国際社会」とは何でしょうか?ここからして考察しなければなりません。
北朝鮮がロケットを打ったことで批難されるのは、北朝鮮も参加する国連がロケット発射を禁止しているからです。前回も指摘したようにロケットが大陸弾道弾と同じ技術だからです。
これに対して北朝鮮は宇宙の平和利用は主権国家としての権利だと主張して、国連の禁止事項はおかしいので従わないと言っているわけです。

このことの是非は今は横におくとして、ここから言えることは無前提的に使われている「国際社会」とは「国連」を中心とした世界秩序のことだと言えます。
国連はもともと日本・ドイツ・イタリアなどを枢軸国(Axis Powers)と戦争を行った連合国のことですから、中心国はアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国(常任理事国)だということになります。
これらの国を中心とした国々の連携で北朝鮮に自制を促すということになりますが、そもそもここに大きな矛盾があります。

第一に前回指摘したように「国際社会」の中軸国たるアメリカと北朝鮮は交戦状態です。いやより正確に言うならば1953年の休戦協定に調印しているのはアメリカ、北朝鮮の他、中国ですから、朝鮮戦争をめぐっては米中とて休戦状態です。
といっても米中両国の緊張関係そのものは1972年の米中共同声明を経た1979年の国交正常化により緩和しており、戦争状態は集結していると言えますが、北朝鮮とは休戦状態であるだけでなく、極めてシリアスな関係が続いてきました。 (さらに…)

2016.02.10

明日に向けて(1210)北朝鮮のロケット発射をいかに捉えるのか(報道による事態の捻じ曲げにもの申す)

守田です。(20160210 23:30)

みなさま。
このところ7日に投開票された京都市長選に関わり、候補の本田久美子さんの応援で駆け回っていました。
本田さんが戦争法と原発再稼働反対を掲げるとともに、「子ども未来局」の設置など、現門川市長のもとで進んでいる教育の差別化、子どもの貧困化などを食い止める提言をされていたからです。
また世界遺産である下鴨神社の糺の森の一部がマンション建設のために売り払われたり、二条城周辺の森林が巨大バスターミナルのために伐採されつつあるなど、京都が金儲けのために売り払われようとしていることを本田さんと食い止めようと思いました。

しかし選挙結果は門川現市長の勝利に終わりました。とても残念です。
この過程については、僕のFacebookのタイムラインをご覧になられている方は、連日たくさんの写真や報告がアップされていたのでご存知と思いますが、学んだこと、新しく作りだせたつながりなども多数ありました。
これらも含めた選挙についての捉え返しを僕が参加している「本田久美子さんを勝手に応援する会」の以下のFacebookページに載せていますので、興味があればご覧下さい。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=449268435263826&id=419389324918404&fref=nf&pnref=story

ともあれ現場での連日の現場活動に飛び回っていた期間は「明日に向けて」の更新がまったくできませんでした。
選挙では今も14日投開票の京都府八幡市の市長選で、同じく戦争法反対、原発ゼロを掲げている井筒かおるさん、市議補選にたっているさわむらさんの応援でまだ頑張りますが、ともあれ今日から「明日に向けて」の執筆を再開させていただきます。
どうかよろしくお願いします。

さて今宵は表題にあるように「北朝鮮のロケット発射をいかに捉えるのか」について論じたいと思います。僕が強く指摘したいのは、多くのマスコミがことの本質を見誤っており、安倍政権の都合のよい論調になってしまっていることです。
いやこのことは安倍政権の戦争政策に反対している人々の中でも一部見受けられるように思います。

この点、まず表題でお気づきになった方も多いと思いますが、僕は「ロケット発射」という言葉を使い「ミサイル発射」という言葉を使いません。
事実問題として、今回発射されたのは人工衛星であったことはほぼ間違いがないからです。他ならぬアメリカがそう断定しています。
以下、共同通信配信のニュースを東京新聞の紙面から示し、一部を抜粋しておきます。

北朝鮮ミサイル発射 「衛星」周回軌道を米戦略軍が確認
東京新聞2016年2月8日夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201602/CK2016020802000199.html

 【ワシントン=共同】米戦略軍は七日、北朝鮮が実施した事実上の長距離弾道ミサイル発射により、二つの物体が周回軌道に乗ったことを確認、追跡を続けていることを明らかにした。
北朝鮮が地球観測衛星と主張する「光明星4号」と、ミサイルの三段目の残骸とみられる。
二〇一二年十二月の発射に続き、二回連続で「衛星」を軌道に乗せることに成功したことになり、ミサイルの制御技術が向上していることを示す。

もっともそもそも弾道ミサイルと人工衛星は同じ技術の上に成り立っています。先端に核弾頭を積めば弾道ミサイルであり、人工衛星を積めばロケットなのです。
だからロシアなどでは言語的にも分かれておらずにともに「ロケーター」と呼称されています。
重要な点は今のような政府発表や報道のあり方が認められるのであれば、日本が打ち上げているロケットだって、弾道ミサイルと言えることです。

ただしその場合でも実際の使い方には違いもあります。
何より弾道ミサイルではいったん大気圏外に出てから再度、大気圏に突入し、目的地を目指すことになります。
これに対して、人工衛星の打ち上げでは、大気圏外の軌道に人工衛星を届ければいいので、再突入は目指されません。そして今回も再突入は行われていないのです。ところがこの点は「再突入の技術は未確立」と書かれています。

これらからすれば、確かに人工衛星の打ち上げ自身が、弾道ミサイル技術と一体のものとしているのは事実であるけれども、「人工衛星は嘘で、本当は弾道ミサイルだ」というような書き方が誤りであることが分かると思います。
いや日本が打ち上げている人工衛星とても弾道ミサイル技術なのであり、これと自民党の石破元防衛庁長官が「原発を持つのは潜在的核兵器だからだ」と発言していることを合わせるなら、これまた核ミサイル準備ととられられることにもなりうるわけです。
にもかかわらず、北朝鮮を得たいの知れない悪辣な国家であるかのように描き、恐怖をあおって日本の武装の強化に利用しようとしているのが安倍政権であり、事実を伝える側は、この策略に巻き込まれない慎重な言葉の選び方が必要なのです。 (さらに…)